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質問者Pさんへ返した回答は発想の転換だけ。

2015/02/10

仕事柄、いろいろな家づくりのポータルサイトに登録しています。家をつくりたいと考えた方が、そのパートナーを探したり、相談をしたりできる、家をつくりたいと願う素人と、仕事を受注したいと考える専門家をつなぐサイトです。僕ら専門家の方は、そういった方々との出会いの場として登録参加しています。基本的に登録は無料なのでいくつかのサイトへ登録しています。そういったサイトからの受注はまだ経験ありませんが、マイナスになることもないだろうとそのままにしています。

そのままにしていると言っても、サイト側からはいろいろなアプローチがあります。御社営業地域でこんな案件が出ていますとか、実績写真などの登録を更新してくださいだとか。これらアプローチにはあまりかまっていませんが、質問や相談ごとにはできるだけ答えるようにしています。先日もあるポータルサイトをご利用のPさんから、こんな質問投稿がありました。質問サイトに相談事をあげると、それを見てる専門家がアドバイスしてくれます。

いつまでも悩んでいるより・・・。

いつまでも悩んでいるより・・・。



「予算2000万円でこんな家建てられますか?」

内容を見てみると、面積も大きいし建物の仕様も結構グレード高いです。いろいろ調べられているようで、構造についてや断熱について、内部や外部の仕上げ材料についても細かく書き込まれています。条件の中に出てくる「展示品でもいいです」とか「総2階建てでかまいません」とか「無垢材は欲しいけど節ありでもいいです」などのコメントからも、予算的に厳しいだろうというのはご本人も気づかれている様子です。

これ、よく目にする質問です、ということは多くの皆さんが同じような不安を抱え、家づくりを始めようとされているということ。どうしたら理想の家が安く予算内で建てることができるか。もっとも基本的な部分だろうと思います。

でもちょっと待ってください。これまで多くの方の家づくりに参加してきましたが、この部分は信頼できるパートナーを見つけてからの方がいいようです。えーって声が聞こえてきそうですが、実は質問者さんが本当に欲しい返事は、「断熱材はこれがいいですよ」という答えではなく、「あなたにはこれがピッタリですよ」という、あなたの立場に立ったアドバイスではないでしょうか。

予算2000万円とあります。この2000万円の根拠はなんでしょう。ご自身の年収からまぁこれくらいならとか、今の家賃から計算するとこれくらい借りれそうだななど、中にはローンシミュレーションを駆使してこの予算をはじき出されているかもしれません。しかしそこには大きな落とし穴があります。それはあなたがお金のプロでないこと。いくらシミュレーションをやってみてもそれが正解かどうかなんて分かりませんよね。これくらいかなって感じだと思います。

断熱材は高性能なポリスチレンフォームで、外張り断熱がいい。仕事で疲れているのに、夜な夜なネットサーフィンしていろいろな家づくりサイトでいいものを探して回る。これだと思ったものもあるけど、もっと他にないのかなとまたまたググってしまう。結局不安は拭えないまま。

メンテナンスフリーがいいと外装や屋根の材料をやっぱりネットサーフィン。調べてるうちに自然素材などというキーワードが目に入ってきた。気にはなるけど、メンテナンスが不安。

結局、いろいろ悩んで調べてみても結論は出ず、ただただ時間だけが過ぎて、不安は残ったままです。なぜそうなってしまうのでしょう。お気づきの方もいらっしゃるでしょう、そう、全体が見えないからです。プロとアマチュアの違い、それは全体が見れるか否かです。アマチュアの場合どうしても気になる部分だけに意識が集中してしまいます。プロは全体を見ることで諸条件のバランスをとってベストを選んでいきます。

ベストが選べるということは、あえてアンバランスにすることも可能ということです。例えば「床材は吉野スギの無節で赤白がきれいなもの」とっても贅沢で、全体予算から考えるとものすごくバランスの悪いチョイスです。でも、全体が見えていれば、その分のコストアップをどこでカバーすることができるかと分かるのです。つまり、選択の幅が広がるってことです。この判断はアマチュアではなかなか難しいと思います。

◎餅屋は餅屋

では、我々家づくりのプロに相談すればすべて解決するのか?はいっ!と答えたいところですが、我々でも知り得る知識や情報には限度があります。お金のことであればファイナンシャルプランナーやモーゲージプランナー、保険であればその分野の方、土地のことなら不動産屋さんなど、建てた後では固定資産税や相続税などで税理士さんの力が必要かもしれません。我々家づくりのプロは、それらの情報や知識を広く知っています。多くの家づくりに関わるので自然と身に付いていきます。でも深くはないのです。金利や税法など刻々と変わっていきますし、国家資格を有してそれらの問題を解決している専門家に我々がなれるはずもないのです。

◎解決を目指すことと、楽しみむことは別。

楽しい家づくりです。自分でいろいろ調べたり、間取りを考えてみたり、どんな断熱材があるのかリストアップしてみたり、どれも時間はかかりますが自分たちの家づくりのことなので楽しいことです。この楽しさは絶対味あうべきです。しかし、そこで結論を出そうとしないでください。解決や結論を求める場合は専門家を利用した方がいい。その道のプロに自分たちの状況や夢を打ち明け、その中でのベストを導きだしてもらう。一人一人のベストはバラバラです。あなたにぴったりの家をつくるためには、そういった行動も大切だと思います。

こんな風に質問者Pさんにもお答えしました。その後、参考になった!のアナウンスが来たので、いい家づくりになるのではと思います。今回書いたことは家づくりスタート時における発想の転換です。あなたも、いい家づくり目指すなら早めにパートナーを見つけてくださいね。

いいものは長く使われ、そして愛され続ける。

2015/02/9

先月末にFAD建築事務所のWEBサイトをリニューアル公開し、あわせてうちの新しいサービスも同時に公開しました。リリースして一週間が経ち、サイトへのアクセス数は順調に推移しています。新サービス「暮らしバコ提案セット」の方は、先月末に広告をして、そこからのご依頼はまだ届いていませんが、以前からご予約いただいていた計画が本日よりスタートしました。リフォームの計画ですが、なかなか手強いものになりそうです。

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木製の窓や竿縁天井がかわいいらしい。



少なくとも築60年は経っているはずです。戦前なのか、戦後なのかが微妙な感じです。基礎はほとんどが石場建てで、一部ブロック基礎に変更されています。床下に潜ってみると、土のままの土間が広がっていて、床組に使われている木材も寸法がそろった規格ものではありません。全部バラバラです。それらを一つ一つ調査するのは至難の業でしたが、午前中に事務所へ戻ってきました。ものすごい冷え込みと、容赦なく吹き付ける冷たい風に心折れそうにもなりましたが、楽しみなリフォームになるので奮起しました。

同時に、屋外では整地作業も進んでいました。実はこの建物、鬱蒼とした竹や雑木の中に埋もれるように建っていた平屋のお家。しかもその敷地面積が700坪。竹や雑木の伐採や除根、そしてやっと整地まで進んできたというところです。整地作業の方に声を掛けると、「寒かねー」といいながらも笑顔で返事いただきました。やっぱり笑顔は気持ちいいですね。いろいろ話していると何やらビニール袋を持ってきてくれました。

タケノコの新芽。小さくて可愛らしくて、美味しそう。

タケノコの新芽。小さくて可愛らしくて、美味しそう。



「タケノコの新芽だけん」と、除根している時にちょこちょこ出てきたそうです。まだ全然土から顔を出していない可愛らしいタケノコちゃん。早速頂こうと思いますが、しっかりと調理方法をリサーチして美味しく頂こうと思います。

入母屋の和風な住宅だけど、こじんまりしていてなんともいい感じのボリューム感。

入母屋の和風な住宅だけど、こじんまりしていてなんともいい感じのボリューム感。



青空でポカポカに見えますが、屋根の上は風が容赦なく吹き付けてフラフラでした。屋根勾配も4寸くらいあるので、なかなかのへっぴり腰になっていたと思います。内壁・外壁共に基本新壁で土壁、どう断熱と気密を確保して、温熱環境を整えていくか。もちろん、構造的補強も必須です。幸い雨漏りなどは大した被害もなく、あれだけの森の中に建っていたわりには、シロアリの被害も今日は見当たりませんでした。

そんな基本的住宅の性能を確保した上で、今後住まわれるクライアント家族がずっと心地よく、楽しく暮らせるような家をデザインしていきます。先日、そんなクライアントの暮らし方についていろいろなお話を聞きました。アンティークが好きだと言うのは前からも聞いていましたが、その真意がただの趣味思考ではないのだということに気づかされました。

◎いいものは長く愛され使い続けられる。

これこそがアンティークであり、そうでなければアンティークとして名乗れないのだと。こんな風に直接お聞きしたわけではありませんが、クライアントのものに対するやさしくも強い想いを感じ取りました。この家も中古として買い求められたものです。直接の繋がりがあったものではないそうですが、自分たちの家として手にされました。

これから3週間、そんなリフォーム計画のプレゼンテーションを成功させるべく、計画を進めていきます。結果はまたその後にアップしようと思います。どんな提案ができるか楽しみです。

 

 

楽しいドライブだったはずなのに・・・。

2015/02/9

久しぶりに次女だけを連れて家内と3人ドライブに出かけました。冷たい風がきつくなかなか寒い出発でしたが、車の中は日差しがある分ポカポカ、晴れててくれたのが救いでした。

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ほかの子供たちは何をしてるのか。



 

目的は雪のある場所。とりあえず阿蘇を目指しました。そりを積んで、滑れるところを探してみましたが、なかなか見つかりません。寒い寒いといっても今年はまだ本格的な雪を見ていません。きっとこのまま市街地での雪は見れないかもですね。

お昼過ぎてしまいました。お腹すいたという次女のためにローソンに立ち寄りました。白水村にある駐車場ちょっと広めのローソンです。お気に入りのおにぎりを買って、ご機嫌な娘。後は雪だけなのですが、已然見つけることができず、ドライブは続いていました。

ちょっと退屈してきたのと、お腹いっぱいになったこと、そしてポカポカの車中に、程よい振動。あっという間に娘は寝てしまいました。そんな娘を見ていると、なんだかこっちまで眠くなってしまい、車を止めて一緒に寝ちゃいました。家内もいっしょです、まぁこんなドライブもいいです。

どれくらい寝たんでしょう、最初に僕が目覚めたのですが、そこが一瞬どこなのか分からなくなりました。皆さんも経験あるでしょう、起きてここどこだってこと。そんな感覚でした。家内も目覚めたようです、娘はまだ寝ています。起こすのも可哀想なので、家内と二人でどうでもいいことをしゃべっていました。

なにかとんでもないことが、

どうでもいいことを家内にしゃべっていると、全然笑ってくれずどちらかというとむっとしてます。そんなにつまらねーかとぼくもムッとして、「何っ?なんかいけないこと言った?」家内はまだムッとしています。そして「いや、そうじゃなくて大丈夫?」って青白い顔をしています。どうしたの?と聞くと、あごを僕の頭の方、いや頭の後ろの方にツンツンと動かしました。

えっ?と、そのあごの先に手を回してみると何かに触れました。そして、その手の先に顔を向けるとそこにあるはずのない、というよりあってはならないものがあります。何となく気づかれたと思いますが、幽霊でした。それも小さな女の子。

それでも、

ただ、ビックリしたのは一瞬で、不思議なことにあまり怖いという感覚はありませんでした。小さな女の子の幽霊であるのは間違いなのですが、よくよく見ると至って普通の少女なのです。そんな見た目から恐怖心もなかったのかなと思います。娘と同じくらいだったからかもしれません。そんな娘はまだぐっすりです。

家内もそれ以降、あまりしゃべらなくはなりましたが、ただ騒ぐでもなくじっと見つめています。ぼくは、なんだかその子が可哀想になり、こんな風に声をかけてみました。その子が幽霊だと分かっているのにです。

「ねえ、お母さんたちはどこなの?」一緒にいて不思議でない年齢だし、きっと一緒に事故かなにかにあってこの場にいるんだと感じたのでしょう。少女は黙ったままです。そっと頭をなでてやると、少女は不思議そうに僕の方を見つめています。言っていることは分かっているようですが。

すると、パッと少女の背後の風景が変わりました。そしてその風景は、どうも部屋の中のようです。しかも少女の部屋のようでした。後ろのドアがゆっくりと開き、お母さんらしき女性が小女に声をかけていました。「○○ちゃんどうしたの?」するとその少女がこう答えました。

「やさしいおじちゃんがいるの。」

「何いってるの?」とお母さんは不思議そうです。どうもぼくらが見えていないようです。幽霊からは僕らが見えないのかぁーっと思った瞬間っ、はじめて気づきました。目の前にいる少女とお母さんは現実の世界の人たち。そして少女へ優しい言葉をかけてる僕の方が違う世界の人間。

お母さんにはそんな僕らの姿は見えてなかったんです。でも、少女には見ていた。気付いていなかったのは僕らのほうだったんです。

このブログ書きながら、すごく怖かった。でも、朝目覚めてこれが夢だったと分かった時、本当にほっとしました。周りには次女も長女も家族全員が当たり前にまだ夢の中。そんな幸せを忘れないためにも、このブログ書いてます。こんなオチですが、怒らないでくださいね。

 

フラット35の金利優遇をいかすために気をつけておくべきこと。

2015/02/7

先日、ずっと固定金利の住宅ローンフラット35からこんな案内がありました。この件に関して何人かのかたから質問ありましたので説明しておきます。詳しくは下記リンクで見てみてください。

金利引き下げ幅を拡大

ご存知の方も多いと思いますが、フラット35Sでは当初数年の間金利を一定の割合で割引してくれていました。それが、このたびの平成26年度補正予算の緊急経済対策によりその金利優遇率が拡大されました。

これまで当初5年間が0.3%の金利引き下げであったのに対し、倍の0.6%引き下げられます。これがどういうことか実際の借入を想定してみるとこうなります。

借入額  2500万円
適応金利 1.50%
返済期間 35年

この条件の場合、これまでは当初5年間の金利が1.50-0.3=1.2%であったものが、今回の優遇拡大で1.5%-0.6=0.9%ということになります。つまり5年間は0.3%の金利分これまでより返済額が少なくなるということです。実数にて計算してみます。

元利均等方式で算定すると、当初5年間の金利合計はそれぞれが、1.2%の場合1,413,476円で、0.9%の場合1,055,743円になり、その差額は約35万円。さらに、フラット35SにはAタイプという基準がありそれをクリアすると、当初5年間という期間の縛りが、当初10年間へと優遇期間が延びます。元利均等なので、35万円の倍の70万円にはなりませんが、何れにしても金利でそれだけ支払い額が減るわけですからうれしいですね。

札束

借り入れの審査について



金利の低下で返済額が減る、当たり前のことですが、手放しで喜べるわけでもありません。ここからが意外とご存知でない借り入れ可能額についてのお話です。今回質問頂いたのも、このことでした。

◎借入可能額を算出してみる。

現在のフラット35の最低金利は1.370%とのこと。この金利で借り入れ可能額をいくつかのパターンで算出してみます。フラット35のホームページにシミュレーションがあるので詳しくはそちらで。

毎月の返済額から借入可能額を算定した場合
11.6万円/月の場合3,868万円になり、

年収から借入可能額を算定した場合
年収400万円の場合3,890万円になります。

シミュレーションでここまで簡単にできるのですが、この金額が借りれるかどうかは、これだけでは分かりません。実際には返済比率というチェックをクリアする必要があります。返済比率とは、年間のローン支払額を年収で割ったもので、フラット35の場合30%〜35%で設定されているようです。では、先ほどの借入可能額と年収からこの返済比率をチェックしてみます。

毎月の返済額11.6万円×12カ月=139.2万円(年間の支払額)
139.2万円÷400万円=34.8%

借入額3,890万円の場合毎月の返済額139.9万円
139.9万円÷400万円=34.9%

どちらも、返済比率30%の設定でいくとアウトになり、35%でもギリギリのラインであることが分かります。つまり、この返済比率こそが審査基準のボーダーラインということです。ここでは、単純に新規の住宅ローン分だけで年間支払額を算出していますが、実際の審査は他の借入があれば、その分も支払額に合算しなくてはなりません。例えば、スマホの機種代で3500円/月(年間45,500円)あった場合は、139.9万円+4.55万円=144.45万円になり、返済比率は36.11%で35%をオーバーしてしまいます。

◎現実味のある返済金額から借入額を決める。

現在の家賃が8万円だった場合、その8万円を返済額に設定すると、年間返済額が96万円で返済比率も24%となり審査はクリアです。では8万円でどれだけ借りれるのか、1.37%35年払いの場合2,667万円になります。この金額が簡単に判断できる借入可能額になるでしょう。

ただし注意も必要です。実際はその後の老後などの積み立てや、子供たちの教育費など、これまでにはなかった支出も出てきます。本当に安心できる借入可能額はもうちょっと詳しいシミュレーションをやったほうがいいですね。自力で詳細シミュレーションもフラット35のサイトでダウンロードできますので、チャレンジしてみることをお勧めします。面倒だという方は、ファイナンシャルプランナー(住宅ローンの専門家)などに相談してみるのも手です。

◎フェアな判断のできる相手を探しましょう。

金利低下+優遇という何ともうれしい時期だからこそ、しっかりと自分たちにあった資金計画を進めましょう。うちではそういったご相談にも、各専門家とのタイアップでフェアな判断かできるようにしていますので、お悩みの際はお問い合わせください。

土地を探す、間取りを考える、インテリアを思い浮かべる。それらより先に資金計画をしっかりやり、後悔のない楽しい家づくりをスタートしましょう。

 

たたみとソファーとテーブルと。

2015/02/3

問題の整理

住宅設計では、食事の支度→食事→食後のくつろぎというのがオーソドックスな流れとして存在します。今回もまた、そんな家族のくつろぎを想像しながら計画を進めています。もちろんシンプルにコンパクトに、広さはいつものようにそのご家族にとって広すぎないものを提案していますが、解決しなければならない問題が残っています。日本の住まいではよく見かけますが、リビングの中のたたみの間がそれです。今回の計画では、そのたたみの間を食卓に近い位置でレイアウトしたいとのご要望がありました。

なにが問題なの?

特別なことと思われない方が多いと思います。当然ですね、よく目にしますもんねこの間取り。でもこのレイアウトはあまりきれいな空間ではないとぼくは思っています。一番の問題は食卓に座っている人と、たたみに座っている人との目線の高さが合わないこと。こんな経験ありませんか?親戚が自宅に来た時、あるいは親戚のうちにお邪魔した時、一緒に食事をとる。そのとき、たたみに座ってる人は椅子に座ってる人を見上げなければなりません。距離が近ければ尚更です。しかも、いすテーブルの人の足下まで目線に入ってきます。みんなで集まっての楽しいイベントですから、どうせなら目線を合わせておいしい食事をしたいものです。

その解決方法は?

よく使われる方法としては、たたみの間を小上がりにすること。35cm〜40cmほど床からあげておけば、椅子に座っている人とほぼ同じ高さの目線が確保できます。ただし、その時だけのために小上がりをつくるのは勿体ない。普段から利用できるもの、利用し易いものでなければつくる意味がありません。たたみの間というくらいですから、廻りには板の間(フローリング)が広がっているはずです。そうなると、同じリビングの中でのバランスが悪くなり、バランスをとるためにはフローリングの広さ、たたみの間の広さをある程度確保する必要が出てきます。

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たたみの間の使い方



今回も、食卓テーブルがあり、たたみの間があり、フローリングがあります。そのままでは、先に書いたようにそれぞれの間隔を広げて、それぞれがある程度独立するようなレイアウトが望ましいところです。でもそれでは、面積はどんどん広くなり、その分費用もかさみ、暮らし始めてからの光熱費も増え、メンテナンスを必要とする範囲も増えてしまいます。それでは、せっかくうちに設計の依頼を頂いたのに勿体ない。考えた結果がうえの画像です。

たたみとソファー。

ご覧いただくとお分かりの通り、結構コンパクトに台所・食堂・居間(たたみの間と板間)が納まっています。それぞれの間隔もかなり近いです。ちなみに、たたみの間は約4帖。その中に、テレビ台と3人掛けのソファーが配置されています。たたみは小上がりではありません。ということは、食卓との高さのギャップは?となりますが、今回は窓側に置かれたソファーがそれを解決してくれました。ソファーと食卓とは相性がいいです。「たたみの間があるからソファーを置くのはあきらめます、ほんとは欲しいんですけどね」とご依頼いただいた時におっしゃっていたのが頭の中に引っかかっていました。どうにか叶えられないかと考えていたら、こんなところに解決策が出てきました。通常新築でたたみの上にソファーはレイアウトしません。たたみにも置けるソファーとして売ってあるものもありますが、デザイン的に限りがあります。

ちょっとだけ常識を外してみる。

そこで、たたみの間を4帖の広さに見えるように配置して、ソファーを置く床は板張りにしました。どんなソファーを持ってきてもいいように。それともう一つ、ソファーとたたみの関係を整理する方法として考えたのが、たたみをラグとして考えること。ソファーの足下にラグを引くと、ぐっと空間的まとまりが出てきます。そのラグの代わりがたたみというわけです。足触りはすこぶるいいし、もちろんそこに座ることもできる。ソファーに寄りかかっても、ソファーが壁際にあることでずれたりもしません。人数が集まる時はちゃぶ台を出せば、そこで食事もとれます。なかなかよく纏まったともいます。

あとはこの案をお客さまに見ていただき、了解いただければ細部の検討に移っていきます。ぼくの想像がお客さまの心の奥底に繋がっていれば、「おぉソファーが入ってるー」と喜んでもらえるはずです。さて、どうなることでしょう。今週中にはまとめてご覧いただこうと思います。

 

築50年、小さな家の実証実験。

2015/02/2

公営住宅での暮らし。

昨年の9月まで、結婚してのしばらくから約15年間、アートポリス参加の公営住宅に住んでいました。設計は坂本一成さん。公営住宅であったためか、キチンと3DKの間取りになっていました。駐輪場から4層を貫く外部吹抜けや、玄関から伸びた長い廊下、居間と食堂に繋がる6帖強のベランダ。一つ一つはあっというものばかりでしたが、それらがすごくシンプルに美しく納まっていました。強いられたデザインはなく、どれもこれもオーソドックスなものばかりです。ここでの15年間の暮らしは、ぼくの住宅に対する考え方に大きな影響を与えました。ここで長男が生まれ、4人の子供たちが成長してきました。窓がいっぱいあって掃除が大変だったり、結露に悩まされたり、なにより寒かった。しかし、それら問題を解決しながらの生活は、鉄筋コンクリートであり、街中の生活であるにもかかわらず、心地よい田舎暮らしというか豊かささえ感じていました。建築物そのもの力もあるでしょうが、それだけでなく、そこに暮らす工夫というか、そういうものとリンクすることで発揮されるた感覚だったのかもしれません。その証拠に、リンクできなかった他の住人からは酷評もいっぱいでした。

引っ越しをせまられる。

昨年になり、退去の努力をという通知が届くようになっていました。いよいよ出なければいけないかと考えてはいたのですが、次の住まいを準備しなければなりません。いよいよ新築の自邸かとも考えましたが、いまいち気持ちが乗りませんでした。持ち家に今もですがあまり興味がわかないんです。長い賃貸生活で、普通は持ち家に気持ち移りそうですが、賃貸であるからこその暮らし方への工夫、その楽しさを知ったからでしょうか。なにか、暮らしの中にも条件があって、それをクリアしていくことから、豊かさが生まれるような、そんな感覚です。家族に言ってもなかなか理解推奨はないですが、まんざらでもなくそんな暮らし方になじんでいるようです。

戸建て賃貸を借りる。そして暮らしを整理する。

そんな感じでしたから、持ち家計画は検討もせず、賃貸物件を探し出しました。やっぱり住み慣れた近所がいいのであたってみると、意外と貸家が多いことに気づかされます。ただし、長屋形式のも(広い敷地に戸建ての住宅が数棟並んでいるタイプ)が多い。あれはいけません、暮らしが内にこもってしまってせっかくの戸建てが台無しです。そんな中、元の住まいから歩いて10分、子供たちの通学路からちょっと入ったところに良物件を見つけました。普段からお付き合いしているオフィスオレンジさんからの紹介でした。戸建てで庭があって駐車場も2台分。家賃も申し分なし。早速契約して引っ越し支度です。広さこそ公営住宅より広くなりましたが、間取りはやっぱり3DK。6人家族では普通選ばれない広さと間取りです。それでも、ぼくと家内の中ではそこでの暮らしが想像できました。なかなかいいぞと。大家さんに相談して、費用ぼくら持ちでのリフォームはある程度してもいいよとの返事も頂き、早速リフォームに取りかかりました。大きく内容は3つです。

・床材の杉板化
新建材フローリングだったのでその上に杉板を張りました。タタミは撤去で杉板厚板に

・居間、子供部屋には紙障子を設置
障子用の木枠から準備してきちんと取り付け

・壁をセルフビルドで色の塗り替え
子供たちが楽しみながら大活躍

この三つだけで、間取りの変更は一切なし。元々の間取りと、僕らの家族構成がぴったりとはまり、想像通りの住まいに変身しました。これが中古住宅での購入であれば断熱リフォームをやるところですが、さすがにそれはやめておきました。そんな簡単リフォームでの生活が始まりました。

小さな家間取りとインテリア

築50年小さな家の間取りとインテリア



全体面積も20坪に満たない小さな住まいです。それぞれの部屋も6帖とか8帖なので広いわけではありません。それでも、窮屈さはなく、家族との程よい距離感と、開放感さえ感じます。下側が南側ですが広い庭が広がっています。窓には障子をつけていますが、和紙越しに入る庭からの光は何ともやさしくて気持ちいい。締めっぱなしでも窮屈さは感じません。障子マジックですね。男子部屋も女子部屋も同じ6帖をそれぞれ二人でシェアしています。一人3帖の計算ですが、これはぼくが新築を計画する時の常数です。子供部屋の広さとしては最も効率的であり、落ち着ける広さだと考えています。一人6帖が当たり前の時代ですが、数年経てば無用の部屋になってしまいます。うちの男子部屋も、ひょっとしたら今年独り部屋になるかもしれません。広く使えている原因としてもう一つ、居間と寝室を兼ねているところでしょう。布団を敷けば寝室だし、しまってしまえば居間へと変身します。食堂は別にあるので、これで十分です。布団の上げ下ろしさえ怠らなければバッチリです。食堂と流し・食器棚などの収納との距離感もちょうどいい。椅子に座ったままでも手が届き、配膳も食事の支度も効率的です。まぁ、お風呂と洗面所トイレは手を付けると大事だったので何にもしていません。でもやっぱりお風呂寒いので、窓廻りの断熱化計画中です。窓さえ整えれば冷気の移動が少なくなり実温ほどの寒さは感じなくなるはずです。

冬の4カ月を暮らしてみて

最も寒いこの時期でさえ光熱費は前の住まいより安くなっています。実際、体感温度も上がっていて、朝の冷え込みもさほど苦にならないくらいです。屋根にも壁にも、もちろん窓についても無断熱の家ですが、なぜかあまり寒さを感じませんでした。おそらく、白い障子戸の明かりによる視覚的効果と、柔らかいスギの床板による触覚的効果、それと面積が小さい・室内ボリュームの少なさによる高効率効果がこの体感を実現しているのではと思います。これまで、私がお勧めする住宅として、小さな家というのは最大ポイントでした。実際お住まいになった方々からもいいご感想を頂いてきました。しかし、この家に越してきて実際に6人家族で暮らしてみて、あらためて小さな家の良さを実感しました。

6人で20坪というのは、うちの家族だからできたことかもしれません。しかし、そこで見いだしたルールを利用すれば、もっともっと小さい家の可能性は広がっていくのではと思います。小さくても豊かに暮らせる家、今後もその探求は進めていきます。

1970年生まれ、今年で45歳になります。

2015/01/31

体の話題が挨拶になる。

体の衰えについて話題にする事が増えてきました。久しぶりに合う友人たちとは「太ったんじゃない?」が合い言葉のように飛び交います。「いやいや、体重は変わってないんだけどね〜。なぜかそう見えるんだよねぇ。」おきまりの返事です。間違いなく筋力が衰え、いたるところの肉が緩んできている。

やっぱり健康が一番だよね。

昨年は、それをなんとかしようとテレビで見かけた体幹トレーニング、フロントブリッジの型を全身プルプル震わせながらやってみました。60秒を3セット2カ月くらい続けてお正月が来たので、それで終わってしまいました。続けていた時はなかなかいい感じに負荷がかかって、おなか廻りも何となくスッキリしていたような。ひとつきサボっているので、元の状態に戻っています。今日からまた初めてみよう、体重計もデータとれるやつでスマホで管理できるものなので、それも再開しよう。娘たちに、パパのおなかプニョプニョと突っつかれる事は減るかもしれないけど健康第一、トレーニング再開してみます。

おっちゃんに間違いなくなっている。

そういえば、体のこともだけど最近視力に大きな変化が現れてきました。もともと近視+乱視持ちだったので眼鏡は欠かせなかったのですが、その眼鏡が障害になってきたんです。そう、老眼です。パソコンの画面を見つつ、手元の資料を見たりものを書いたり、パソコン画面でちょうどいい眼鏡が、手元を見るとピントが合わない。ちょっと前まで他人事だった、おっちゃんが眼鏡を頭の上にのっけって書類を読む姿。まさにそのかっこうをやています。慣れてくると、頭に乗っけるのもさまになってきます。不思議なもんですね。

でもやっぱり面倒だよな。

目線を移す機会めちゃくちゃ多いので、やっぱり老眼鏡をつくろうと眼科へ行ってきました。掛け替えるのは無理なんで遠近両用タイプを新調しようと。でもどんな風に見えるのか分からないので、眼科で診察と眼鏡の処方箋をつくってもらいました。たしかに老眼鏡をかけると文字がくっきり鮮明に見えます。老眼鏡いいねって感じです。

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境目なしの遠近両用めがね。テレビコマーシャルでよく耳にした言葉です。今これを掛けて仕事していますが、デスクワークは申し分なしです。手元も画面もくっきりみえてストレスがありません。ただ、外を歩いたり買い物の時などはちょっと気持ち悪いです。目線だけ下向くことあるじゃないですか。そんな時眼鏡が曇ってるのかって言うくらいぼやけちゃいます。靴を履くときなんか、靴を見失います(さすがにそこまではないですが)、酔いそうです。

これはデスクワーク用につかって、もう一本近視+乱視用の眼鏡が必要なようです。このデザインが気に入って買ったので、同じフレームでレンズだけ変えたものをつくろうかなと。明日にでも眼鏡屋さんに行ってきます。

要は気の持ち用ってことで。

体の衰えも、捉え方次第では新たな行動に結びつくようです。健康維持のためにトレーニングを再開し、視力の衰えを補うために眼鏡を新調、そして身だしなみに気を使う。マイナスがプラスになり、ハッピーに繋がる。自身の心をコントロールできればどうにでもなるようです。ピンチはチャンス、口に出して言うことも必要かもと思う週末の昼下がりでした。

 

 

Blogの引っ越し 、大変だという事が分かったので、リンクを張る事にしました。

2015/01/29

昨夜自宅に戻って、これまで使っていたライブドアブログの引っ越しをこちらのブログにしようと、いろいろ調べてみました。やっぱり同じ事やっている人多いようで、その引っ越しのやり方解説サイトをいくつか発見。きちんとできるようですが、画像の引っ越しが大変そう。何年も書いている記事ですから、結構なボリュームあります。

続ける事が大切は当たり前、それを継承していく事はもっと大事。

画像の移動にはそのアドレスを一つ一つ書き換えないといけないようでした。これもまた一括で変換してくれるソフトがあるようです。すごいですね。でも、どうもその辺りのソフトはWindowsのものが多いようです。実際解説サイトをアップしている方々も、利用されているマシンはWinみたいでした。やる前から腰が重くなるような作業ですから、途中でうまく行かないというのが分かったらそのショックはきっと大きいはず。という事で、ライブドアブログはそのまま放置し、一応そちらへもいけるようにリンクだけ張っておこうと思います。これが手抜きなのか、継承なのか定かではありませんが。

古市伸一郎のライブドアブログ/素朴な家がいいと思う。

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ふと読み返すと、言葉の言い回しも違うし、言っている事にもその変化を伺えます。これは成長と信じていますが、素直に懐かしく楽しい思いでとして読む事ができます。信じてきている事は変わっていないようです。その表現方法や、実現のための手段は変わっている。お暇だったらそんな目線で眺めて頂ければ幸いです。

省エネから健康へ。35歳のあなたもいずれは高齢者。

2015/01/28

今日の話は住まいの温熱環境についてです。70年代のオイルショックから日本では省エネが盛んに叫ばれてきました。いたるところのスイッチに「節電」という張り紙がありました。ぼくが小学生の頃はよく見かけました。同世代の方であれば経験あると思います。

省エネ省エネ、言葉だけでは満足しません

そんな世代ですから、比較的省エネには関心ありますよね。でもスイッチを片っ端から消していっても一体どれくらいの効果があるのか?そんな疑問を持ちながらパチンパチンやってたと思います。3.11の震災以降さらに省エネについては皆さんの関心は高まっています。国の方では、一定レベル以上の住宅でなければ作る事のできないという法律も作られました。これまでの省エネ法と改正後の法律、おおきく3つのバージョンアップがあります。詳しくは、いろいろなサイトで紹介されているので、「2020年 住宅 省エネ」などの検索で見てみてください。

3つのポイント

1つ目・・温熱環境における地域区分の細分化。これまでより細かく地域が分けられました。

2つ目・・床面積単位で算定していた住宅の温熱性能を外壁(屋根など含む)面積単位に。

3つめ・・一次消費エネルギ基準による判定基準が新設。

出典:日本サステナブル建築協会

2020年以降の住宅は安心

どれも、消費者にとっては分かり難い内容ですね。でも心配ご無用、3つめさえ確認しておけば大丈夫です。なぜかって、2020年以降はこの基準をクリアしない住宅は作れなくなるから、基本的にそうなっているのです。だから、2020年以降は安心して基準をクリアした住宅が手に入ります。ん?じゃぁ、4年後の2019年の住宅はどうなの?と思ったあなた、鋭いです。

まずは聞いてみましょう。

現在この法律は施行されており、すでに基準をクリアした住宅もありますが、まだまだ多くはクリアしていない住宅が大半です。2020年まではこういった住宅と、新基準をクリアした住宅が混在してる状態です。もしあなたが家づくりの最中でしたら、依頼している作り手にそのあたり聞いておいた方がいいと思います。

1年の違いが大きな違い

起こりうる状況として、2019年に建てた住宅と2020年に建てた住宅では、その住宅で消費する光熱費に大きな開きが現れる事もあります。3つ目のポイントにあげた通り、消費エネルギーの基準ができるわけですから、そのまま光熱費に影響してきます。先に建てた自分の住宅と、後で建てた友人宅で電気料金に大きな差があったら・・・、いやですよね。月に3000円違ったら年間36000円。これ今の低金利の住宅ローンに換算すると100万円近い融資額に匹敵します。つまり、30万円の温熱環境へのグレードアップをやらなかったら、70万円損をしているような感じになるんですね。住宅ローンが低金利になっているようです。先の計算で経済的なメリットが見えたと思います。でも、やっぱりお金の事ばかりじゃないし、少々電気代掛かっても、エアコン嫌いだし、少しくらい我慢できるし。

それちょっと違うところから見てみると

家を建てたあなたは今35歳です。35年の住宅ローンを使っていたとしたら、その頃には70歳。今は元気バリバリなあなたも必ず高齢者になるんです。今は健康とかあまりピンとこない人も、ぼくら45歳とかになって久しぶりの友人と会うと、やっぱり体のどこが痛いとか、血糖値がなんて話になるんです。

知ってる人と知らない人、どっちがいいですか?

家を建てる時は元気な時ですが、そこで暮らすうちにどんどん老いていきます。体だけでなく、精神的にも弱っていきます(まれに元気になっていく方もいますが)、将来断熱リフォームをなんてなかなか大変です。省エネ法2020年基準が施行されています。計算式や判定方法もしっかりしています。それを選ぶかどうかは人それぞれですが、知らないまま家を造ってしまっては30年間の後悔に繋がりかねません。

高齢者が元気だと日本も元気に

健康に暮らせれば、日本の医療費も削減できる。そんなデータもいっぱい報告されています。心も体も健康な高齢者でいること、いいと思いませんか。元気なあなたもいつかは高齢者!若い今のうちにしっかり考えておきましょう。

やっとできました、サイトリニューアル。

2015/01/28

奇をてらわない、素朴で、小さくて、可愛らしい家。派手さはないけど、住まうほどに愛着の湧く、豊かな家。そんな住まいがいいと思います。住宅専門の建築家古市伸一郎です。

■https://fad-office.com FAD建築事務所サイトリニューアル■

随分、久しぶりのブログ更新になっています。表題の通り、FAD建築事務所のサイトリニューアルに伴い、ブログの更新もストップしていたところでしたが、そのサイトリニューアルがやっと完了し、ついに公開までたどり着きました。同時に、ブログも新規オープンです。

今回の新規サイトページ、10数年のサイト管理の中で初めてWeb制作会社へ依頼しました。ずっと自前でページの構築からデザイン・原稿起こしまで自らやっていたことをお金を払って依頼したのです。他では当たり前のことかもしれませんが、自分でできることを費用をかけて注文することには、それなりの勇気と覚悟が必要でした。

自分が理想とするWebサイトが提案されるのかどうか、それだけでなくWeb制作のプロフェッショナルとして、僕らが気づいてないFAD建築事務所のサイトにとって必要なものをどれだけ提供してくれるか。その二つのことが気がかりでもあり、期待するところでもありました。

■感謝と気づき■

そういう想いの中、2014年7月末に制作依頼をし、打ち合わせ、写真撮影、原稿つくりを繰り返し、本日の公開に至ったわけです。それぞれのタイミングで、多くの方々にご協力頂き、いいサイトが出来上がりました。制作会社であるフロンティアビジョン株式会社さん、写真撮影をやって頂いた有限会社マツセ写真館さん、そして取材やコメントでご協力頂いたFAD建築事務所OBクライアントのみなさま。

単純にWebサイトをリニューアルするということだけでなく、それをきっかけに多くの気付きや出会い、そして感謝が生まれました。先に書いた二つのことももちろん達成できたと感じていますが、そのこと以外のことこそが本当の財産になったのかなと思ています。

週末にはこれまでにやったことのない、8万部という数の広告チラシを配布します。もちろん、このチラシに新しいWebサイトの情報も掲載しています。どんな反応が出るのか楽しみな反面、ドキドキもしています。反応があればあったでうれしいのですが、無かったらその原因を分析し、次の行動の軌道修正を考えてみます。そして、より多くの方にFAD建築事務所の考える家を知って頂き、もっともっといい家をつくっていけるように、トライ&トライを繰り返していきます。

■トライアンドトライ■

 2015年2月。FAD建築事務所開業から15年の節目の年です。更なる高見を目指し、このWebサイトリニューアルも生かしていきます。「いいものをつくっていれば伝わるはず」では伝わる速度や量に限りがあるようです。そんなことにやっと気づき始めました昨今、いいものをつくっているからこそきちんと伝えなくてはならない。そんな風に感じています。

新しくなったWebサイト、そしてブログ。みなさまのいい家つくりのために活かせるよう、ジャンジャン更新していきます。ハードルあげてしまいましたが、自身への戒めとしたいと思います。

撮影風景

(OBクライアントさま宅写真撮影風景/2014年8月)

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