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シリーズ記事:なぜ、小さな家を提案し続けるのか?③

2017/11/27


小さい家を建てたいと思ったら。

前号までの記事(シリーズ記事:なぜ、小さな家を提案し続けるのか?①)(シリーズ記事:なぜ、小さな家を提案し続けるのか?②)をご覧いただき、家を建てるなら小さな家しかないな!と思ったそこのあなた!”日本の中に一人でもいてくれたら涙流して喜びます”今回は、具体的にどうすれば小さな家を建てることができるかご案内していきます。

小さな家づくりを成功させるかどうかの大きな鍵は、その家での暮らしを共に考えてくれるパートナー選びです。家を建てるためのパートナーとしてはいくつかの存在がありますね。僕らみたいな設計事務所(建築家)、住宅メーカー(全国区・地元)、工務店とだいたいこの三つに絞られると思います。それぞれに特徴ありますが、そこらへんの違いについては別に調べてみてください。ここでは、これら三者の違いはどうでもよく、共通する大切にすべきところを列記しますね。


 

 

①聞き上手な相手かどうか。
これは、あなたが想像している暮らし方を、いかに正確に聞き取れるかの能力になります。例えば、あなたが「窓は大きくしたい」という希望を伝えた場合、「わかりました、大きな窓を設けましょう!」と即答する相手は論外!絶対パートナーとしてはふさわしくありません。一見、なんでも希望を聞いてくれるいい人ですが最悪です、あなたのことより会社のことを優先しています。「はいはい」と言っておけば、その相手は悩まずにすみますし、何かあれば言った通りにしましたよ。と言われるのが落ちです。

そうではなくて、あなたが伝えた「窓を大きくしたい」の理由、なぜ大きい窓が欲しいのか、それがあるとどう暮らしが素敵になるのかを、専門家としての経験を持って想像しながら、あなたの話を聞く力。その力があるからこそ、あなた本人ですら口に出せなかった本質を引き出してくれます。それが聞く力のある相手です。

もっとすごい相手は、あなたがあえて口を開かずとも、何気ない会話の中から、あなたにとっていい暮らしに繋がるキーワードを拾い集め提案してくれる人。ここまでいくと間違いない相手でしょう。そんなことを意識しながら、相手の話を聞いてみるのも面白いと思います。

②設計力がある相手かどうか。
設計力というと、設計事務所や建築家を連想されると思いますが、実は設計事務所(建築家)でも小さな家は設計できない人もいます。逆に、住宅メーカーや工務店でも小さな家が得意なところもあります。そういった意味では、小さな家での暮らしを想像しながら、きちんと組み立てることができるところであれば、その組織の違いには意味がないということなんです。

また、間取りを考える時、平面的なことばかりでなく、高さや、時間軸のことまで同時に想像できること。家事や教育など子供のことが想像でき、料理の手順がわかっているかどうかも家づくり、特に小さな家づくりでは必要な感覚だと思います。

では、その設計力を判断するにはどうするか?やはり実績を見るしかないでしょう。我々専門家であれば、図面を見ればある程度、その相手の技量は判断できますが、一般の方がそれだけで判断するには無理があります。これまでの実績のお宅を案内してもらうとか、モデルハウスを持っているところであれば、そこを訪ねてみることで、その家自体の心地よさを体感するしかないでしょう。小さな家をつくれる相手として、僕が勝手にピックアップするとこんな感じになります。

・ミズタホームさん
甲佐町にある山ぼうしの樹は僕も大好きな場所です、あんなモデルもてたら仕事しなくなるかも。

・ホームパティさん
小さな家についての勉強会など開かれているようです。本体がアネシスさんというのも特徴的。

・すまい工房さん
テレビコマーシャルでも有名な龍田ビオトープの家は、規模ほど小さくなくても小さな家のフラッグシップだと思います。

・FAD建築事務所
もちろん、当社も得意とするのは小さな家ですのでここに並びます。

並びには意味はなく、googleで検索して出てきた”相手”の中で、僕目線で並べただけです。実際にお付き合いや訪問したことあるのは、ミズタホームさんだけですので、実情がどうなのかはわかりません。あくまで僕のイメージで、もし僕が素人で小さな家を建てようと思った場合は、ここに並ぶところを廻ってみると思うレベルのリストです。

③家族での暮らしのイメージ共有ができているか。
①も②も相手に対する条件でしたが、一番の問題は近くにあります。そう、ご家族との情報共有・価値観の統一です。小さな家を目指す人は、比較的合理的に物事を考える方が多いようです。小さな家というと可愛らしいとか、素朴とかどちらかというと、情緒的な感覚を持った方が多そうに思えますが、実際はそうでもないようです。というより、そもそもベースに現代的な合理主義があって、その上に暮らしに情緒的感覚を持ち込める方々が、小さな家を楽しめる人なのかもしれません。

例えば、子供部屋は設けずに家族が近い関係のまま暮らしたい(=情緒的)という思いの中で、それを実現させるための理屈として、どうせ子供は巣立っていくし、そうなれば部屋が無駄になるし、その部屋の分建設費用も抑えられるしとか、自分自身あるいは周りを納得させるための合理性をみつけようとしますね。このことからも、情緒的な部分と合理性が合致した時に、心から小さい家を”いい”と思えるのかなと思います。どうですか?

いくら僕が、「小さな家はいいぞ」と言っても、奥さまや子供達から反対されたまま作ったとしても、幸せな暮らしは当然望めません。やはり、そこで暮らす家族が楽しめる、豊かになる、幸せでないとダメなんです。そんな家族(夫婦)の日常を映像化した映画があります。

人生フルーツ
ふたりの来し方と暮らしから、この国がある時代に諦めてしまった本当の豊かさへの深い思索の旅が、ゆっくりとはじまります。という導入がある映画です。

見た人はみな、「あんな風に暮らせたらいいね」と言われます。そんなほんわかした暮らし振りなのですが、ご主人の思想が色濃く詰まった家の作りになっています。しかし、優しさもいっぱい詰まっていて、奥様にとって面倒そうな作りも、二人の価値観では一緒の幸せな暮らしと化していました。同じデザインの湯呑みを美しいと思うのが同じ価値観でなく、そのデザインが好きなご主人と、その湯呑みの思い出が大好きな奥様、そこに価値観の一致があるのかなと思いました。

ちょっと話が逸れましたが、暮らしのイメージを共有することは簡単ではないはずです。暮らしを想像しながらと言っても、家族の中でも人それぞれ、思い浮かぶ入浴シーンは違ってくるはずです。そういった家族同士のイメージをつなぎ合わせながら、少しずつ〇〇家の暮らしってどんなものなのかを探っていってはどうでしょう。実際、お父さんの当たり前は、お母さんにとって当たり前でないこといっぱいありますから、そのあたりを整理するだけでもいい家づくりになると思います。

そんな家族会議の手助けとして、FAD建築事務所では「家づくり調書」という資料を作ってお客様にお渡ししています。この資料の内容を埋めるのはお父さんだけでは無理です。否応にでも家族での認識確認が必要になるので、価値観の共有のきっかけになるはずです。

 

今回のまとめ

今回は、小さな家を建てたいと思ったらということで、相手選びと下準備としての家族でのコミュニケーションについて書きました。家族間のコミュニケーショについても、先に書いた上手い相手と繋がることができたら、いい具合に助けてくれると思います。相手選びも合理的にとお考えになるのであれば、いくつかのチェック項目リスト化して、それにそれぞれ5段階評価を設け、この項目は1点だけど、こっちは5点だね、その合計点を総合力として判断し相手を絞るのも楽しいかもしれませんね、ちょっとこちらはビビりますが(笑)。いづれにしても、家族で楽しみながら進めることがいい家づくりに繋がることだと思います。

 

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