お知らせ・ブログ

光の森の家_鉄筋組み立て完了

2015/08/18

「光の森の家_ガレージのある平屋の家」現場ライブ

鉄筋の組立が完了しました。本日はその検査にきています。

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まずは、全体的にみて状況を把握します。いつものことですが、ぱっと見ただけで、うまく納めてあるなと分かる組立状況です。

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基礎の交差部です。組立ができてしまえば先の写真のように何とも普通に見えるのですが、実際の組み立て作業はこんな感じです。鉄筋は重いんです、自由に動かないんです、いろいろ引っかかるんです。やっぱり、この作業を繰り返してきれいに普通に納めていってる基礎屋さんはすごいと思います。

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検査しなくても見ただけで大丈夫そうですが、その住宅の見えなくなる部分の情報なので、しっかりと監理していきます。

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普通の住宅では目にしない止水板です。土間スラブ部分と立ち上がり部分の打ち継ぎ部分に取付けます。止水板というくらいですから水の浸入を防ぐのが目的の材料です。うちの家づくりではこれを防蟻材料として使っています。物理的に、シロアリの進入経路をつぶす作戦です。

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土間スラブ下のサイコロ確認。このサイコロのセット状況で、その基礎がしっかり作られているかどうかが分かるといっても過言ではないでしょう。砕石がしっかり転圧されていないとこうはなりません。

 

ということで、この他にも検査は多岐にわたりますが今回はこれまで。次回はコンクリート打設に進みます。

 

 

 

光の森の家_防湿シート敷き込み。

2015/08/7

「光の森の家_ガレージのある平屋の家」現場ライブ

先日に引き続き、根切り工事・砕石敷き込みが完了し、本日は防湿シートの敷き込みが行われました。

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地面からの湿気が上がってこないように敷き詰めるのがこの防湿シートです。広い基礎面に対して敷き込んでいくので、所々このように継ぎ目が出てきます。その部分は写真のようにかぶせあって湿気の進入を防ぎます。施工基準では、この重なり巾は100mm以上となっています。現場は260mm。

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外周部には、このシートを押さえるため、本体基礎の位置を出すため・高さの基準を作るために均しコンクリートが打設されています。シートの上に転がっているのはスペーサーです。通称サイコロ、60mmのかぶり確保用です。

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砕石事業の後、このシート張りの前に防蟻処理も済んでいます。

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次回は鉄筋の組み立てが始まります。

 

 

光の森の家_砕石敷き込み。

2015/08/6

「光の森の家_ガレージのある平屋の家」現場ライブ

砕石の敷き込みです。基礎の下地となり、地盤の安定性を増すための大切な工程です。全く見えなくなるところですが、入念な作業が求められます。

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ダンプで運ばれてきた砕石を全体に敷き均しています。4人掛かりで手際よく作業が進んでいました。

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形が見えてきました。うちで設計する建物の基礎は外周部だけでなく、内部にも基礎梁を設けています。その間隔は最大で3.64mとして、土間スラブの鉄筋サイズと間隔を計算・指定しています。この中間部にある基礎梁は手間がかかり採用している住宅会社は少ないようです。計算すると必要になるはずなのですが。

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転圧作業です。振動プレートと呼ばれる機械にて砕石をしっかり締め固めます。この転圧も重要な工程です。ここを怠るとどうなるか。民間検査機関の検査員をやっているのでよその現場を見る機会がたくさんあります。その悪い例がこちらです。

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転圧が不足していたため、鉄筋を受けるサイコロと呼ばれるスペーサーがめり込んでいます。写真にあるようにここには60mmのスキマが必要なのですがそれがとれない状態です。意外とこの状況が多いことに驚きます。

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しっかり転圧されたところです。写真で分かるのは、角度がついている角部分に、キチンと角が出ていること。この部分がガラッと崩れている様な現場は要注意です。

次回は、防湿シート張りになります。順調な工事のスタートです。

 

 

光の森の家_建物配置の確認。

2015/08/6

「光の森の家_ガレージのある平屋の家」現場ライブ

基礎工事が始まります。それに先立ち、建物の配置について確認していきます。お隣との境界からどれだけはなれているか、道路からどんな風に見えるのか、方角はどうなのか、などなど、設計の時に決めていた内容を再度現場にて確認していきます。図面上ではOKとなっていたことも、現場でリアルに見てみると、やっぱりちょっと変更しようとなる場合もあります。よりよい住まいになるように必要不可欠な確認作業です。

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設計通りの配置に白線が引いてあります。通常はやり方というものをこの段階でやるのですが、今回依頼している基礎屋さんは、やり方を必要としない凄腕基礎屋さんです。やり方より精度のあるマシンを使い、工事のスピードアップとクオリティを追求されています。

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建て主さまにも確認して頂きます。なぜ隣地からこれだけ離す必要があるのか、この距離にどんな意味があるのかなど、図面では説明しきれない内容を伝えていきます。

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重機も搬入され準備万端です。本日午後からは根切りを済ませ、砕石敷きまで進む予定です。

 

 

光の森の家_仮設水道の設置。

2015/08/4

「光の森の家_ガレージのある平屋の家」現場ライブ

いよいよ工事が始まりました。本日は基礎工事に入る前の準備ということで仮設水道の設置でした。もともと住宅が建っていた敷地だったので、水道の引き込みは済んでいたところです。

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道路境界に近いところなので、蛇口ハンドルが取り外せるタイプになっています。水泥棒はいないでしょうが、念のためですね。

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そしてこちらは排水管の立ち上がりです。こちらも元々引き込んであったものを利用します。

水道の引き込み、下水道の引き込み、それぞれ新規に行えば数十万円かかるものです。土地を選ぶ際にはちょっと気にしておいた方がいいでしょう。地域によっては全額負担のところもあったり、負担なしのところもあります。

 

 

 

光の森の家_合同工事請負契約会開催。

2015/07/29

光の森の家_ガレージのある平屋の家、見積り集計がすんで、工事予算も確定しました。いよいよ工事の発注です。本日は、前回の合同見積り説明会に続き、合同工事請負契約会です。50数社のお見積りから、予算・内容・その他条件などを整理して、発注する業者さんを建て主さまに決定頂きました。当事務所にて契約書を準備して、各工事担当社さんと建て主さまの契約に立ち会います。

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今回は、建て主のご主人さまはなんと海外出張中。仕方ないのでご主人ご不在の状態(奥さまのみ)で契約会を開催。しかし、インターネットの力ですね、Skypeにてご主人さまも参加。ご挨拶も頂けたので滞りなく契約会も完了し、いよいよ工事開始です。夏の暑い時期にもかかってきますが、安全第一での工事進行をサポートしていきます。

 

 

光の森の家_合同見積り説明会開催。

2015/06/3

設計を進めていた光の森の家_ガレージのある平屋の家、いよいよ見積りの時期になりました。いつものように、オープンシステム(D+Mシステム)による施主直営工事にて住宅を造っていきます。本日は、各専門工事業者さんにお集まり頂き、合同での見積り説明会です。一つの業種に対して複数社のご参加、総勢50数社の方にお集まり頂きました。見積り説明会だけでのべ3日間。このオープンシステムによる見積りが初めての業者さんも多かったので、オープンシステムの説明にも力を入れました。建て主・建築家・施工者、この3者が同じ方向を向けるかどうかが成功の鍵なのです。

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見積り期間が2週間。予算をちょっとオーバーするかもしれませんが、いい住宅になるのは間違いありません。次回は、見積り集計をして、予算調整をすませ、工事を依頼する工事業者さんを選んでいきます。これらの過程すべてに建て主も参加していくやり方です。ちょっと面倒っぽいですが、その分充実した家づくりが可能なのです。

住宅完成までをこのブログにてお伝えしていきます。完成は12月中旬です、いい住宅ができるよう力の限りです。

 

 

ベタ基礎と布基礎、どっちが強いの?の問いの意味。

2015/04/27

連休前にはの呪縛

世間は連休を目前に控え、なんだか慌ただしくなってきました。この時期のスケジューリングには「連休前には」とか「連休後には」などの言葉が飛び交います。どうしてもそこに照準を合わせてしまいますね。たしかに、1週間近い休日が続き、現場は動けても問屋さんやメーカーが休みなので、それを勘定して予定を組まないといけません。ほんとは、それくらいで慌てずに済むような家づくりをやっていければと思うのですが、なかなかそう簡単にはいきませんね。

知識だけでは使えない、繋げることが必要です。

そんな時期ですが、社内で新入社員が入ったせいもあり、住宅建築における知識や技術について話す機会が増えました。いっぺんに話しても分からないし、第一記憶に残らない。新入社員は建築系の学校にて教育を受けてきているので、大体わかるかなと思っていると大きな間違いです。何を隠そうぼく自身も新入社員の時は、会社で先輩たちがしゃべっていることがほぼ分かりませんでした。ただ単純に専門用語だからというわけでなく、明らかにこれまで学校で習ってきたこととの違いに戸惑ったものです。いや、違いがあったわけではなくて、学校で習ってきたことは本当に建築の入り口の部分であり、それら知識を実践に使うためにはそれらの根本がしっかりとわかり、それぞれが別々の知識でなく、線や面として繋がっていることを認識できてないといけなかったんです。だから、いっぺんに話しても理解できない、記憶に残らない。

中学生時代は歴史授業が分からなかったというか、暗記するのにも一苦労でした。それでも、歴史は一つの時間という流れで繋がっていると意識し始めた時から歴史が面白くなり、記憶にも残るようになりました。建築も一緒、家をつくる上で必要な知識は建築だけにとどまらず、金融や保険、税金や不動産、そして環境問題など多岐にわたる知識が必要で、それらがリンクし合う感覚を持てなければ、多くの知識はいかすことができません。

ベタ基礎と布基礎どっちがいいの?

とはいったものの、知識をいっぺんに繋げることは無理ですね。まずは、知識を身につけそれら知識の整理が必要です。今回は、そんな知識の一部を紹介します。地味だけど、結構な頻度で質問のある基礎のこと「ベタ基礎と布基礎どっちがいいの?」についてです。うちの新入社員にもタイミングを計って伝えていかなければならない内容です。これをきちんと答えられるかどうかで、知識を繋がりを持って技術として提供できてるか。もし答えられないなら、そんなことで大丈夫ですかという内容です。

現代の木造住宅で一般的となっている基礎の方式がベタ基礎です。10数年前から一般的となり、今ではほとんどの住宅会社が採用しているのではないでしょうか。ただ、先に書いたように、布基礎という方式の基礎もあります。見た目には下の画像のような違いがあります。

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ベタ基礎と布基礎の断面の違い



この見た目上の違いは誰にでも分かると思います。ベタ基礎は床下となる部分までしっかりと鉄筋が配され、布基礎の方は床下になる部分は薄めのコンクリートがあるだけです。この見た目から、ベタ基礎の方が強いんだ、いい基礎なんだという認識が広がったのは間違いないと思います。確かに、鉄筋量の多いベタ基礎の方が優れているところもありますし、消費者の方はその程度の認識でいいと思います。しかし、住宅を提供するプロとしては、それだけの知識でベタ基礎を選択していてはNGです。というより、そんなこと気にもせず、ベタ基礎を選択しているプロが多いこと、困ったものです。

それぞれに長所と短所がある。

よく聞く台詞ですが、その長所と短所をきちんと解説できるプロは少ないです。よく耳にするのは「ベタ基礎、布基礎どちらも長所短所があるんですが、ベタ基礎の方が材料(コンクリートや鉄筋)いっぱい使って、建築基準法でも弱い地盤の時はベタ基礎を使うようになっているので、より安全な基礎なんです。」などという、結局長所短所の説明がない答えです。その建築基準法というのはこれです。

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地盤の状態による基礎構造の法律



この法律だけが一人歩きして、それぞれの長所短所を理解しないまま提供し続けているところが多いです。この基準だけみれば確かに布基礎が弱そうに思えます。しかし、この基準はそもそも地盤の状態に応じた基礎の構造を示したもので、基礎自体の強弱を示したものではないのです。つまり、布基礎が有利な場合もあり得るということを意味します。

基礎のカタチを見るとわかります。

上記の地盤の問題を切り離し、基礎単体として両者を比べてみましょう。

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ベタ基礎の断面形状



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布基礎の断面形状



この図を見たら何となく分かる方も多いはず。図中にある①〜③の数字は、基礎工事の中でコンクリートを打設していく回数を示しています。注意したいところは基礎の形状による、その打設の回数とタイミングです。ベタ基礎は2回で基礎をつくってしまいます。それに対して布基礎は3回のコンクリート打設が必要です。回数は布基礎の方が1回多いですが、注目したいのは図中に赤文字で書いている部分の寸法です。

縦長の方が強い。

コンクリート打設回数やタイミングで整理していくと、一体となっているコンクリートの高さは、ベタ基礎が40cmに対して、布基礎は54cmあります。何となく、縦長の方が、上からの力には抵抗できそうじゃないですか。これは構造設計で使う公式でもそうなっています。

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断面係数と断面形状の関係



縦長の方がより大きな力に抵抗できることを意味しています。実際、平べったいものより、縦長のものの方が折れ難いって経験はみなさんお持ちでしょう。この法則でいくと、ベタ基礎と布基礎どちらがどうなのかというのは分かると思います。

長所と短所は関係する条件により変化する。

どうですか、一概にベタ基礎の方が強いとはいえないことが分かってもらえたと思います。地盤が弱い時にはより広い面で建物の荷重を支えるベタ基礎の方が有効だけど、すべての条件下においてベタ基礎が強いというのはちょっと違うということです。「うちはベタ基礎だから安心です」とだけ言っているような住宅会社は注意しましょう。悪気はないかもしれませんが、無知はそれ以前の問題です。その時々の条件によって最善の工法を選択・提案できる知識と技術を繋げられるものこそが、本当のプロです。新入社員がそんな本当のプロとしてやっていけるかどうか、知識と技術と全体を見ることのできる感覚を持てるように伝えること、この時期の先輩上司の役割だと思います。

連休前までに、そんな感覚だけでも伝えればと思う月曜日でした。

 

なんでも結構です!ご質問などございましたら、ご遠慮なくこちらからお問合わせください。心をこめてお応えさせていただきます^v^。

 

”最後まで読んでいただいてありがとうございます。ついでにfacebookのいいねや、twitterでシェアいただけると僕は大変喜こびますので、あとひと押し、何卒よろしくお願いいたします。”

 

 

手動式と自動式、その違いを意識しよう。

2015/04/23

ここ数日いいお天気続いています。気温ぐんぐん上がって、事務所の温度計は26℃をさしていました。今日は朝から伸び放題だった庭の芝刈りをしました。夏を前に芝もぐんぐん伸びていく時期です。ここらあたりからマメに刈り込んでいかないと、雑草さんたちの浸食に抵抗できなくなってしまいます。

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すでにクローバーが広がっています。スギナもちらほら。



とはいうものの、1年ぶりの芝刈り、なかなか思うように進みません。伸びている芝なので、刈り込み寸法も一気に短くはできません。何度も往復しながら、徐々に短くしていきます。

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お昼ご飯の時間。



午前中の4時間くらいでやっと半分、これはヤバいペースです。そんなにゆっくりやったつもりもなく、ひたすらカタコト黙々と芝刈り機を押していたのに。気温もさらに上がってきて、ちょっとふらつきながらお昼ご飯をいただきました。

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15mmの刈り込み。塀の際までは気持ちが持ちませんでした。



お昼ご飯を済ませ、午後の部スタートです。午前中と同じ広さくらい残っていたので、夕方まで掛かるかと思いきや、2時前には完了。1時間ちょいの作業でした。午前中の4時間は何だったのか?

お気づきの方もいらっしゃるでしょう、芝刈り機がかわっています。午前中は手押し式で、午後からは電動式。電動式は、準備が必要だし、延長コードの長さに動きを制限されるし、後片付けも面倒。ということで、使うのは初めてでした。

でも、試しに使ってみようとやってみると、先に書いた面倒さはありましたが、そんなの問題にならないくらい刈ること自体のスピードが速い。ゆっくり準備して、落ち着いて延長コードをさばいて、落ち着いて丁寧に片付けて。それでも午前中4時間だったのが、1時間ちょいです。

なるほどな、と思いました。そして、この感覚は仕事で使っているCADにも似ているなと。手押し式の芝刈り機はJWCADです。使い慣れた、小回りのきく道具です。一方、電動式の芝刈り機は、ここ1カ月弱元島くんが使っているARCHICAD。導入に少々のお金と手間が必要です。初めて使うものですから、想い通りには動かすことはできません。

それでも、迷いながら入力の最終段階にたどり着いたとき、芝刈りと同様一気に完成までいっています。途中の経過を意識することなくいきなりバンっと現れるのです。3Dというだけでない、いろいろな図面として。

設計士も職人です、そう思っていなくても端から見ればどうでもいいようなことに拘ってます。さっさと効率化を図っておけばよかったものを、いろいろ理由をつけて手になじんだものを使い続けてました。それがいけないとはいいませんが、先にあるクライアントのための効率化と品質の向上、そしていいものをつくるという目的のためには、それらは心の中に置いておくだけでいいよなと思います。

1年ぶりの芝刈りでしたが、そんなことを感じた軽作業でした。ちなみに、ARCHICADは元島くんしかまだうまく使えません。ぼくは、JWCADにて目先のスピードにしがみついている状態です(汗)。すぐに追いつくからね、というオチです。

 

 

 

 

 

流し台の排水詰まり予防にはこれ。

2015/04/21

お引っ越しから6年目の山田(仮名)さま邸へいってきました。先日、「台所流しの排水が詰まったみたい」と連絡をもらって、今日はその通管作業の立会いです。今年に入って、二軒目の通管作業でした。どちらも原因は油汚れが配管内に詰まってというもの、日々の食事の支度や油物の洗いが積もり積もってということです。仕方ないといえば仕方ないところです。

ただ、詰まりが発生するご家庭と、発生しないご家庭とがあります。時期の差があるとしても、通管をして出てくる汚れは明らかに油汚れです。でもそのご家庭が油物ばかり使われているかというと、決してそうではないようです。使用量にも関係あると思われますが、それ以外にも原因というかきっかけがあるのではと想像しました。

その辺りのことを通管作業をやって頂いた専門家に聞いてみました。原因は何でしょう?僕ら設計の想像は配水管の勾配が緩いとか、曲がりが多くて引っかかりリスクが高いとか、設計や施工の状態に起因することです。ただ、そんな無茶な設計でもないし、施工もきちんとされているものなので、原因の特定にはなかなかたどり着きません。そんな中、専門家からかえってきた答えは意外なものでした。

「もっと水を流した方がいい、お湯を定期的に流した方がいい。」

節水とか、省エネとかの意識がどんどん高まってきている現代。それが、この配水管詰まりに関しては悪い影響を与えているようです。確かに、二軒のお宅とも節水や省エネには気を使われているところです。環境にいいことをとなるべく水を使わずに、こまめに蛇口を締めて洗い物をしておられたご家庭。えぇ—って内容ですよね。

とはいうものの、やっぱりそんなにジャンジャン無駄遣いは勿体ないので、定期的にシンクにお湯を張り、それを一気に流すという方法を伝授して頂きました。月に2回くらい(決まっていないようなので自由に)、50℃程度のお湯でいいようです。そこで勢いよく流れてくれれば、詰まりの予兆も確認できるようです。なんだか、血管が詰まる人間の定期診断みたいですね。

設計段階での予防策もイメージできました。水量が少ないことが・・・、というより、水量が多ければ詰まりのリスクは軽減できるようです。ということは、お風呂(浴槽)の排水を一番水上側に設け、最下流に流し台などの油物が流れる排水を持ってくればかなりリスク軽減できるはずです。これまでに設計した住宅で、そうなっているところは記憶にありませんが、一つのアイデアとして意識していこうと思います。

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地味な地味な見どころ。



写真は排水の詰まりには関係ありませんが、当時の大工さんの地味だけど、ぶるっときた仕事を今頃見つけました。床下に潜ろうと点検口に手を掛けた時、目に飛びこんできました。床巾木(ゆかはばき)とタテ枠との取り合い部分。巾木が留(トメ)で納めてあります。トメで納めるのはよくありますが、この大工さんのすごいところは、折り返しの巾木の長さが極端に短いのにこんな納め方しているところ。巾木の厚みくらいしかないので、普通の大工さんなら巾木の小口を見せているはずです。よくても、面取りするくらい。わざわざ、この長さの巾木をトメ加工とは。

竣工時には気づいてなかったとっても地味な、でもすごい発見でした。家もいい感じで使い込まれ、久しぶりの晴れ間にキラキラしていました。使い込まれ具合が分かる涼しげなカットはこちら。

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黒いピンコロ石のスキマの多肉植物。施主による庭づくり。



気持ちいいメンテナンスでした。

 

 

 

 

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