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シリーズ記事:なぜ、小さな家を提案し続けるのか?④

2017/12/12


小さな家の設計をやってみよう!

前回までの記事では、小さな家を建てようと思ってからの基本的な考え方を書いてきました。今回は、実際に自分で小さな家をプランする場合どうすればいいかを解説できればと思います。この記事を読んでもらえば、ざっくりプランニングのコツが掴めるのかな?と思います。できるだけ分かりやすく簡単に書いていきますが、わからなくなったらこちらの問合せフォームにご質問ください。精一杯の回答をいたします。ちなみに、プランニングの大まかな流れはこんな感じです。

①敷地の調査(道路、ご近所、方位などの状態を知る)
②敷地の特徴(いいところ悪いところを整理)
③一番窓から見たい風景を探す(見たくない場合はそれでいい)
④駐車場の位置を考え、玄関までのルートを考える
⑤家の中で一番家族が集う場所を想像(通常リビングかダイニング)
⑥外とその場所の繋がりをイメージ(窓から出入りする、しないとか)
⑦間取りに落とし込んでいく

 

まずは敷地の特徴を掴みましょう。

我々プロもここがスタートになります。家を建てようとする土地に立ち、その土地そのものの状態はもちろん、東西南北を基準とする周辺の状況をよく観察していきます。その時に、準備していきたいのが以下のグッズです。

・筆記具(鉛筆2B以上の柔らかいもの、消しゴム、三角定規など)
・下敷き(A3対応程度の大きなもの、画板だと紐がついてるので便利です)
・土地の測量図(測量されてない場合はゼンリンなどを拡大コピー)
・方位磁石(方位を現地で確認、真北を求めたいけど磁北でもまぁOK)
・コンベックス(いろいろ測りたいので5m程度が測れるもの)
・カメラ(スマホでOK、家に戻ってからの確認用。動画でコメント付き撮影がおすすめ)


実際の調査では、こんな感じで現場でスケッチしていきます。その場で感じたこと、特徴的なこと、生かしたい方向や、風の抜け方などなど、多くの情報をこの中に落とし込んでいきます。写真では、前もって準備していた測量図(ゼンリンとかでもOK)を下敷きに、トレーシングペーパーを重ねて使っています。あと、そのトレーシングペーパーに方眼を引いておくとさらにGOODです。方眼のサイズはひとマス910mmで作っておくと、建物のボリュームもわかりやすくなります。

 

まずは駐車場の位置を考えます。

意外かもしれませんが、車があるのであれば駐車場の位置を最初に決めちゃいます。最低でも幅2.5m・奥行き5.0mくらい一台で必要なので、車の台数分予定しないといけません。その位置が決まれば、残った範囲に建物をレイアウトするわけですが、その時に玄関の場所をイメージしましょう。駐車場がここだから、玄関はここにと単純に決めるわけでなく、車を降り玄関までのアプローチにも楽しさやワクワク感を盛り込んでみて。ゲストを迎えることもイメージし、おもてなしの空間として意識しましょう。ちょっとした木立を作るとぐっと雰囲気よくなります。

玄関までのアプローチが決まれば、次はリビングです。一番家族が集う場所を、その敷地の中でどこが一番いいかを考えるわけです。そこから見える外の風景、光がどんな風に動くのか、風はどちらから吹くのか、そこにソファーを置いて座ってるイメージです。現場では立っていますが、家の中で座っている状態をイメージしましょう。立ったまま、風景などを眺めがちですが、家の中にいる時はほとんど座っているはずですから。

 

窓を制せば、暮らしを制す。

色々なシチュエーションを想像しながら間取りを考えていくわけですが、同時に窓の大きさや高さ位置についてもイメージしていきます。窓はすごく大切で、部屋の真ん中にポンと置いただけでは気持ちいい住まいにはなりません。先ほども書きましたが、ソファーに座っている状態でこの窓もイメージします。ソファーに腰掛け、リラックスしている状態です。


ソファーと窓の位置は大切に考えましょう。


天窓も隅に寄せると壁からの反射でより効果的。

 

機能性だけでなくデザインが重要です。

耐震性が優れている、すごく省エネであるなどの性能についてだったり、家事動線がいい、収納のことがよく考えられているなど、使い勝手の良さだったりを考えるわけですが、それだけでは気持ちいい住宅は設計できません。住宅の設計をするにあたって絶対的に必要なものはデザインです。想像してください、今回建てる家の100年後を。そんな先でなくてもいいです、自分たちの子供がその家にずっと暮らしているか?暮らしたいと考えるか。

いくら性能のいい住宅でも、見た目がカッコ悪くては愛着がわきません。愛着がなければ長く存在することができません。一旦子供達も家を出ると思いますが、相続をする場合、そこに住みたいと思うかどうか?仕事などの都合で住むことができないかもしれませんが、簡単に壊して更地で売っちゃうなんてのは悲しいです。もし手放す場合でも、その家がかっこよかったら次の購入者もすぐ見つかるでしょう。

もちろん性能や使い勝手は良くなくてはいけません。それらは当然の標準仕様とした上で、必ずかっこ良い家でないといけないのです。このかっこよさは、デザインする(設計する)人の感性に大きく影響されます。それは経験値の差でも生まれますし、センスという感覚的なものにも影響を受けます。そんなデザインを意識し、美しく設計できればその家は長く愛され、持ち主が変わったとしても存在していけるでしょう。

 

設計は楽しいでしょう。

こんな感じで住宅の設計を進めていきます。設計というと図面を書くことのようにイメージされがちですが、図面は図面イメージした内容を客観的に表現するためのツールでしかないのです。それよりも、その住宅の形をイメージし、他者へきちんと伝えることができればそれでいいのです。あなたがもし自分の家を設計してみようと思ったのならば、今回の記事に沿ってイメージしてください。きっと、どこから手をつけたらいいのかわからないとはならないはずです。順番に考えていけばある程度まとまると思います。部屋の広さをどうするかとか、窓の位置をどうしようなど具体的な内容では考え込むと思いますが、それはそれでいいです。とにかく全体像がつかめれば、あとはプロにお任せしちゃえばいいのです。自分でイメージすることができるということは、相手に想いを伝えやすことになりますから。いかがですか、設計って面白そうでしょう。是非あなたも自分の家の設計にチャレンジしてみてください。

 

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