【飛熊の家_MTH】木枠の造作が始まりました。
2017/07/22
やっぱり木枠はいい
いよいよ、木枠の造作が始まりました。これが始まると、一気に窓周りが輝きを増していきます。まずは、玄関の引き戸が取り付く木枠です。
鴨居に2本の溝、方立てにも溝が2本彫られています。これは、外側に網戸、内側に板戸が入るための溝です。方立てにある溝は、防寒じゃくりと言って戸を閉めた時に方立てと戸の間にできる隙間をなくすためのもの。木製建具や、木枠は自然素材なので、ソリや縮みが発生してもおかしくありません。それらをカバーするために、こういったしゃくりを入れ、自然素材の欠点を補おうとしています。
既製品のアルミドアであれば、こんなこと気にせずに済むのですが、気にしてでもこの木製を使うことでその住宅の気持ち良さは倍増するはずです。今後は、この上に気密をいかに確保していくか、それがクリアできるように、研究していきます。
緊張の墨出しという作業
こちらは、同じ玄関引き戸枠ですが、床付近のアップ写真です。小さく「レール」って書いてあります。これは、この高さに引き戸のレールを取り付けますよの印です。室内床から何mm下がった位置なのか、現場測って印をつけていきます。毎回この作業は僕自身でやっていますが、何度やっても毎回緊張しますね、これをあてに左官屋さんがレールをモルタルで固定されるんですから。
そのほかの木枠たち
腰窓の枠も順次取り付け中です。この窓の詳細図がこちら
加工工場でこの通りに木枠が加工されて現場へ搬入され、それを大工さんが上の写真のように組み上げていきます。釘や金物が表から見えないようにですから、簡単には組み上げられません。図面の段階でも頭の中で組み上げのイメージをしています。
部屋の角っこに窓をよく設けます。これは、部屋の中で外光を取り込んで一番効果的な場所(明るく感じる場所)がこのような入り隅だからです。窓から入った光が、壁面にぱぁーっと広がって、実明るさ以上に部屋を明るく感じさせてくれます。
こちらは、地窓です。先の入り隅効果を床面で狙っています。この窓には内障子もつきますので、窓の左側まで木枠(障子用)が伸びていっています。この障子も、明るさを調整してくれる日本の優れた仕掛けです。
そして、南側の大開口窓。まだこちらは木枠造作始まっていません。今はまだ穴が空いているだけですが、ここに先のような木枠が造作されていくと、一気に迫力満点の窓に変わっていきます。楽しみは後回しということで、ほかの部分から進められています。
最後の写真で見えていますが、天井下地もほぼ組み上がっています。勾配のついた、屋根と同じ方行の天井です。今回のこの天井、設計では石膏ボードに紙クロスを張り、帆立の貝殻の粉末塗料で仕上げる予定でしたが、お付き合いの素材屋さんから、「ヒノキの板を在庫してるんでどう?破格で提供できますよ」との連絡が入ったので、早速クライアントへ提案。見事採用となり、この天井にはヒノキ板が張られることになりました。ここの天井も見応えあると思います。
という感じで、現場は造作工事の真っ只中。熊本も梅雨明けして、連日30度オーバーの日が続いています。あとしばらく、この枠まわりの工事が続きますが、フォルムが徐々に見えてきました。現場も折り返し地点、後半もしっかり体調管理して、気持ちいい家を作っていきましょう。