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堰堤(えんてい)に魅せられてダム巡り!

2019/02/28

始まりはヘリテージマネージャー

こんにちは、久しぶりにプライベートなネタにてブログ書いてみます。先週の日曜日福岡県うきは市へ「ダムを訪ねるドライブ」へ行ってきました。ダムっていきなりどうした?ってツッコミは家族からもう十分いただいておりますのでこちらではご容赦ください。

とはいえ、なんでダムなの?の答えは、ダムの魅力に取り憑かれたから。そのきっかけとなったのが、全国の建築士会(建築士が個人として登録する社団法人)が開いているヘリテージマネージャー養成講座を受講したこと。全14回(1回約4時間)約半年間、毎週土曜日の午後はみっちりこの講座に出席していました。その内容は建築士として、地域に埋もれている歴史的価値を軸に、残しておくべきものを探し出し、その存続のためのアイデアや、保存修理の監修、文化財への登録支援などなど。そんなヘリテージマネージャー養成講座の最後の課題が「私が見つけた登録文化財」というものでした。


僕が選んだのはこの施設。菊池川第五発電所、菊池渓谷へ登っていく途中にある九州電力の水力発電所でした。秋の行楽シーズンに渓谷へ行った時、近くの駐車場がいっぱいで随分下の駐車場に停めさせられて、家族にブツブツ言われながら歩いていて見つけた施設です。見つけた時はぞくっとしましたよ。

 


その施設の中で文化財として押したかったのがこの部分、水力発電に必要な水を一定方向へ導くための堰(せき)。湾曲した美しいフォルムです、しかも石で作られています。施設には近づけないのでよく見えませんが、おそらく自然石です(ひょっとしたら間地石とか割り石?)。

 


現地看板の情報によると大正12年(1923年)に完成とあります。96年前の施設でしかも現役。建物やその内部の発電装置などは繰り返し更新されているようですが、この堰はきっと当時のまま。すごい難工事だったと看板にありました。重機などない時代に、岩盤を掘り進み場所を確保し、石を地道に積み上げた当時の光景を思い浮かべると、じーんときました。これが堰堤マニアの始まりなのでした。こんなのが他にもいっぱいあるんじゃ?と思うと、見に行きたくなるじゃないですか。

 


ということで、現地看板にあった菊池川第一発電所、(第五発電所より下流なのに第一発電所)まで行ってみました。やっぱり石積みの堰があります。曲線は第五発電所には敵いませんが、苔むした感じはいいですね。奥にある施設もその風化感が哀愁放っていてGOODです!

 


調子の乗って、他にもないかなとキョロついているとこんな石橋に遭遇。道路からは全く見えない場所です。本道路から狭い道路へ降りて行ってみると、どこかで見たような・・・。なんと、大河ドラマいだてんのロケで使われたところでした。そんな案内板なかったのですが、絶対そうです。奥に見える建物もドラマでは藁葺きでしたが、そんなのセットで作れるだろうし。あとで調べみたらやっぱりそうでした。県指定文化財である永山橋(明治11年築造)、文化財つながりでの発見にまたもや身震い。一人でカメラ持ってウロウロ、なかなか怪しかったかもしれません。

 

堰について調べてみると・・・

こんな感じで堰に興味が湧きだし、検索してみるとあるんですねやっぱりいろいろと。マニアの方もいっぱいいらっしゃるようです。そこで出てきた情報が「ダムカード」というもの。ダムカードって何?トレカみたいなものなのかと想像はつきましたが、そんなものがあるのか、にわかに信じられず、さらに調べてみるとまたまたグッドな情報が現れました。

 

天皇陛下御在位三十年を記念して、特殊デザインの記念ダムカードを配布いたします。 ← 国交省へのリンク

こんな報道が国交省から出ているではありませんか。どこでもらえるのか見てみると、いろんなダムで無料で配られているとのこと。こりゃもらいに行かねばということになったわけです。ただ、対象ダムの数が多くて九州だけでも93カ所あります。的を絞らなければならないので、まずは見た目ということで石積みをキーワードに。

 


福岡県うきは市にある藤波ダム。石積みを基本としたダムのことを「ロックフィル方式」と呼ぶこともわかりました。かっこいいです!

 


さすがに手作業ではないでしょうが、石積みです。洪水抑制の治水ダム、右側が水上で左が水下になります。

 


ボリュームはこんな感じ、スケールでかいです。

 


水上側にある排水溝、高さ30mくらいあります。大雨などでダム湖の水が増えた時、ここから下流側へ流されるとのこと。想像しただけでゾッとしますが、放流を見てみたい気もします。

 


その下流側です。とてつもないデカさの水流コースターです。

 


下流側からその滑り台をみると、上から見るよりゾッとしました。写真でわかりにくいですが、高さのスケールに圧倒されてしまいます。入っちゃいけないところだったっていうのもあるのですが・・・(汗。

家内と娘は車で退屈そうに待っていたので、ダムカードの申込書をいただいて、藤波ダムをあとにしました

 

せっかくきたので付近を探検

ここまできたので他にもないかとgoogleマップを見てみると、近くにもう一つダムがありました。合所ダムです、行ってみるとこちらも迫力満点。ただ付近の道路からでは近づけなかったので、別の角度を狙って・・・。

 


下流側へ来てみたのですが肝心のダムが見えない。ただ、むき出し鉄骨が錆び朽ちている廃墟と、そこへ繋がるコンクリート製の橋、さらに奥には鉄骨製の橋、そして綺麗な川という、いい感じのロケーションに出会えたので良しとします。肝心な合所ダムへは同伴者の退屈がピークに来ていたので次回にということになりました、残念!

 


帰り道の出会い。バス停ですがシュールなミニオンに囲まれて。ちょっと機嫌が良くなりました!

 


さらに寄り道ということで、魚返りの滝に行って

 


斧渕の滝を覗いて・・・もうだいぶ日が傾いて来たのでいよいよ帰ろうと山を下っていると・・・

 


ダムを発見!砂防ダムですね。しかし、見慣れた砂防ダムではなく、鉄管が設置されています。「鋼製フレーム堰堤」というそうです。流木や巨石はここで引っ掛けて、水は流すというものでしょう。ダムにもいろんな役目がありますね。さらにダム(堰堤)に興味湧きました。自転車で堰堤巡りとか、これからの季節気持ち良さそうです。ちょっと計画してみますかね。

 


こちらは藤波ダムへ向かってる時に途中立ち寄った「石積みの棚田」、農閑期だったのでちょっと寂しかったですが、シーズンであれば石積みと緑のコントラストが綺麗なのは想像できますね。偶然でしたが、やっぱりこちらも石繋がりでした。

 

今回の堰堤巡り、ほぼ思いつきで行ったのですが、なかなか奥深いものがありました。今年は49歳にになります。設計の仕事で独立して今年で19年、来年はいよいよ20年の大台に乗っていきます。とはいえ、まだまだ先は長い。人生80年時代ももう古い、100歳まで生きるとしてあと50年あります。

仕事は生涯やっていきたいですが、仕事以外の余白も考えていこう。そう思っていた時だったので、この堰堤巡りはちょうど良さそうです。しかも自転車で廻れればと画策しています。自転車とカメラとスケッチブックなんかを持って、週末はサイクリング。想像しただけでワクワクします。こんな余暇が過ごせるよう、精神的にも体力的にも健康であれるようがんばろうと思います。あと50年も人生があるってあらためてすごいなぁと感じた旅でした。

 

 

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現場で作ることで思いが乗っかる。

2019/02/22

天窓を楽しむ

内部の造作工事が進んでいます。天窓にもガラスが納られているので、室内がパッと明るくなってきました。大工さんと板金屋さんとガラス屋さん、三者の技術を合わせたオリジナルです。

 


浴室に設けた天窓です。天井がこの後張られますが、浴室の端から端までをくり貫いた、夜空が楽しめる窓。周りに高い建物はないので、これだけオープンでも大丈夫というロケーションなのです。この窓部分が天井よりグッと高い位置にあるので、浴室の換気扇もこの凹み部分に納めます。湯気を効率よく排出できるようにと狙っています。

 


こちらは玄関ホールに設けた天窓です。すでにボードが張られて、形が見えてきました。仕上がると白い壁になるので、さらに明るく感じることでしょう。青空が綺麗ですね。

 


脱衣室から浴室側を見ています。脱衣室(洗面所)の窓って取り付ける場所難しいですよね。ちょうどいい場所だと外からの視線がきになるし、そうはいっても明るい脱衣室(洗面所)の方がいいし。ということで、うちでは天窓を多く採用しています。上からの視線がある場合は乳白色ガラスを使い、このお宅のようにそれがない場合は透明ガラスにしています。場所も大きさも自由にできるのでオリジナル天窓オススメです。

 


リビングもだいぶ見えてきました。

 


窓枠の取り付けも進んでいます。既製品はなく、全て素材から作って現場で設計通り取り付けられています。今回は内障子を設けないので、ブラインドが取り付けられます。そのために、ブラインドボックスも造作で設けています。そのボックスの作りにもさりげなく工夫をして美しく仕上げています。

 


こちらには100円ショップの小さな磁石とベニアでできた箱が置いてあります。今回の住宅で必要なものなのですが一体なんでしょう?こんな風に作って欲しいですとスケッチでリクエストしたらすぐにできていました、大工さん素敵です。何ができるかは後日のお楽しみということで。

 

現場は3月末の完成を目指し、皆さん頑張ってくれています。現場で作るオリジナルが多いとその分関わった人の思いも乗っかるようです。家全体にそんな雰囲気が漂っています。手間はかかるけど、そんな家は長く愛されると思います。完成披露会も予定されているので、そのご案内はまた次回。どうぞお楽しみに!

 

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天窓と食卓テーブルのお話し。

2019/02/15

天窓つくりが進んでいます。

うちの設計では天窓をよく取り入れています。何が何でも天窓というわけではなく、暮らし方に寄り添うために効果的な場合の採用です。リビングが明るいのは当然なので、リビングでの採用は少なく、窓を取りにくい脱衣室や階段室、洗面所や意外と外光の入りが少ない玄関ホールなどに使う機会が多いですね。

既製品の天窓もあるのですが、オリジナルの場合がほとんど。自由なサイズで作れ、思い通りの位置にセットすることができます。ガラスの種類も選べて、星空をみたいなら透明ガラス、視界を遮り明るさだけを求めるなら乳白ガラスと、使い方に合わせたセレクトが可能です。ただし、雨漏れなどのリスクがあるので、しっかりとした設計と施工は必須ですね。

 


今回の住宅では、脱衣室兼洗面所とトイレ、それと玄関ホールへ天窓を設けています。写真は脱衣室兼洗面所の天窓になる部分。まだ、壁も天井もない状態なので、ちょっとわかりにくいですが、明るくなっている部分に天窓があります。断熱材の白が光を反射して、これはこれで綺麗ですね。

 


こちらはトイレに設けた天窓です。枠材はできているもののガラスがまだ入っていないため、ベニア板で蓋がかぶせてあります。

 


その天窓に使う枠材を加工している風景。今回初めて枠材を杉の集成材で製作しています。見つけ面に柾目が現れるように作ってあり、いつも使っている板目のものと違う表情で、こちらもいい感じです。使い方次第でどちらでも似合う納め方ができそうです。

 


天井下地組みも始まっています。これができてくると、部屋のボリューム感が出てきて一気に家感が増してきます。

 

食卓テーブルの天板選び

暮らしの中で食事はとても大切な時間だと思っています。みんなと一緒であろうと、時間が合わず一人で食べる食事であろうと、適当な食事は人の精神状態にいい影響は与えないだろうと。そこで、食卓テーブルの役割は大きいと思うんです。だから、うちの設計では必ず食卓テーブルまで一緒にご提案しています。持ち込み(購入)テーブルでお気に入りのものがある場合は、そのテーブルにあった食卓デザインを考えますが、それがない場合はオリジナルでぴったりのものを設計しています。今回もテーブルを一緒に提案していたのですが、素材についてご希望が出てきたので、では実物を見に行きましょうということで、福岡県大川市まで行ってきました。

 


お邪魔したのは、大川市にある「有限会社高田製材所」さん。木材取り扱い樹種数が世界一という素材問屋さんです。上の写真はほんの一部で、とても一枚の写真には入りきれません。こっそり、現在の在庫資産はどれくらいですかと聞いたら、数十億でしょうとさらりと。もし、火事にでもなったらと勝手に心配してみたり。ネットからの問い合わせも受けられているようですので、詳しくは下記サイトをご覧ください。

有限会社 高田製材所 https://mokuzaikan.com
福岡県大川市古保802

 


まずはショールームで、いろんな樹種の特徴を説明いただき・・・

 


実際に並べてある材を眺めながら、いろいろな質問をしてみて。ちなみにこちらはウォールナットの一枚板。

 


塗装の仕上がり具合をサンプルでご説明いただき・・・・

 


運命の出会いへと繋がりました。片隅に立ててあった左端のこの紅白の一枚板。最初に、このショールムに入った時からそこにあったのですが、全く視界に入っていませんでした。それはなぜか?施主も含め僕も工務店さんも、案内してくれていた高田製材所の古賀さんも、「今回はウォールナットとかブラックチェリー」のようなものと意識していたから。そんな目線で見ていたので視界に入らなかったのです。

 

感動の出会いに

ウォールナットを探していたのですが、適当なサイズの在庫はなく、納期が間に合わない。では、ハギ材(数枚の板をつなげたもの)ではどうかと相談をしていました。ハギ材の説明をいろいろしていると、施主より「やっぱり一枚板じゃないとうちには意味がないです。一枚板でないなら逆になんでもいいくらいです」ときっぱり。この一言で僕は鳥肌立ちました。案内してくれていた高田さんがそれに反応します。「では、これが私の一押し、オススメです!」と向かった先が、この紅白の一枚板でした。なるほどサイズもぴったりで、ほぼ仕上がっているので納期も間に合います。

 


立ててあったものを床に置いて再確認、いい感じです。施主も「いいですね、これにします」と速攻で商談成立。あっという間の出来事でしたが、すごく感動の瞬間でした。潜在的に抱いているイメージと現実目に入ってくるものには大きなズレがあります。今回、みんながイメージしていたものはウォールナットでしたが、それがちょっとしたきっかけでこの一枚に出会い(すでに出会っていたのですが)、家づくりの中のドラマが生まれました。「行き詰まったら違う角度からものを見る」なんでも一緒ですが、心がけておきたいものです。

 

ドラマといえばこの一枚板の樹種も面白い。この木なんの木、気になる木〜でおなじみの「モンキーポッド」でした。子供の頃の日曜夜のテレビの定番CMでしたね。僕らの世代で行けば、西遊記(夏目雅子・堺正章出演)の番組後に流れていたような気がします。ドラマ繋がりです。

 

家づくりも折り返し地点まで来ています。完成が待ち遠しいですが、さらなるドラマが生まれるよう、いろんな目線で家づくりをサポートして行きます。

 

なんでも結構です!ご質問などございましたら、ご遠慮なくこちらからお問合わせください。心をこめてお応えさせていただきます^v^。

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