小屋が流行っているようですね。
2015/03/9
◎小屋のイメージ 小屋のイメージってどうですか?”小屋(コヤ)”という言葉の響きに小さな物置とか、狭いとか、暗いとか、カビ臭いとか、マイナスイメージが一般的には先行していたと思います。そんな小屋なのですが、最近よく目にするようになり、注目を集めているようです。雑誌もいっぱい出ているようです。検索すると、ログハウス系のものがたくさんヒットします。まぁ、ログハウスは昔から趣味の世界であったわけで、丸太小屋というものの先に書いたいわゆる”小屋”とは別格ということですね。みなさんは小屋にどんなイメージを持っていますか?
◎子供の頃の小屋 アルプスの少女ハイジとかに出てきそうな小屋。どこか秘密基地のような囲われた自分だけの空間。そんな空間に憧れていたのを思い出します。そんな自分だけの究極の空間、当時は押し入れでした。たたみ1枚分の真っ暗な世界。そこに懐中電灯を持ち込んで、好きな本を読んだり、プラモデルを組み立ててみたり、誰にも邪魔されない自分だけの城でした。布団が少々臭ったのも覚えています。
◎小さな空間=小屋 Wikipediaで小屋を検索すると、やはり粗末な小さな建物といったマイナスな解説がついています。ただ、最近注目を浴びているのは、小さいということを意味する小屋であるようです。ということは、先に書いた押し入れも小さな空間としての小屋なのかもしれません。そして、その小さな空間でどれだけの暮らしができるか、その暮らしの哲学を楽しむ人が増えてきているのかもしれません。小さな空間で楽しむ暮らし。粗末という負の表現ですら、そこに美的なステイタスを見いだす、そんな感じなのかもしれません。
◎リアルな小屋を感じる 小国町にある親戚のおうちの離れです。木造2階建てで、延べ床面積は6坪。1階部分は開かずの間になっていて見ていませんが、1階6帖、2階6帖の板の間になっている素朴な小屋です。
トタン屋根にオール板壁、木製のガラス窓に出入り口には木の橋が架かっています。今見てみると、なんとも可愛らしく感じる佇まいです。義母はここで勉強していたそうですが、冬寒く、夏暑かったと思うので、当時はそんな風に感じる余裕はなかったでしょうね。
コーナーに集められた窓からは、近くの山のみどりと、近隣の風景を見下ろせます。丸裸の木の構造と、天井からつり下げられた裸電球、頭を少し下げるくらいの天井高さが、この6帖という広さに奥行きを与えているようです。
◎暮らしをイメージしてみる 小さいというくくりで、最近この小屋が注目されているようです。自分だけの趣味の部屋、庭にちょっと建てられそうな手頃なボリューム、DIYも楽しめそうな手の届く価格、そんな切り口で小屋が紹介されています。あくまでセカンドハウス的な紹介です。それはそれで夢があり、子供の頃のワクワクどきどきが感じることができいいのですが、これを主たる生活や暮らしを通してイメージしてみるとどうでしょう。
普通は「6帖では生活できないでしょう」となりますよね。でも、そこをもうちょっと考えてみます。寝るのに必要なスペースは?食事をとるにはどれだけの広さが?食事の支度はどんな感じで、お風呂もどれくらいあれば済むのか?などなど、必要最低限の広さってどれくらいかを考えてみます。これまでの常識にとらわれない広さが見えてくるはずです。その広さをうまく配置し、並べ整理することで、実数以上の広がりも作り出すことができます。
暮らしの広さをそうやって感じることで、本当に自分たちにぴったりの空間が創れるはずです。自分たちのミニマムを知る、そしてそこから空間を広げていく。なるべく小さく住まうということを意識した家は、ただの粗末で小さな建物ではなく、そこに住まう人々にとっての最上級の小屋になり、そこでの生活はより豊かなものになるはずなのです。