【飛熊の家_MTH】土台敷きが始まりました。
2017/05/17
上棟前の準備、着々と。
上棟まであと数日、お天気も最高な予報です。本日は下準備として土台敷きが行われております。土台敷きとはなんぞや?
現場の全景写真です。基礎の上に乗っけてある木材を、土台と言います。熊本ではヒノキ材の場合が多いようですが、中には集成材や、加圧注入材といったものもあるようです。うちではヒノキ材を採用しています。理由は、完全自然素材であり、一番流通しているので入手しやすい、構造安定性があり、加工も容易であること。他の集成材や注入材は素材自体に手を加えてあるので、木造でありながら木造でないイメージがあります。
こちらは現場に搬入されている梁材です。杉材ですね、機械乾燥にかけられたいわゆるKD材(ケーディーザイ)と呼ばれるものです。KD材は強制的に素材が持つ水分を蒸発させ、構造安定性を高めた材料になります。木材の水分量率を含水率(ガンスイリツ)といいますが、概ね15%〜18%程度が構造材として適しているとされています。
これは、平衡含水率(ヘイコウガンスイリツ)に人工的に近づけ、木材の寸法安定性を保たせるためであり、平衡含水率とは、簡単に言えば木材が乾燥していく過程で、その地域の気候・風土の環境により、木材が含んでいる水分量が安定た状態の数字です。この数字になるまでには、木材は乾燥とともに収縮も起こします。この収縮が建った後の建物で起こると不都合もあるので、前もって人工的に乾燥させるわけです。機械乾燥の他に、時間をかけた自然乾燥という手法もありますが、時間と費用がかかるため主流ではなくなってきています。
基礎の上に土台が並べられ、アンカーボルトによって基礎と土台が繋がれました。写真はその締め付けのためのスクリューナットです。床板杉材30mmが直接この土台の上に乗っかるので、土台からアンカーボルトが出ないように納められています。以前は、土台の方を四角くくりぬいて座金とナットを取り付けていたのですが、今はこの木材を掘りながら締められるスクリュータイプが主流のようです。
同じくアンカーボルトの写真ですが、こちらは土台の継手(材と材をつなぐ部分)付近に必要なアンカーボルトです。継手の状況としては、写真右側の土台が左側の土台の上に乗っかって、左側の土台を押さえ込んでいる状態です。そして、その押さえ込んでいる側の土台に、アンカーボルトが取り付けられています。たまに、他の現場を覗いてみると、これが逆になっているところもあります。アンカーボルトが左側の材についていたら、右側の土台に何らかの力がかかった場合、浮き上がってもおかしくありません。地味な部分ですが、しっかりとした施工が必要です。
最後は基礎パッキンの設置状況です。先日紹介したステンレス製の基礎パッキンが敷き込まれています。
わかりにくいですが、土台の継手部分と柱の直下部分、そして土台の端部にそれぞれ設置されており、土台へかかる荷重をしっかりと基礎へ伝達できるようになっています。合わせて、通気を兼ねているので、向こう側の風景が見えていますね。たったこれだけの隙間ですが、これで床下空間の換気能力は相当なものになります。
話は変わりますが、「新築の家でゴキブリが出た!」ってなげかけてる奥さま方の声をたまに聞きますが、家にはこんな感じで隙間があります。ゴキブリって元々家の中にいるものではないので、外から侵入してきたものです。なるべくこういった隙間を少なくしようと家は作られていきますが、虫たちが侵入できる隙間は必ず出てきます。ドアの開閉や、窓の開け閉めのタイミングもしかりです。ことゴキブリについては、室内に餌となるものがあると当然寄ってきますので、それらがないように心がけていただくのが最良だと思います。
いよいよ明日は上棟です。2017年5月18日、1969年のこの日アポロ10号が打ち上げられたそうです。方形造りの屋根がアポロ号に見えなくもないので、なんだか繋がりを感じてしまう今日この頃なのでした。