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家づくりの常識、日は東から昇り日は西へ沈む。

2016/03/1

いよいよ3月ですね、今日は天気もよくて、今月末にひかえたお花見もこんな感じだったらなぁと庭の桜の木を眺めてみました。

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まだまだ、蕾はかたそうですね。

家の性能と太陽の力。

そんな庭を眺めていて、あらためてこの時期の太陽って気持ちいいなと思いました。事務所の中にも戻ってみると、太陽の光がとても暖かく、暖房機なんて必要ないって感じです。うちの事務所は納屋をリフォームしたものなので天井が低く、そのため床はコンクリート土間にカーペットを直に張っています。床下をつくると天井が低くなりすぎます。この時期それが功を奏して、コンクリート部分を暖めてくれて、程よい環境をつくってくれています。

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ただ、その効果を狙って施した仕様ではないので、窓はペラッペラのアルミサッシを使っています。先行投資をケチってしまったので、あっという間に太陽から得られた気持ちいい熱が、どんどん窓から逃げていってしまいます。

日が落ちたり、曇ってしまえばあっという間に冷えちゃうんです。どこをどうすればいいか分かっているのですから、さっさと手を加えればいいのですが、これもこれで役に立ってたりするので手つかず状態です。このペラッペラのサッシが役に立つの?

お客さまに体感して頂きます、悪い例として(笑)。いいものはよそにいっぱい展示してあるし、うちで設計した住宅はもちろん高性能なものばかり。なかなか、最低レベルのものって体感できないんですよ。それをここで説明できればなと・・・。そんな風に言い訳しています(爆)。

さて、そんなありがたい太陽なのですが、その恩恵を最大限受けるためには窓や断熱や気密など、建物の性能だけを求めても効率がいいのもではありません。その建物の配置(方角的向き)が大きく影響するのです。至極当たり前のことのようですが、実際の街並をみてみると、考えられていない住宅が結構ありますし、このブログをお読みで注文住宅を建てられた方、方角のことを気にして家づくりを考えられましたか?

土地のせいにしている、あきらめている。

いやいや、うちはちゃんと考えて南向きになるように考えたよ!そんな声も聞こえてきますが、おそらくその「考えたよ」は土地を買うとき、選ぶ時のことでしょう。だから、南側道路がもてはやされ、そちらから先に売れていっちゃうんです。

なので、土地を区画整理する場合にも、南側道路の敷地がなるべく多くとれるように開発業者は考えて造成していきます。その方が売り易いですからね。土地の広告では「南側道路!」って大きく強調されてますよね。結果的に、さほど住宅を設計する時に方角を考えずとも、何となく南向きの家になっているだけです。もっと、積極的に家の配置(方角的向き)を考えることで、同じ間取りでも随分違う住まいになるはずです。土地任せでなく、どんな土地であろうと、方角のことを家とセットで考えていくことが大切なんです。南側道路ばかりを探すのではなく、土地のせいにするのでもなく、あきらめずに家の配置を考えましょう。

日当りの基本、意外と知らない北面の日射。

今朝9時くらいに、うちの事務所の庭から真西を撮影した写真です。

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青空と白い雲、春の芽吹きを待つ名もない雑草たち。くぬぎの枯れ葉とのコントラストが綺麗な季節です。

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こちらは同じ時間に、真東を向いて撮影しています。随分イメージ違いますよね、撮影自体は振り向いただけです。

太陽の光をどう見るか?

この2枚の写真のイメージの違いはなにか?カメラを趣味にする方なら当然のことでしょうが、太陽に向かって撮っているかどうかの違いです。東向きは朝日を向いた逆光で、西向きは朝日に背を向けた順光で撮っています。逆光と順光、光に向かっている逆光の方が明るく写りそうですが、実際はこの結果です。これは、南側と北側でも同じ現象が起こります。人の目は、光が物体にあたることで、その物体の色や明るさを認識することができます。逆光の場合、その光が人の目よりも先に物体に当たってしまい、物体の影が目に届いてしまいます。だから、東向きの写真は暗く見えちゃうんですね。さらに、光のあたる物体が多いことも影響しています(木や建物がいっぱい)。これが、水平線しか見えない海岸だったらまた違うでしょうね。

これに対して、西を向いた写真では光は背中側からあたり、人の目よりも先に物体(くぬぎの枯れ葉や雑草たち)にあたります。その光が反射してカメラの中に入ってくる。物体が光を反射しているので明るく感じる・見えるわけです。前に書いた「水平線しか見えない海岸」では逆光であってもこれと同じようになります。それは、視界の大半が海面であり、光を反射する物体だから明るく見えるはずなのです。

想像と違う、太陽の動きはこうでした。

太陽はどちらから昇ってどちらに沈みますか?素直な方は東から昇って、西に沈むと答えられるはずです。素直じゃない方は、太陽が動いてるんじゃない、地球が自転しているからそう見えるだけ。あっ、公転も関係あるけどね!なんていわれそうです。んが、ここは素直になってもらって、次の絵を見てください。

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これは、うちの事務所の建物と方角を重ねあわせたものです。すでに建っていた建物なので、建物の向き自体はどうすることもできませんでした。曳家(ひきや)で移動とかもありますが、そこまで大事にする気もなかったので。

そんな絵なのですが、すでにお気づきの方もいるでしょう、この絵で注目すべきは夏至の時の日の出と日の入りです。なんかこれまで思っていた常識と違いませんか?

そう、日の出は東を大きく北側に超え、北東から出ています。同じく日の入りも北西に沈んでいます。ちなみに、常識通り東から登り西に沈むというのは春分と秋分の時です。夏至の日周辺では、いわゆる建物の北側と呼ばれる部分にも日が当たるのです。これ意外でしょ。さらに、冬至の時は日が当たる範囲が夏至の時の半分しかありません。時間も冬至で10時間、夏至で14時間と4時間も差があります、この4時間は自分の活動時間として考えると大きいですね。

方角を読むことで、住まいはGood変わる!

どうですか、今回は建物の配置が太陽の動きと光、熱と連動し、住環境にどう影響するかをちょー簡単に書いてみました。というより、その入り口程度ですね。実際設計する時には、これらはもちろん、窓から見えるあるいは見せたいものや、風の取り入れ方など複合的に整理してデザインしていきます。そんな知恵を持ってすれば、南側道路の土地に頼らずともいい家はしっかりつくれます。道路の取り付き方だけでいえば、北側道路の方がぼくは好きです。これを読んで頂き、住宅性能を十分発揮できるような家づくりを目指してください。決して土地のせいにしないでね。

 

 

 

 

住宅におすすめの浴室換気扇!オフローダーの取り扱いについて

2016/02/5

省エネ、浴室換気扇の弱点を克服!

オフローダーという優れた換気設備をご存知でしょうか?日本住環境株式会社が提供する設備というより部材ですね。詳しくは、こちらのサイトをご覧ください。

これまでの浴室換気扇は、浴室で吸い込んだ空気を換気扇本体に取り込み、そこからダクトを通って屋外へ排出、天井面についている換気扇はほとんどこのタイプです。あるいは、壁に取付けた換気扇本体でダイレクトに屋外へ排気。何れにしても、浴室の湿った空気を換気扇本体へ送っていました。換気扇の掃除をされたことある方はわかると思いますが、湿った空気が入ってくるため、ほこりも湿っており、換気扇の汚れはその性能すら邪魔するにまでになっています。浴室換気扇、掃除したことない方は一度掃除してみてください。こんなに排気できたのかビックリされるかもしれません。

理屈は簡単、なるほどねって感じです。

このオフローダー、この湿った空気を換気扇に取り込まないというのが売り、その理屈はこうです。

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オフローダー製品サイトより転記

赤い→は換気扇から屋外へ排出される空気です。そして、浴室からの排気管の接続手前で、意図的に配管サイズを絞って気流を強め、その力で浴室の空気を吸い上げる。サイホン式トイレの汚物を流す構造とか、昔よく見かけていた便所の臭突、こんなの見たことありませんか。ザ・昭和ですけど。



くるくる風で回ることで、気流をつくり、その力で便槽内の臭気を排気するという、動力なしの優れものです。工場の屋根なんかにもついてましたね、でっかいやつが。

素晴らしい製品だけど、注意が必要!

そんなオフローダーですが、その設置には注意が必要です。工事段階ではなく、設計の時点で設置場所とか、ダクトのルートだとかを検討しておかないと性能を全く発揮できないことも、逆にマイナスになることもあります。ある住宅へこのオフローダーを設置しました。半年くらい経ったある日、「お風呂のカビがひどい、おかしいなと思ったら換気口から風が吹き出してるみたいです。」とのこと。すぐに見に行くと確かに排気が逆流している。本来外へ出ていくはずの排気が戻ってきている。カビの原因はこれでした。

なんでそんなことに、調査開始です。

すぐに換気扇取付け業者、販売店、わたしにて現場調査です。天井裏に入りダクトの状況や、換気扇本体廻り、屋外の吹き出し口、いろいろな可能性を探ってみました。

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ファイバースコープでダクト内を点検。

いくつか原因らしきものはあったのですが、どれも決定的なものではありません。どうしても天井裏だけでは確認しづらいということで、販売店さんの倉庫にて、天井裏と同じ状況をつくって実験してみようということに。ダクトの長さや、曲がり具合なんかも再現です。

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現在の状況再現、オフローダーはダクトの中間部でT字に交差している部材。

ダクトの曲がり具合を少なくすると排気できます。曲がりが多ければ抵抗が増えるので、その結果は当然といえば当然。だけど、実際の現場では曲がらないダクトではダクトの意味がありません。他に可能性はないのか?その後もいろいろ調整してみます。そしてたどり着いたのが次の写真です。

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オフローダーの位置が違います。

一見先の写真とどこが違うのか分かり難いですが、オフローダーの接続位置を変えてみました。より外壁の排気口に近いところまで移動させてみました。すると、見事に浴室の空気を吸い出してくれました。やはり、ダクト内の気流に負荷が掛かっていたようです。曲がりで発生する負荷は分かり易いですが、オフローダーの接続位置から排気口までの距離が大きく影響していたようです。

取付説明書が不親切!こうなることが分かってたのか?

今回のトラブルが発生したとき、メーカーである日本住環境株式会社にも連絡し、原因調査への協力を依頼しました。施工上の問題なのか、製品上の問題なのかしっかり調べないといけません。メーカーにも来熊いただき製品の説明などをいただきましたが、結果的には製品上も、施工的にも明らかなミスはなかったが、「製品の接続位置で大きく性能に差が出る」ということが実験で分かりました。これが事前に分かっていれば、こういう問題は発生しなかったはずです。そこで、オフローダーの施工要領書を再確認してみました。

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オフローダーの施工要領書

これがその要領書です。左上に取付イメージとして、外部排気口に近い位置でオフローダーが接続されています。が、あくまでイメージ。そんな印象を受けます。その下に書かれてある「ダクトの取付け勾配」のこと、「オフローダーの取付向き」についての方が、注意事項とか重要とまで書いてあるのでしっかりここは守って施工しています。

メーカーへ対応の依頼

今回のトラブルで発生した補修費(壁や天井を剥がしてまた復旧したり)のこと、それと施工要領書の記載方法などについての改善を求めました。費用負担については、設計者と販売店それとメーカーの三者での折半が妥当ではないかと提案しました。でも、メーカーとしては呑めないとのこと、担当者は申し訳なさそうでした。まぁ、メーカーとしてはそうだろうなと想像していました。金額的には大した額ではなかったのですが、全国で発生しているであろうトラブルです。複数になれば相当の負担になるはずです。ここを争っても時間が勿体ないと思ったので、費用については販売店と設計者の二者での負担を決めました。設計者であるわたしにも取付け位置の考慮が不足していたわけだし、販売店もその重要性を消費者へ伝えきれなかった点で責任があります。

問題は施工要領書の改善です。メーカーはこちらにも応じられないというのです。全国でこのオフローダーのトラブルないのか聞いてみました。すると、同じ現象が報告されているようです。で、どんな対応をとっているのか?僕らと同じようにダクトの接続位置を変えたり、天井や壁を剥いでやり変えたりしているのか?ほとんどの場合そうではないようです。ではどうやっているのか。

製品のコンセプトはなんなのか?

驚いたことに、オフローダーを取り外しているそうです。オフローダーを取り外し、お風呂からの排気ダクトを換気扇本体に接続し直しているとのこと。確かに、換気扇で強制的に吸い込むわけですから、換気としての用は十分すぎるほど足りてます。しかし、そもそもこの製品が開発されたコンセプトはなんだったのか?そう、換気扇本体へ湿った空気を入れない、換気扇への水分による負担をなくすため。全く、製品コンセプトが無視された問題解決が図られていました。これでいいのか?それしか方法がなく、やむなくそういった解決を図っているのであれば、設置前にしっかりと設置方法をメーカーとして示すべきではないか。そんな風に施工要領書の改善を求めたわけです。しかし、返事はNO!でした。

いい商品がなくなるのは勿体ない。

メーカーからの、施工要領書の改善はしないとの報告にがっかりしつつ、何とかならないものかとこんなことを伝えてみました。

「今後同じようなトラブルで困るお客さまや、販売店や設計者、それに施工業者の為に今回のトラブルの顛末をブログで公開しますよ」

今やネットの情報伝達力は侮れません。メーカーもそれはいやがるだろう、渋々でも要領書の改善に取り組んでくれるのではと期待しましたが、返事は変わりませんでした。「インターネットででもブログでも公開して頂いて構わない」とのこと。ということで、このブログにて今回の顛末を公開しています。しかし、誤解して欲しくないのは、製品や製品のコンセプトはいいものだということです。この排気逆流の問題で、この製品がなくなるのは勿体ない。今回お話しした注意点さえ気をつけて設計し、施工すれば換気扇への負担を少なくし、省エネルギーな浴室換気が実現します。

ここまで書いて思ったのですが、メーカーはわたしが製品の悪口をいわない、勝手に施工要領を解説してくれる。そんな風に思って公開を了解したのでは、強かな戦略かな?とも感じます。何れにしても、このオフローダーでの事故が一件でも未然に防げれば幸いです。

 

 

セミナー資料作りはだれのため?

2016/02/2

昨年から定期的に行っている家づくりセミナー、昨年は2回開催する事ができました。今年は年間4回〜6回程度を定期的に開催予定です。今のところ最初は4月か5月くらいの予定です。内容はまだ決まっていませんが、セミナー用のスライドは準備が整いました。

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スライドの一部です、かなり突っ込んだ内容になっています。分離発注方式オープンシステムでの家づくりをお勧めしているので、自然と家づくり勉強のための資料も多岐にわたります。一般的な一括発注方式では知り得ないことも満載です。

また、このセミナー内容は建て主であるお客さまはもちろんですが、我々の同業である設計事務所、一見競合相手であるように見える工務店(実際、敵対しているわけではありませんよ)など、つくり手側にとってもあらためて自身の業務内容を見直すのに役立つ内容になっています。と思います。

もうちょっと整理してみて、そういったつくり手向けの資料も作ってみようかなと考えています。一軒でもいい家づくりができる建て主が増え、一生懸命誠実につくり手として努力している人たちが、きちんとした報酬を得ることができるように。いい家をつくるという行為が、それに関わるいろいろな立場の人ためになるように、三方よしのスタンスでいければと思ています。

こういった資料って、誰かのためにと思ってつくっていますが、資料を整理したり、人前でしゃべったりすると、なにより自分のためになっているようです。頭の中で漠然としている物事が、一気に整理され、より分かり易い表現方法・伝え方が見えてきます。インプットと合わせてアウトプットもという勉強方法に合致する感覚です。

年6回の勉強会、これを繰り返せば自身のスキルアップにもなるはずです。そんな風にマインドコントロールして楽しんでいきます(笑)。日程など決まりましたらご案内します。プロ・アマ問いません、FAD建築事務所が考えるいい家づくりを感じてみたい方は是非お越し下さい。お待ちしております。

 

 

おじさん化してしまったのか?自信を取り戻そう。

2016/01/18

今のところ年齢的肉体適正化プログラムは続けられています。メニューを見直し、少し体への付加をあげてみました。体は相変わらず筋肉痛が続きますが、筋肉が傷つきそして再生されている、そして適正な肉体を手にする事ができると信じて痛みを悦んでいます。

そんな適正化のメニューには毎回腹筋、上体起こしを入れているのですが、先日びっくりポンな現象に遭遇してしまいました。一体何が起こったのか?なんと、上体お越しができなかったのです。昨日までできていた事が突然できなくなってしまい、おかしいやら不安やら。家内に状況を見てもらいましたがただただ笑うばかり。

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上体起こしのイメージ

全く理由が分からず、実はそこまで筋力が衰えていたのか?いやいや昨日まではできていた・・・はず。家族に念のため確認してみると、やってたよとのこと。やっぱり昨日までできていて、今日できないみたい。これまでと違う事は、昨日の夜ちょっとしたお祝いでワインを1本呑んだことくらい。まさかそれが原因かとも思いましたが、ダメ元でググってみました。

すると、理由が判明。急にできなくなったわけではなく、昔っからそうだったようですぼくの場合。腹筋ができない人には2種類あるそうです。一つは単純に筋力不足の場合、もう一つは腰の骨格によるもの。

筋力がない人は、写真のように足を押さえてもらっても起き上がれなかったり、起き上がられても数回だけだったりしますが、ぼくの場合押さえてもらうと数十回はいけます。足を押さえた方が起き上がり易いのは、筋力の不足分を補佐してくれているのかと思っていましたが、実は腰の構造に違いがあったようなんです。ぼくのようなタイプの人間は腰が丸まらないらしいのです。

足を押さえなくても起き上がれる人は、腰を丸めることができる人。起き上がれない人は丸められない人。筋力の差ではないとのこと。馬跳びの馬になった時に、腰が丸くなっているか(n←こんな風に)、平ら(▽←こんな風に)になっているか、違いがあるようです。家内と比べてみたら、確かにぼくは後者で家内は前者でした。

つまり、これまで腹筋ができていたのは足を押さえてもらったり、何かに引っ掛けてやっていたようなんです。無意識でやっていたようなので、急に腹筋ができなくなったと思い焦ってしまったわけです。

ということで、一抹の不安を取り除くことができたところで、肉体適正化のトレーニングに戻ります。腹筋すらできないとおじさん化した自分に自信を失っているあなた、そんなことはないので、それ以上のおじさん化にブレーキをかけていきましょう。

 

 

いつもの集成材はここで作られていた!

2016/01/13

昨年末、住宅の棚板に使う杉の集成板を受取に、いつもの工場へ行ってきました。場所は熊本県宇城市にある萩尾大溜池のほとりにあるタカフジさん。お付き合いはかれこれ10数年になります。もみの木の内装材(床材や壁・天井材)を製造販売されながら、事業拡大で現在ではヒノキやスギの集成材の制作販売もされています。

もみの木の床・壁・天井材も、うちでの家づくりには使わせて頂いていますが、最近特に増えているのは集成材の方です。何がいいって、自由なサイズ(長さ・巾・厚さ)で作ってもらえる所。一般的にはフリー板といわれるのもが多く流通していて、それを現場で適宜カットして使っています。当然ですが、サイズには規格があるので、欲しい大きさよりワンサイズ大きい規格ものを注文する必要があります。

そうすると、現場では使えそうで使えない捨てるには勿体ない端材が出てしまうのですが、タカフジさんに頼めばそこが出ない。注文の際に必要なサイズを伝えるとそのサイズで作って現場まで配達してくれます。巾36.5cm×長さ279cm×厚さ0.37cmとかわがままサイズもOKなんです。このブログを読んで頂いている方でこの凄さにピンとくる方は、現場を分かってらっしゃる。素人の方であればDIYマニヤ決定です。

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これはある現場での注文FAXの内容です。図面の中に必要サイズと数量を記載し、見積もりをお願いします。その中で、素材をスギにするのかヒノキにするのか、節はどうするかなど打ち合わせを行い、発注ののち制作に入ってもらっています。こんな感じなので、テーブルの天板や壁面収納なども作れちゃうんです。こんなもの作りたいけど、素材の制作できますか?など設計段階からいろんなアイデアのきっかけが頂けるんです。そんな素材を作っている工場へいってきました。

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まず出迎えてくれるのは、素材のもとたち。ここで出番をまちながら熟成されています。

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で、こんな感じの大きな機械たちがスタンバイ状態。この機械は接着したモノ同士に圧力を均等にかける、かけ続けるものです。ターミネーターに出てきそうな雰囲気です。

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こちらは厚さを整えるマシンです。巨大なサンドペーパーがロール状になっていて、一気に板材の厚みを整えていきます。

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丸い積み木がいっぱいです。でも遊ぶものではありません、どう使うかというと・・・

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節の詰め物として使われるのでした。節といってもそれには種類があり、仕上げ材として「生節(いきふし)」と「死節(しにふし)」とに分かれます。この死節はしばらくすると自然にぽろっと取れてしまうので、そうなる前にそこをくり抜き、この丸い棒を詰めて加工していくのです。結構めんどうな作業ですが、すべて手作業でコツコツと丁寧に作業されていました。「なれれば、大したことないよ。」と佐藤社長。「節無しを注文してくれればこの作業は必要ないんだよなぁ。」と密かなプレッシャーを感じたのですが。

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こちらが仕上がった節ありの壁材。中央の右側の節が加工してある部分です。

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こちらが節無しの壁板です。節がないので、板目に見えるできばえです。こんな風に節あり節無しが仕上がっていくのですが、当然価格差があります。普通の素材と同じく、節ありの方が安価で、節無しの方が高価になっています。でも、先ほどの節加工は節無し材には必要ない行程で、節あり材には発生する手間です。その手間を勘定してもやはり素材としての節無しの方が高価だそうです。ますます、先ほどの手間が神々しく思えてきました。

この日伺ったのは昨年の12月29日。お忙しい中手を止めて、いろいろお話聞かせて頂きありがとうございました。頂いた素材たちは、無事に現場にて家の一部として活躍しています。これからも、永いお付き合いとともに、わがままな制作依頼にもお付き合いのほどお願い致します。

このブログをご覧いただき、FADにて家づくりをお考えの方、こちらのタカフジさんの工場へご案内致します。掘り出し物が手に入るかもしれません。是非お問い合わせください。

 

 

 

年齢的肉体適正化プログラムスタート

2016/01/9

今年の始まりの目標として掲げた年齢的肉体適正化。思い立ったらすぐにということで、今日で3日目になりました。三日坊主とよくいいますが、さしより2月21日の熊本城マラソンまでは続けてみようと思います。そこから先のことを今決めたとしても、モチベーション次第な所もあるのであくまでそこはユルくいこうかと。

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お正月休み中の運動風景。意識的にはシャトルをはたいているつもりですが、足が追いついていません、結果はこれです。

まぁ、これは子供とのお遊びでしたので、年齢的肉体適正化プログラムなどと大げさなことを考えるわけでもなく、純粋にバドミントンを楽しんでいました。

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今年のお正月は家族でバトミントンというのが多かった。おかげで全身筋肉痛が続きました。1970年生まれですから、今年は46歳の年です。四捨五入で50歳なんですね、どおりで足場もつれるはずです。頭では追いついているはずなのに・・・。

頭と体のバランスが乱れている。

そういう事だろうと感じました。頭は冴えています、このタイミングで一歩踏み出せばしっかりレシーブできるはず。頭の中でのイメージもばっちりです。でも足が・・・。そこで年齢的肉体適正化が必要だとなったわけです。早速運動始めたわけですが、何ともモチベーションが上がりません。そんな時に読んだのが芥川賞受賞作「スクラップアンドビルド」。ニートである孫の肉体改造計画に自分を重ね合わせ、運動のスケジュールをつくってみました。

一週間をワンサイクルとして

7日間を一つのセットとして、運動日を5日間、休養日を2日間とするスケジュールを組んでみました。

月曜日 腹筋   :10回×2セット
→   腕立て伏せ:10回×2セット
火曜日 腹筋   :10回×2セット
→   スクワット:10回×2セット
水曜日 休養日
木曜日 腹筋   :10回×2セット
→   プランク :60秒×2セット
金曜日 腹筋   :10回×2セット
→   ランニング:30分
土曜日 腹筋   :10回×2セット
→   ランニング:30分
日曜日 休養日

こんな感じです。今回は木曜日から始めましたが、このメニューをつくったのは金曜日だったので、腹筋とランニングの二日間でした。どのメニューもちょっと少なすぎかも知れませんが、あまり無理な設定で続かなければ意味がないので、軽めに設定しました。実際やってみて微調整をやっていきます。あと、1週間をワンセットとしたのは、運動にあきないように。ジムとかに通えばそれだけでイベントっぽくて長続きしそうですが、いかんせん自力でのトレーニングなので、メニューの数を増やしてみました。ただそれでも、腹筋はおなか廻りということで毎回いれています。どんな効果が現れるか楽しみです。

結果が楽しみ。

自然にそう思いました。自己暗示ではないですが、自力トレーニングにも変化を持たせ、結果が期待できそうであれば、それは楽しみになります。そうなると断然モチベーションも上がり長続きするはずです。と暗示にもかかり易い。このブログも先ほど30分ランニングから戻り、腹筋にムチを入れ、シャワーで汗を流し、頭が冴え渡った状態で書けています。運動は脳みそにとってもいいようです。

この感覚は、以前にも経験したことがあります。そう、40歳で禁煙した時です。あの時も自己暗示にかけるように、禁煙と同時にお昼ご飯をサラダと肉だけにしたり、早起きランニングをやってみたりと、3つのストレスを同時にかけました。すると、3つとも続けられたのです。多分、どれか一つでもやめちゃうと、ほかの2つもズルズルいっちゃいそうでやめれなかった、やめなかったんだろうと思います。

さらに、「タバコは脳みそにいいわけがない。」という常識がありますから、もしタバコがやめられたら、脳みその活動が良くなり、いいアイデアが浮かんで、結果商売繁盛に繋がるんではないかと。そんな暗示もかけてみました。商売繁盛になったかどうか別にして、暗示としてモチベーション維持のためには最高の理屈でした。禁煙をお考えの方にはお勧めの方法です。特に理屈でいろいろ考えるタイプの方には(笑)。

こんな感じで年齢的肉体適正化プログラムは始まりました。まだまだ3日目、これからが本番です。結果を楽しみにしながら、みんなに「おぉ締まったね」っていってもらえるように頑張っていこうと思います。

追伸
筋肉痛が全身に出てきました、なんだか気持いいしびれです。

 

 

腐っても鯛!

2016/01/7

新年明けました。

今年は1月10日までお休みを頂こうと予定していましたが、やっぱり無理でした。子どもたちの学校も始まりましたので、本日より仕事開始です。昨年からの引き続きの設計に加え、新年早々新たなご相談があったりと、幸先の良い新年を迎えています。

今年の目標

いい家づくりのための精進はこれまで通りとして、今年は加齢してきた体にムチを入れていこうと思います。お正月に読んだ芥川賞受賞作羽田圭介の「スクラップアンドビルド」。要介護の祖父と無職の孫のお話しだったのですが、同時に孫の肉体改造についての話しも進行していきます。筋繊維をトレーニングで徹底的に壊し、そして高タンパクの接種により筋繊維を再構築していく。壊して造る、スクラップアンドビルド。その過程が、正月のだらだらした食生活、呑んでは呑んでは食べて食べてのぼくの時間利用にズンっと刺さりました。これではいかん!と。そんな中昨日は、冬休み最終日である娘たちを引き連れ、ジョギング→バドミントン→逃走中ごっこ→筋トレを敢行。腕はしびれ、太ももはこわばり、そして腹筋はプルプル。背中にあるいわゆる筋肉痛を心地よく感じながらこのブログを書いています。ただ、予定なしで運動したため、結果が分かり難い事に気がつきました。やはり、結果が見えた方がやりがいがある。ということで、今年は予定をたてて、肉体的年齢適正化を計っていこうと思います。

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写真はイメージです(笑)

昨年を象徴することば

昨年は仕事でもプライベートでも、本当にいろいろありました。そんな中、とある忘年会での会話です。三人だけのこじんまりした会だったので、自宅近所の居酒屋さんで、仕事のこと、プライベートのこと、これから先のことなど、たわいもない会話に時間が経つのも忘れていました。話も盛り上がりを見せ、お互いのここがいけない、ここはいいねといじり合っていました。かれこれ15年以上の付き合いの3人です。「もう腐れ縁ばい。」誰かがいいます、その時に出た言葉がこれ。

腐っても鯛

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腐れ縁という付き合いだけど、長い付き合いができてる。腐れ縁ながらも、互いに経営者であり、目標があり、それぞれの道を持っている面々。腐っても鯛、腐れ縁な仲間ですが、互いがお互いを認め合い(鯛なんだと)、切磋琢磨できればと思う会でした。なかなか使う機会のない言葉でしたが、去年の中で一番心に残った言葉でした。

今年もすでに一週間が過ぎました。一年ってぼーっとしているとあっという間です。これまで以上に、日々を楽しみ、笑顔を絶やさず、そしていい家を一軒でも多くつくっていければと思います。そんな仕事始めの夜なのでした。

 

 

金利引き下げ枠終了に慌てないで。

2015/12/17

フラット35Sの金利優遇が終わるようです。

低金利が続いていた住宅ローン。なかでも長期固定ローンでおなじみのフラット35Sは、低金利時代にはとても使い易い金融商品でした。その上「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」として、35S仕様の住宅に対しては金利を-0.6%当初5年間割り引いたり、長期優良住宅や認定低炭素住宅に至っては-0.6%がさらに5年伸びて割引期間が10年間になるなど、住宅ローンを使った家づくりにはありがたい拡充制度が進められてきました。しかし、もともと期限付きの制度であったため、その期限が最近よくアナウンスされています。

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【フラット35】Sにおける当初5年間(長期優良住宅、認定低炭素住宅等の特に性能が優れた住宅については、当初10年間)の金利引下げ幅を、年▲0.3%から年▲0.6%に拡大する制度拡充を実施しています。この制度拡充は、平成28年1月29日(金)の申込受付分までが対象となり、平成28年1月30日(土)の申込受付分から【フラット35】Sの金利引下げ幅は年▲0.3%になります。※フラット35のWebサイトより転記

2016年1月29日までと、1月30日以降ではどれくらい違うのか。

では実際に、どの程度違ってくるのか?普段金融や保険の相談に乗ってもらっている「株式会社保険ステーション」熊本支店支店長の山形邦明さんに試算して頂きました。

【借入条件】 借入金額3,000万円 金利1.6%の場合(金利は取り扱い金融機関により差があります)フラット35S長期優良住宅仕様の場合

【金利優遇が0.6%の場合/2016年1月29日申込分まで】
返済月額84,685円(1~10年目)
返済月額90,927円(11年目~)
返済総額 37,440,663円
利息分   7,440,663円

【金利優遇0.3%の場合/2016年1月30日以降の申込の場合】
返済月額88,944円(1~10年目)
返済月額92,142円(11年目~)
返済総額 38,316,139円
利息分   8,316,139円

当初の返済月額が毎月4000円程度増え、返済総額では875,476円の差になります。また、フラット35の金利がこれから上昇すると返済総額の差はさらに大きくなり、月々の返済額が4000円違うという事は、借入額として100万円程度の違いがあるという事になります。

こんな結果になるようです。先日うちのサイトに、「実際どれくらい違うの?」というお問い合わせを頂き、私自身も確認のため試算して頂きましたが、0.3%の違い結構あるんだなと再確認できました。アメリカでの利上げも始まり、国内でも景気の上向きにより金利上昇は否めないようですし、もちろん国もそれを目指しています。消費税増税もひかえ、これから家づくりをという方々には少し残念な情報になってしまいました。

それでも慌てず、落ち着いて進めましょう。だからといって、慌てて申込なんていけません。前回の消費増税のときもそうでしたが、いわゆる駆け込みといわれるタイミングで住宅建築を進められた方が多くいました。これまでの経験からして、時間を掛けられない・時間に余裕の無い家づくりはうまくいかない気がします。のんびりというわけではありませんが、打合せや設計・金額の調整などの時間を適宜取って、こんな制度の変更に惑わされないスケジュール計画が必要だと思います。返済総額が87万円少なくなったとしても、それを求めるあまりに十分な打合せ検討ができず、出来上がった住宅が満足いけないものであったら本末転倒です。

条件があるからこそデザインが生まれる。 普段の設計の時にもいろいろな条件があります。土地の条件、暮らしぶりによる条件、そして予算的条件。それら条件を整理して、最高のものを計画(デザイン)していくのが我々の仕事です。逆に、何も条件が無ければそれは非常にやり難い仕事になってしまいます。土地が変形していれば、その形や方角道路の位置などが条件として存在します。その条件とはパッとみ家づくりには不利なように見えるかもしれません。しかし、その条件こそその土地の持つポテンシャルであり、きちんと問題を整理しまた組み立ててやれば、ほかに無い素晴らしい素材へと生まれ変わります。今回の金利優遇期間の終了もそれと同じような条件です。一見不利なようなものも、見方や整理の仕方を変えてやれば、その家づくりはうまくいきます。金利(お金)がという見方でなく、時間として今回の条件を見てみると、焦らず落ち着いて家の事が考えられるはずです。

今回のような制度の見直しはちょくちょくあります。そんなもんに振り回されずに、いい住宅をつくっていきましょう。いろいろ書きましたが、誤解のないように付け加えると、使えるんだったら使った方がお得ってことは間違い無いはずです。

 

 

ヤフオクから見えてきた人材確保への条件。

2015/12/7

ヤフオクに大型の荷物を出品しています。出品は完了して、そこそこウォッチされているようです。ただ、落札された場合の発送方法、荷造りの方法、運賃などがさっぱり分からなかったので、先日運送屋さんに来ていただき、アドバイスを頂きました。

運賃って意外と安いんだ。

まずは運賃の決め方です。基本的に荷物の容積と発送距離で決まるようです。容積といっても、容積に対しての単位重量があるようですので、重さで料金体系は決められていました。直方体の荷物、洗面カウンター130cm×70cm×40cmであれば150kgというように、ものの種類で単位重量が決まっているみたいです。もちろん、単位重量の重さより明らかに現物の方が重ければ、そちらの実重量でカウントされるようです。で、先ほどの洗面カウンター150kgを大阪まで送ると送料はどうなるか?実際は150kgもありません、せいぜい30kgくらいです。150kg換算なので相当するのかなと思いきや、7,700円とのこと。東京まででも11,700円。30kgしかないから割引を交渉しようと思ってましたが、逆にその程度でいけるんだと業界の仕組みに興味がわきました。一応、出品中のものを宣伝しておきます(笑)。

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INAXマーベリイナアンダーボウル

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TOYOキッチン3Dシンク付キッチンカウンター

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LIXIL LC900 ミラーキャビネット付き

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パナソニックフロアスタンド

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ステンレスシンク

やっぱり、厳しいようです。

意外と安いんですね、と担当者に尋ねると、なんだかホッとされた様子。やっぱり値交渉されると思っておられたようですね。普段、CM方式にて住宅をつくっていますから、物事のお金のかかり方の理屈が分かっています。この荷物をあそこまで運ぶのにどのくらいの手間や経費がかかるかも想像できます。そんな感じですので、この価格であれば高いとは感じなかった。業界内での価格競争もあるようで、尚更でしょう。しかし、本当に困られているのは人材の確保と育成のようでした。

どこも一緒のようですね。

荷物の話しはすぐに終わり、ついつい業界の実情についての話しを聞いてみました。人材不足が一番辛いところみたいですね。運送屋さんと会わない日は無いというくらい、毎日何らかの荷物を届けてくれます。設計事務所であるうちですらそうなので、物販などされているところであれば尚更でしょう。そんなドライバーさんの数が不足しているようです。建築の業界も人材不足は深刻な状態です。既存業界、どこも一緒のようですね。

人材コストをカットするシステム化が意欲をそいでいる?

建築の世界でも職人さんになりたいという若者は減ってきています。人口自体が減っているので仕方ないことですが、減っていること以上に、その仕事への執着度が下がっているように感じます。例えば大工さん、いろいろな大工さんと付き合っていますが、人手不足に悩まれているようです。特に後継者や若手の育成、新人の獲得。なぜ、そんなに若手が入ってこないのか、また育たないのか?そこに影響を与えているものの中にシステム化があるのではと思います。

大工さんの仕事、中でも構造躯体になる木の骨組み。この部分は完全に機械化が進み、プレカットが採用されその技術もすごいところまでいっています。3人くらいの大工さんで、2週間くらい掛かっていた木材の加工が、わずか1日で出来上がっちゃいます。しかも、その3人の大工さんは新人ではなく刻みができるベテランたちです。5日×2週×3人×20,000円=600,000円が20万そこそこでできちゃいます。これなら、機械化が進んでも仕方が無い。というより、止めることはできないでしょう。

人手不足を補うためのシステム化だったプレカットはかなりの成果を上げ、同時にその技術も進歩を遂げ、今ではほとんどの家づくりに採用され、すっかり業界に定着しています。プレカットのオペレーター(設計者)も普通に仕事として定着しています。人手不足を補うという目的はしっかりクリアしたプレカットですが、同時に大工自体の技術継承にはブレーキを掛けてしまいました。このことは、更なる人材不足・技術者不足を生み出し、さらに人の手を省くためのシステム化に拍車をかけます。堂々巡りになっているようです。人手不足と書きましたが、言い換えれば先の手刻みはできないけど、ほどほどの技術を持ったものであれば大工になれるということ。もっとキツいいい方すれば、代わりの大工さんはいくらでもいるということです。

これが意味する事は、大工という仕事自体への誇りとか、執着が薄れるという事なのかなと思います。そう考えると決して大工だけの話しでなく、多くの職業に当てはまる事なのかもしれません。誰がやっても同じレベルのものがつくれる、あるいは同程度の仕事ができる。このことが人手不足や若手不足を助長しているのかと。我々の設計業界でも、設計事務所に勤めたいという学生は少なくなっているようです。現代の若者には魅力的な仕事として写っていないのでしょうね。その事に対して先人である我々はもっと、魅力ある仕事だという事を魅せなければいけないのでしょう。

魅力的という価値観。

ただ、魅力を魅せるといっても、その魅力に我々と若い世代とではズレがあるのも事実です。多くの若い世代の仕事に対する魅力とは、こんな感じだと感じています。

・しっかりとした休暇があること、

・ただし、さほど給与は多くなくてもいい。

・社会に対する貢献度が高い方がいい。

それに対し、僕ら世代(1970年代生まれ)の仕事への魅力は

・休みは少なくてもいいが、

・なるべく給与は多い方がいい。

・仕事自体への興味やあこがれがあり情緒的。

伝えようとする魅力をそのまま伝えてしまうと、相手にとっては魅力的でない場合があるという事です。新しい世代への求人はそんな食い違いも考慮しながら進めなければならないようです、難しいですね。先日参加したとあるシンポジウムでも「大学の建築科の学生も設計事務所へは行きたがらない。優秀な生徒ほどその傾向がある。」なんて事をいわれていました。衝撃的な内容でした。でも同時に、やっぱり我々の仕事の魅せ方がまずいのではとも感じました。要は魅力的に写ってないってことなんで、そこを改善する必要があるのだなと。

給与を高く設定するのか、休みを多くするのか、社会貢献度を上げるのか、それとも師弟関係みたいな情緒的部分をアピールしていくのか。それぞれが、それぞれに対してこうだ!と思う事を魅せていくしかないようですね。ちなみにうちの事務所は、「給与はそこそこだけど、休みはしっかりとれて、いい家をつくる感覚と、それをまとめあげるノウハウ、そしてそんな住宅のオーナーとの出会い方を学ぶ事ができる」といった感じですかね。何れにしても、本人の気持ちが一番!という事は後にも先にも変わらない条件なんでしょうけど。みなさんの廻りではいかがでしょうか?

 

 

【床暖房なんていらない】いよいよ12月、ちゃんと冷え込んできましたね。

2015/12/1

床暖房ってどうなの?

この時期に設計のご依頼を頂くと、結構な確立で「床暖房をつけたいんです。」とご相談を受けます。みなさん、寒がりだからとか、冷え性だからとその寒さ解消のためにと心に誓われているようです。でも、私に相談したらかなりの確立で、「床暖房は必要ないですよ、勿体ない。」と即却下されてしまいます。「えぇ、その分の予算はちゃんと確保してますから。」といわれたら、ますます却下です、勿体ない。

なぜ却下するの?

別に、床暖房が憎いわけではありませんよ。床暖房は必要ないっていってるだけです。話しを戻しますね、なぜ床暖房が欲しいんですか?「それは冬寒いから、足が冷たいから」ですよね。ということは、寒くなくて、足も冷たくなければ必要ないってことですよね。

そもそもそんなに寒くないはず。

まずは基本に戻るということ。これは先にかいた、そもそもなぜその床暖房が欲しいのか?という理由・原因を思い返すことから始まります。寒くなく、足が冷たくなければ解決する内容ですね。おそらく、これまでの生活の場(賃貸アパートとか古い木造のご実家とか)でそういった経験をされてきたのでしょう。それらの住まいは、明らかに現在の住宅仕様・性能とは違うので、寒かったり足が冷たかったりしたはずですが、多くの現代の住宅では断熱性能が上がり、大部分で解決できるはずです。5年後の2020年にはそういった性能基準をクリアした住宅でないと造れない・売ってはいけなくなるので、ますます性能自体の平準化は進んでいくはずです。

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築40年の木造住宅、床下に断熱材なんて入ってません。寒くないわけが無い。

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現代の木造住宅、床裏に5cmの断熱材が施されています。しかも隙間を造らないように施工されます。

断熱材だけではない、ヒューマンフィーリング。

床暖房は必要ないといっていますが、断熱材だけでそれをクリアすることはなかなか難しいでしょう。ではほかに何をするのか?そもそも熱は特性として、温度の高い方から低い方へと移動していきます。下に4種類の素材があります。

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左からスギ無垢板30mm、ナラ無垢板クリアウレタン塗装15mm、サワラ無垢板115mm、スチール10mm。

ここで問題です。この4種類の素材のうちどれが一番冷たくて、どれが一番暖かいか。感のいい方なら、サワラが一番暖かくて、スチールが冷たいと分かるはずです。この実験を床暖房を希望されるお客さまにもやってもらいます、実際に手で触れてもらって素材の違いがどう影響するのか。触ってみても、先の回答に違いはありません。ほとんどの方がそう答えられます。そこで、この機械の登場です、実はこれ温度計なんです。物体に触れずにその物体の温度を測ることができます。

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赤外線放射温度計。Amazonで5000円くらいで買えます。

写真は壁をはかっています、壁の温度が22.9度ということです。ここで、先ほどの4種類の素材の温度を測ってみます。何となく分かるでしょう。そう、4種類とも同じ温度なんです。しかも、壁の温度22.9度とほぼ同じという結果です。

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スチールプレートの温度も22.9度。触ってみるとめちゃ冷たいのに・・・。

なぜそうなるのかというのは、最初にかいた熱は高い方から低い方へ移動するという性質。さらにその性質がどんどん進めば、一体に存在する物体の温度は同じ温度になるということです。つまり、30度の熱を持つ物体が、20度の熱を持つ物体と隣り合った場合、30度の熱が20度の物体側へ移動していき、両者が同じ温度になる25度で安定状態になる。そんな科学が起こっていたのです。

熱伝導率の違いを意識する。

先の4種類の素材、結局温度は同じなのになぜ触ると差があるのか?それは熱伝導率に違いがあるからです。物体は同じ温度になろうとしている。これは先にかいた通りですが、熱伝導率に違いがあるためそこに時間差が生まれます。4種類の素材のうちサワラが一番熱伝導率が低く、スチールが高い素材です。

熱伝導率表
素材の違いによる熱伝導率の違い。鋼材と木材では375倍の違いがあります。

つまり、人体の温度が35度だとした時に、室温22.9度であればサワラもスチールも22.9度になっています。その環境でそれぞれに触れると、人の熱が温度の低いサワラやスチールに移動していきます。その時、木材の実に375倍というスピードで熱が伝わるスチールの方がより冷たく感じるわけです。熱いや冷たいといった人の感覚は、実際の温度以外にも、この熱伝導率にてかなり影響を受けているということなんです。

床暖房が無くても冷たくない。

ここまで書いてきたことを意識して設計すれば、床暖房なしでも床が冷たいと感じることは無いと思います(個人差はあると思いますが)。まずは断熱材を適宜断面に組み込み、直に肌に触れる素材を吟味する。素材自体の温度を上げるために太陽の光を床に当ててみる。さらに、その熱が廻りに逃げていかないように、家全体の断熱気密化をはかっていく。

床暖房設備には熱源もいろいろあります、電気・ガス・灯油。お湯を沸かしそのお湯を床に回したり、電熱線を張り巡らしたり、不凍液を暖めてまわしてみたり、ほんとに多くの床暖房設備が存在しています。その中でどれがいいのか?自分たちにどれが合っているのか、将来のメンテナンスは?コストは?採用までにはいろいろ検討する必要があるようです。お金をかけ時間をかけても将来は・・・。勿体ないと思いませんか。同じ時間を掛けるなら、どの素材が気持ちいいのか、どの方角から太陽は差し込むのか、窓の大きさはどれくらい・・・、こんな家自体のポテンシャルを引き出すことを考えた方が、面白くて楽しくないですか。

床暖房は無理矢理、物理的温度を上昇させ人体温度まで近づけ、あるいはそれ以上にして我々の快適をつくるもの。一方、素材や断熱材、太陽などの自然エネルギーを工夫して快適を生み出すパッシブは、科学的思考のもとつくりだすスマートな方法です。いかがでしょう、こちらの方が断然家づくりとして魅力的だとぼくは思うのですが、みなさんはどう思いますか?