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当たり前を感動に。

2016/03/10


寒の戻り

こんにちは、暖かくなったかと思えば急に冷え込んだり、温度変化の激しい今日この頃・・・。だからどうしたって感じなのですが、久しぶりに日本酒を仕入れてきました。ご近所だった酒屋さんが、ちょっと遠くへ新装引っ越されていて、お店も見てみたかったので。

綺麗にまとめられた店内にずらっと並ぶお酒たち。今日は新酒をと心に決めていっていたので、若女将に聞いてみました。「新酒はどこですか?」すると、「こっからここまでです。」と大きな冷蔵庫の3列にずらり。こりゃ選べないなと、さらに条件をしぼりこむことに。キーワードは「地元の酒」、それで見つけたのがこちら。

 

 

 

手にしてレジへ向かうと若女将が一言、「やっぱり地元のお酒って美味しいですよね」。こちらの意図した事をずばり言い当てられ、接客とはこういうものだなと、お酒と関係ないところに感動しながら会計を済ませました。するとまた、ここですかさず若女将。「近々、通潤酒造の新酒が入りますよ。入ったら連絡しましょうかぁ」。 そりゃするでしょ、話し聞きながら想像しただけでよだれが。呑んでるシチュエーション、そこに誰がいるかまで想像してしまいました。名前をフルネームと携帯番号をメモ帳に大きく書き残し家に戻りました。買って帰ったお酒はもちろんおいしかったのですが、すでに予約した新酒が気になって仕方ありません(笑)。

手仕事、そして身震い。  




 

お酒とは全く関係ない話し。このインスタは家内がFADらしいと思われるものを日々少しづつアップしているものですが、今日はこんな写真をもってきました。「これって階段のなに?」設計事務所の奥さんが何を今更と思いながら説明します。

”これは「ささら」っていって、階段の踏み板を支え取付ける板さ。規則正しく彫り込まれた溝に、踏み板(あっ踏み板って階段の床の部分ね)を差し込んでいくのさ。全部手で彫り込んで加工していくんだよ。”

えー全部手でやるの?鑿(ノミ)使って?

”鑿の代わりになる道具は出てきてると思うけど、基本的に手仕事だな。ただ、最近の家づくりで手加工の階段は少ないかもしれないな。”

ここで大きく家内が反応します。えっ、手加工でないならどうするのよ!

”そりゃプレカットさ、いろんな建材メーカーが階段を工場でつくってるもん。現場にはすでに加工されたものが運び込まれ、それを大工さんが組み立てる。昔は階段の計画・加工・組立までできたら一人前なんて聞いた事もあるけど、今それできる若い人って少ないかもなぁ。”

ますます家内がヒートアップ。でも、うちの階段って全部こんなんじゃなかった?これが普通じゃなかったの?

”うちはこれが当たり前だったけど、あらためてそんな事気にした事なかったな。いつも一緒の大工さんたち(大工團さん)も当たり前のようにつくってたし。あっ、でも確かに普通の住宅の現場だと早々に階段がつくんだけど、うちの現場は階段つくの遅いね。”

”だから2階への道具の上げ下ろしや、材料の搬入が大変っていってた。その時は、そりゃしょうがないだろって思ってたけど、そうか、他のメーカーの仕事している大工さんたちだから、階段が先にあるのが当然だったのかもね。”

「階段は現場でつくる」が当然だったこれまで。夕べの酒屋の若女将の接客といい、家内の素人目線な驚きにはっとしました。当然と思っている事にもいろんな驚きが隠れています。今日は、この階段ささらの手加工についてでしたが、家一軒ができるまでには他にもいろいろな人が関わり、多くの素材を要します。そんな驚きを楽しさに繋げられたら・・・。そんな風に感じた出勤の車内でした。

 

 


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