□NEWアトリエ移転プロジェクト□
現在の外観 ■計画概要■

所在地 菊池市泗水町
用途  車庫及び事務所
規模他 木造伝統工法/平屋建て
延面積 147.10m2(44.49坪)程度

種別  リフォーム(納屋再生)






室内のもの
■建物との出会い

この建物との出会いは30数年前。僕が物心付いた時には、この建物はそこに存在していた。当時は、この建物(農家の納屋)も現役として役目を果たしていた。僕はその納屋に遊び場を設け、いろいろな事をしていたことを思い出す。その納屋には色々な物があり、子供にとっては興味津々の秘密基地のような物だった。薄暗い屋根裏部屋、タバコの葉っぱの独特の香り。今ではどれも思い出深い物ばかり。

そんな納屋が、現在は役目を終え朽ち果てている状況の中、父が仕事で使う倉庫として買い取ったらしいのだ。それを聞き、すぐさま現地へ向かう。そこには古ぼけた「物置」が存在していた。ただ、子供の頃は気づかなかった太い柱に太い梁。そしてそれらを巧みに組み上げている大工仕事。あらためてこの建物を見た時、ここをアトリエとして利用できたら・・・。そんな欲望に駆られたのであった。


その想いを父に伝え、半分だけを僕のアトリエとして再生できるようお願いしてみる。親子のよしみで、父にも快諾頂き晴れて新アトリエとしてのプロジェクトがスタートしたのである。

■納屋再生・アトリエ創りにあたり

この再生プロジェクトにあたり基本方針は、「出来るだけ現在の物を使う。」である。築50数年の建物で、現役を引退して10数年が経過している。使われていれば、老朽化にも歯止めがかかったであろうが、使われていない時期が長かったため結構な痛み具合である。それでも柱や梁などの構造材はしっかりとしている。建設当時は当たり前だった土壁も、内部に至っては十分使える状態。これらの物は最大限残し、新しい用途として復活させる。

構造的な補強も、今回はあまり必要なさそう。基礎もなく、ただ石の上に置かれた柱だが、50年間地震や台風にも耐え、現在に至っている。やたらに手を入れれば、これまでとれていたバランスが崩れ、かえって不利に働くかもしれない。

納屋としての建物だったので、当然窓の数は少ない。というより、窓という存在が不要だったのかもしれない。ものを搬入する表側は全て開口、そして反対側は全て壁。そんな感じの建物なのだ。しかし、今後のアトリエとしての用途では窓は必要。風の通り道、光の取り込み。建物上重要な要素となる。この新たな要素を組み込むことで、どうこの建物が変化するのか?それをじっくり計画し、見つめていきたい。

この納屋との出会いから30数年。まさか我がアトリエとして復活するとは思いも寄らなかった。この納屋もそう思っているだろう。この出会いの機会を大切に、新アトリエプロジェクトを成功させたい。そして、完成の暁には地域皆さん・僕を家づくりのパートナーとして選んで頂いた方々の憩いの場となるよう、ソフト面も充実させようと思う。

土壁の状態
小屋裏の小屋組
存在感のある梁
□NEWアトリエ移転プロジェクト□
日付 内容 日付 内容
 2006/09/19 現地調査  2007/01/20 完成間近
 2006/09/27 土間コンクリート  2007/01/24 階段製作
 2006/09/28 解体撤去  2007/01/25 階段据付
 2006/09/30 解体撤去  2007/01/30 外部仕上げ・階段塗装
 2006/10/01 屋根補修  2007/02/06 外壁塗装
 2006/10/02 屋根補修  2007/02/08 間仕切り準備
 2006/10/04 瓦葺き他  2007/02/13 手洗いカウンター他
 2006/10/05 外壁下地組み他  2007/02/19 デッキ床等
 2006/10/07 外壁下地組み他  2007/02/22 本棚作成など
 2006/10/08 内部洗浄  2007/02/25 便器据付など
 2006/10/09 内部下地組み他  2007/03/02 サイン取付
 2006/10/10 電気工事他  ☆再生完了☆
 2006/10/11 外部下地組み・電気工事
 2006/10/13 外部下地組み・電気工事
 2006/10/14 外部下地組み・サッシ取付
 2006/10/15 造作工事・天井下地組み
 2006/10/17 外部シート張り他
 2006/10/18 外部ラス網張り
 2006/10/19 外部ラス網張り他
 2006/10/29 額縁取付
 2006/11/08 断熱工事
 2006/11/09 石膏ボード張り
 2006/11/12 天井・壁下地組み
 2006/12/17 内部造作
 2006/12/26 クロス張り・珪藻土塗り
□NEWアトリエ移転プロジェクト□