お知らせ・ブログ

Instagramもいいけど、Pinterestの方が実践的という話。

2015/02/27

◎Pinterestをご存知でしょうか?

身の回りではInstagramを楽しんでる女子が多いのです、うちの家内も使っていてハッシュタグ付けまくってます。ぼくも一応使っていますが、撮影した写真を気軽にエフェクト掛けるために使っているようなものです。エフェクト掛けたものはFacebookにあげています。同じ写真をキーワードにしたソーシャルネットワークアプリとしては、断然Pinterestをお勧めします。

◎とにかくきれい

instaとpinteを比較すると、出てくる写真の質が全く違います。とにかくpinteは美しい。instaのやり過ぎエフェクトとは比べ物になりません。まぁ、そこがinstaのいいところであり、ウケている理由でもあるのでしょうが。廻りの女史たちがinstaで何を撮っているかいるか見てみると7割ファッション、2割食べ物、残りはその他って感じみたいです。ファッションが大半を占めているところをみると、写真がきれいでヒットする写真の画像が圧倒的に多いpinteの方がいいようですが、そうではない。何度か勧めてみたのですが、使い方が分からな—いという返事。その先は使い方を勉強しようとはせず、やっぱりinstaに戻ってしまいます。

◎そもそもその違いはなに?

Pinterest は、Instagramのようなカメラ+エフェクト+ソーシャルアプリではなく、はてなブックマークのようなブックマークサービス。ネット内にある画像や動画をお気に入りとしてネット上でブックマークするものです。お使いのブラウザにもお気に入りとか、ブックマークという機能があると思いますが、それがネット上でしかも画像や動画に特化したものというと分かり易いと思います。そのブックマークがpinteユーザー間で共有(ソーシャルサービス)されているものなんです。それともう一つの機能がGoogle や Yahoo! のような検索エンジンです。

◎サーチエンジンがいい。

instaでもハッシュタグ#で検索はできますが、pinteの検索は別物です。これを使えるようになると、これまで知らなかった世界がどんどん目に飛び込んできます。これが使えるとと随分な言い方ですが、そんなに難しいわけではありません。

クローゼットで検索すると・・・。

クローゼットで検索すると・・・。



これは仕事中に、ウォークインクローゼットをどんな風につくろうかとアイデアを探していた時に検索した画面です。pinteを使い始めるまではgoogleの画像検索を使っていました。それでも結構お世話になったのですが、こっちは質も量も種類も驚くほどずば抜けています。ただ一つだけこの検索機能にはコツが必要です。そのコツさえ使えばあなたもpinteの恩恵にあずかれるはず。

コツと言っても大それたものではありません。検索する時にアルファベットを使うということだけ。先のクローゼットであれば、Closetと入力する、たったこれだけです。ぼくは、英語ができないので、まず”クローゼット 英語”とgoogleで検索するという一手間ののち、結果に出たアルファベットをpinteの検索窓にペーストしています。ちなみに、日本語で検索すると当然日本語での写真検索しか引っかからないので一気にボリュームダウンします。

◎ほかの検索ワードも試してみる。

リビングというキーワードで検索してみます。あわせて、Livingでもやってみます。

リビングで検索した結果

リビングで検索した結果



カタカナでの結果はこんな感じで、アルファベットだと下のようになります。

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Livingで検索した結果。



一気に英語圏の情報があふれてきます。元々、日本であまり人気が出ていないpinteですから、英語検索の方が優位なのは当たり前ですね。本国アメリカではアパレル系のビジネスモデルとして、ウィンドウショッピング的利用が多いと聞きました。きれいな写真を見ていると衝動買いしたくなるのも何となく分かります。

◎おすすめのキーワード。

最後に、もっともぼくがグッときたキーワドはDIYです。世界中のDIYの写真がいっぱい出てきます。なるほどなぁとDIYの域を超えたクオリティでありながら、自らもチャレンジしたくなるような写真もあります。とにかく写真がきれい。まだ、やったことがないというそこのあなた、是非一度このPinterestにチャレンジしてみてください。おすすめですよ。

 

寒い窓辺はこうやって改修する。

2015/02/23

築50年の平屋戸建て賃貸にて暮らしの実証実験。先日からなんどか記事書いてきましたが、今日はその住宅をリフォームした際、窓周りをどう納めていたかを書いてみます。今回の内容はどちらかというと玄人向けに書いていますので、一般の方には分かりにくい表現あるかもしれません。その時はググってみるか、ぼくに聞いてみてください。

◎大げさに触らない。

築50年の住宅をリフォームして使うといっても、テレビでおなじみのような大掛かりな工事はやりません。というかできませんよね、賃貸なんだから。ただそれでも、少しでも快適に、そして気持よく暮らしたいもの。そこで、今回のリフォーム内容は大きく3つだけにしぼりました。もちろん大家さんへの相談確認、無事OK頂きました。

①床材の無垢化。

②内装塗り壁の色変更。

③開口周りの補強と装飾。

◎なるべくゴミを出さないように。

まずは床の無垢化。不動産屋さんの案内でこの住宅を訪れたとき、床材はいわゆる合板系の薄っぺらいフローリングでした。それでもワックスが掛けてあり、ぴっかぴかに光ってました。

合板系フローリングと既存の状態。

合板系フローリングと既存の状態。



賃貸によくある、退去時のリフォームです。とにかく新しいものに交換、そしてなるべく安くというものです。これをなんとかしたいということで、いつも使っている杉の厚板30mmに交換。と思いましたが、張り替えとなると、今張ってあるフローリングを剥ぐ必要がありますし、その後ゴミとして処分しなければなりません。

もちろん剥ぐにも、ゴミ捨てるにもお金が掛かるので、張り替えをやめ、杉板を8mmくらいに加工してもらい、現在のフローリングに増張りすることを選択。敷居とか、扉の下端とかの調整はありましたが、見事狙い通りに増張りできました。

たたみ敷きの2部屋はたたみを処分して、ここには杉の厚板30mmを張りました。あらためて踏み比べると、厚板の方がやぱり気持いいですね、当然といえば当然です。ゴミの量を減らす、手間を減らす意味ではこの増張りはいい方法でした。

◎色は重要な環境要素です。

人それぞれに好きな色、嫌いな色あると思います。色を決めるとき、折角塗り替えるならちょっとポイントでとか、テレビや雑誌のようにかっこ良くと、濃い色を選ばれることよく見てきました。おしゃれなショップや、飲食店でも濃い色が使われているところ多いです。いいなぁと思われる方も多いと思いますが、濃い色はきちんと考えて塗らないと失敗します。

なにが失敗になるかというと明るさです。濃い色は光を吸収してしまい、同じ明るさにも関わらず暗く感じてしまいます。反対に白い色は光を反射し、少ない明かりでも明るく感じさせてくれます。

壁塗りは家族で楽しめます。

壁塗りは家族で楽しめます。



好きとか嫌いとか、かっこいいとかかっこわるいとかの感覚とは別に、明るさの違いを感じるのには、色が薄い濃いというのが影響するということです。そういうことなので、もちろん真っ白に塗り替えました。夜の照明のあかりはもちろん、曇りや雨の日でも明るく光を反射しています。

◎簡単で効果的、開口部の補強。

そして今回のリフォームの目玉、地味ですけど開口部の補強です。今あった開口部はさすがに築50年、なかなか大胆な隙間と、ペラッペラなガラスに、これまたぺらぺらなアルミ枠。断熱なんて全く期待できないものでした。よくも前の人はこの状態で暮らせたなと変な関心をしました。

サッシの上にはカーテンレールがセットされています。ここにカーテンが下げてあったのでしょう。カーテンが好きじゃないという人はだいたいここでブラインドとか、ロールスクリーンを選ぶんですが、うちの場合はやっぱり紙障子です。普段から使っているので、その性能や雰囲気も一番分かっています。

ただ、障子を取り付けるにはそれらを走らせる敷居や鴨居、それにタテ枠(方立て)が必要です。それらをどう納めるかで、性能にも見た目にも大きく影響してきます。今回のリフォームでは、既存サッシとの取り合いに注視して枠材を加工し、現場に取り付けました。

◎既存サッシと枠の取り合い。

既存の押し入れ枠との取り合い。

既存の押し入れ枠との取り合い。



右手に見えるのが今回追加した障子と障子枠です。その上にアルミサッシが見えますが、欄間付きのサッシでした。この部分は天井に近い部分なので、冬場のダウンドラフトは気にせず、夏場に解放できるようにあえて障子は設けませんでした。

思った通り、冬場は問題なかったです。で、左手に見えるのが既存の押し入れ。障子枠がついた分、押し入れのふすまは最後までしまっていません。ただ、見た目には引き違いなのであまり分かりません。時代のついた押し入れ枠と、真新しい障子枠のコントラストがリフォームならでは。

押し入れ内部から。

押し入れ内部から。



押し入れの内部からの様子です。写真中央の入隅に縦に見えているのが、元々の押し入れタテ枠です。その手前が化粧で張ったラワンベニアで、その手前が新規の押し入れタテ枠です。だいたい130mmほど押し入れの出し入れ範囲は狭くなったのですが布団の出し入れには問題なしです。

障子枠の足下、敷居の様子。

障子枠の足下、敷居の様子。



ここの床が既存フローリングに増張りしたところです。なので、敷居も床の上に乗っかっています。掃き出し窓といいますが、現代では外に箒で掃くことなんて無いのでこの段差は問題なしです。外部にデッキなどがあり室内と繋がる場合には床にあわせた方がいいかもしれません。あるいは、腰掛けれるくらい高くしても面白いですね。

押し入れ枠と掃除枠の関係。

押し入れ枠と掃除枠の関係。



押し入れ、障子共に開け放った状態です。大工さんの気持ちが伝わってきます。右手サッシの上部入隅には隙間が見えます。クレセント掛けた状態でこの有様。障子なしではダウンドラフト以前にすきま風がすごかったはずです。

ふすまと障子。

ふすまと障子。



障子枠分だけ、ふすまのタテ枠の位置がずれてます。こんなところにドキッとするのはマニア過ぎますか(笑)。

間仕切りふすま戸と障子。

間仕切りふすま戸と障子。



こちらは、部屋の間仕切りになるふすま戸(写真中央)と隣り合った部屋の障子窓の様子です。

サッシ現しの状態。

サッシ現しの状態。



この三方からふすまや障子が取り付く枠。実は内部は空洞になっていて、3枚の枠材がくみ合わさって柱状に見えているだけです。取り合いの出隅部分をピン角で納めないのは、ぼくのただのこだわりです。留が好きな人は留でもいいと思います。

鴨居の状態。

鴨居の状態。



既存の鴨居にしっかりタテ枠が取り付いています。

玄関ドア。

玄関ドア。



こちらは番外編。玄関ドアです。廻りのタイルの雰囲気、縁取られたアルミの部分を見てもらうと分かる通り、The60’sといったニオイがぷんぷんします。もともとついていた扉もそんな雰囲気だったので、それもいいかなと思いましたが、やっぱり建て付けが悪くなっていたので、スギの板戸に交換しました。

で、いつか試してみたかった荒材での仕上げに挑戦。毛羽立った板の雰囲気が何ともやさしい。変化を楽しむために塗装もしていません。どんな風に成長するか楽しみです。

見えるかな?

見えるかな?



もうちょっと寄れば良かったのですが、板材の毛羽立ち見えますか?もうちょっと荒々しく毛羽立っていても良かったのですが、建具屋さんが遠慮して磨いてくれてました。築50年のペラペラアルミ枠を残して、扉だけを差し替える今回の方法も十分使えるやり方でした。既存枠に、ビス穴とか傷とかは残りますが、それすら愛おしくなります。

◎やっぱり面白いリフォームは。

いかがでしたか、自宅のリフォームの開口部廻りに特化して書いてみました。本来であれば断熱改修も含めてやれればなお良かったのですが、さすがにそこまでは賃貸に投資できませんでした。これが持ち家のリフォームであれば、ものすごく快適な健康住宅に生まれ変わっていたでしょう。たった、紙障子を追加しただけでこれだけ暖かくなったのですから。いやーほんとリフォームって面白い、大げさなものでなくても、アイデアと暮らし方の工夫で楽しさ倍増になるんです。

 

戸建て賃貸がおもしろい。

2015/02/17

空き家対策の実情

ちまたでは、空き家対策として地方自治体や、業界団体がリフォームを施し、リノベーションした建物をいろんな使い方で蘇らせているようです。テレビや雑誌でもそういったニュースを良く目にするようになってきました。

うちへのリフォーム相談件数も増えてきていますが、あくまで個人住宅なのでそれら空き家対策のリフォームとは性格が違っています。個人住宅のリフォームはそれによって、そこに住まう人たちが直接的に幸せになれますが、空き家対策の活動は、ボランティアの域を出ていません。話題にはなりますがなかなか活動の巾が広がっていないようで、やはり継続的に活動し続けることのできる経済性が必要なようです。

そんな中、戸建て賃貸の計画が浮上してきました。集合住宅は経験あったのですが、戸建てタイプは未経験。とは言うものの、僕自身が今住んでいるのは戸建ての賃貸です。先日のブログにも書いた通り、家族6人が20坪を切る平屋の戸建て賃貸で快適に暮らしています。

築50年、小さな家の実証実験

その結果、戸建て賃貸には大きな魅力があることに気づかされました。普段、小さな家というキーワードで新築を設計していますが、最初から小さな住宅、しかも賃貸という限られた範囲でしかリフォームできない環境下でも、心地よい住まいはつくれる。そんなことを体感したのです。

戸建て賃貸を整理すると

仕事としての戸建て賃貸の計画ですから、世間での状況を調べてみました。圧倒的に集合住宅タイプが多いのですが、戸建てタイプには一定量の需要があるようで、しかも、ちょっと供給不足気味であることも分かりました。多額の資金を必要とする集合住宅タイプより、投資額低めの戸建て賃貸の方が出資者にとってはリスク少なくいけそうです。今回の計画用地では、その借り主となるターゲットも明確で十分な利回りも確保できそう、ただやっぱり家賃設定が肝になるようです。賃貸業として収益をあげるためには、基本的に方法は2つだけ。

①建設コストをおさえる。(低家賃)

②家賃を高く設定する。(高コスト)

二つとも利回りをよくする方法ですが、二つ同時にとはなかなかできません。建築的には①はローコスト型建築、②は付加価値型建築です。賃貸事業としては、収益が上がればどちらでもいい訳ですが、仮に同じ利回りであれば②を選択し、地域社会へも戸建て賃貸として貢献していきたいもの。エネルギー消費が少なく、地元材をふんだんに使った地産地消の建築、そしてそれらをまとめあげる美しい飽きのこないデザイン。そんなことをコンセプトに計画を進めています。

面白そうな物件を発見!

計画を進めながら、不動産情報をネットサーフィンしていると、こんな物件を見つけました。

450万円の戸建て平屋の中古住宅

450万円の戸建て平屋の中古住宅



熊本市内、場所は北区龍田1丁目。幹線道路からちょっと入ったところで、自然が豊富な静かなロケーション、近くを流れる白川は散歩するにはちょうど良さそうな場所でした。広さはよく確認してませんでしたが、おそらく20数坪。そんな中古住宅が450万円で売りに出ていました。現地を見に行ってきましたが、写真の通りあんまり手入れされてないらしく、なかなか鬱蒼としています。

一般的には安くても売れにくい物件なのかも知れませんが、草木は剪定したり、除草するだけで随分すっきりするはずです。建物の方も単純な平屋の四角い建物なので、手を入れるのも比較的簡単です。おそらく間取りもシンプルなので、そのまま使えるのかなと思います。ここに、450万円掛けてリフォームして、税金などをあわせて1000万円で事業計画を立ててみても、なかなか面白そうでした。状態が良ければ450万円もリフォーム代掛けなくてもいいかもしれません。そうなると益々事業性はアップできそうです。

新築でもリフォームでも面白い

賃貸戸建てを新築で、あるいは中古住宅を購入+リフォームでと、どちらも賃貸事業として今後面白い計画になるのではないかと考えています。小さな家を得意とするからこそ、この戸建て賃貸という収益物件にもチャレンジできそうだなと、今回の計画で実感しました。今後、積極的にこの戸建て賃貸にも取り組んでいこうと思います。もし、お考えの方・詳しく聞いてみたいと思われる方は、いつでもご連絡ください。資金のこと、不動産のこと、それぞれの専門家とともにサポートして参ります。

賃貸事業に興味ある方、質問や相談はこちらをクリック

 

緑が入ると家になります。

2015/02/13

暦の上ではもう春なんですね。昨年末に引き渡しが済んでいた住宅の植栽工事が進んでいます。やっぱり緑が入るとそれまで建物だったものが、一気に家へと変化していきます。まだ新緑の季節ではないので、芝や木々たちも茶色ですが、完成を控えた植栽工事をご覧ください。

道路からのアプローチ

道路からのアプローチ



赤いポストが見えますね、あの脇が玄関です。右手の一段高くなったところが中庭です。手前が駐車スペースで、その先に河砂利が敷かれています。中央でカーブを描いているのは飛び石の設置場所。

中庭は

中庭は



中庭です。こちらは植栽でなく石張りになります。コンクリートの下地がつくられていますが、外周部と中央部に隙間が空いています。この部分で雨水の排水が促されます。石も風合いある感じのいい石です。

玄関脇の緑のスペース

玄関脇の緑のスペース



玄関脇にメインとなる緑が配されています。玄関ホール足下にある滑り出し窓からもれる明かりが、夜の帰宅を緑越しに迎えてくれます。

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道路沿いにも緑を



道路側にはフェンスやブロックなどの囲いはありません。街に対して開いたレイアウトになている今回の住宅。直接窓へ向かいがちな視線を、手前に置いた緑に向かうようにちょっとボリュームを持たせています。

車庫廻りには板塀

車庫廻りには板塀



隣地境界には板塀がつくられました。隣のお宅のリビングがちょうどこの位置あたり、窓を開け易いように目線を外しています。車庫も木造っぽいですが実は鉄骨造なんです。

鉄骨から木がニョッキと

鉄骨から木がニョッキと



黒く塗られている部分が鉄骨です。建替えだった今回の計画、鉄骨にスレート葺きの車庫もついていました。

リニューアル前の車庫

リニューアル前の車庫



こちらが元々あった車庫です。立派な鉄骨造でしたが、工事中にクレーンのセットとか重機の出入りに支障ありでした。ぶつけて壊してからでは遅いので、鉄骨の母屋を途中から切断しました。その部分が先の写真です。ぽっかりと空いた母屋の口に、角材をぴったりサイズに製材してもらって車庫のリニューアルです。いい感じで仕上がったと思います。

鉄骨だからこそ

鉄骨だからこそ



車庫の脇には外洗い場があります。洗い場に欠かせない亀の子タワシがかわいくぶら下がってました。鉄骨の柱なので、磁石付きのフックが張り付いています。こんな風に使われ続けると車庫もうれしいでしょうね。確か築30年?くらいだったと思います。予想を超える仕上がりに誰もがいいね!という車庫でした。

今日明日でこの植栽工事も完了予定です。室内にちょっとだけやり残しの工事があるのでそれを月末に予定しています。それが済めば、新緑芽吹く頃に写真撮影。予約制の拝見会も予定していますので、ご期待ください。

FAD建築事務所では、敷地と近隣、そして外部空間との繋がりがその住宅の心地よさを左右すると考え、プロの造園家に協力を頂き、お客さまと直接契約いただいています。

有限会社 山口農園 担当 山口隆司さん
熊本市東区戸島西7丁目4-5
096-367-0092

 

質問者Pさんへ返した回答は発想の転換だけ。

2015/02/10

仕事柄、いろいろな家づくりのポータルサイトに登録しています。家をつくりたいと考えた方が、そのパートナーを探したり、相談をしたりできる、家をつくりたいと願う素人と、仕事を受注したいと考える専門家をつなぐサイトです。僕ら専門家の方は、そういった方々との出会いの場として登録参加しています。基本的に登録は無料なのでいくつかのサイトへ登録しています。そういったサイトからの受注はまだ経験ありませんが、マイナスになることもないだろうとそのままにしています。

そのままにしていると言っても、サイト側からはいろいろなアプローチがあります。御社営業地域でこんな案件が出ていますとか、実績写真などの登録を更新してくださいだとか。これらアプローチにはあまりかまっていませんが、質問や相談ごとにはできるだけ答えるようにしています。先日もあるポータルサイトをご利用のPさんから、こんな質問投稿がありました。質問サイトに相談事をあげると、それを見てる専門家がアドバイスしてくれます。

いつまでも悩んでいるより・・・。

いつまでも悩んでいるより・・・。



「予算2000万円でこんな家建てられますか?」

内容を見てみると、面積も大きいし建物の仕様も結構グレード高いです。いろいろ調べられているようで、構造についてや断熱について、内部や外部の仕上げ材料についても細かく書き込まれています。条件の中に出てくる「展示品でもいいです」とか「総2階建てでかまいません」とか「無垢材は欲しいけど節ありでもいいです」などのコメントからも、予算的に厳しいだろうというのはご本人も気づかれている様子です。

これ、よく目にする質問です、ということは多くの皆さんが同じような不安を抱え、家づくりを始めようとされているということ。どうしたら理想の家が安く予算内で建てることができるか。もっとも基本的な部分だろうと思います。

でもちょっと待ってください。これまで多くの方の家づくりに参加してきましたが、この部分は信頼できるパートナーを見つけてからの方がいいようです。えーって声が聞こえてきそうですが、実は質問者さんが本当に欲しい返事は、「断熱材はこれがいいですよ」という答えではなく、「あなたにはこれがピッタリですよ」という、あなたの立場に立ったアドバイスではないでしょうか。

予算2000万円とあります。この2000万円の根拠はなんでしょう。ご自身の年収からまぁこれくらいならとか、今の家賃から計算するとこれくらい借りれそうだななど、中にはローンシミュレーションを駆使してこの予算をはじき出されているかもしれません。しかしそこには大きな落とし穴があります。それはあなたがお金のプロでないこと。いくらシミュレーションをやってみてもそれが正解かどうかなんて分かりませんよね。これくらいかなって感じだと思います。

断熱材は高性能なポリスチレンフォームで、外張り断熱がいい。仕事で疲れているのに、夜な夜なネットサーフィンしていろいろな家づくりサイトでいいものを探して回る。これだと思ったものもあるけど、もっと他にないのかなとまたまたググってしまう。結局不安は拭えないまま。

メンテナンスフリーがいいと外装や屋根の材料をやっぱりネットサーフィン。調べてるうちに自然素材などというキーワードが目に入ってきた。気にはなるけど、メンテナンスが不安。

結局、いろいろ悩んで調べてみても結論は出ず、ただただ時間だけが過ぎて、不安は残ったままです。なぜそうなってしまうのでしょう。お気づきの方もいらっしゃるでしょう、そう、全体が見えないからです。プロとアマチュアの違い、それは全体が見れるか否かです。アマチュアの場合どうしても気になる部分だけに意識が集中してしまいます。プロは全体を見ることで諸条件のバランスをとってベストを選んでいきます。

ベストが選べるということは、あえてアンバランスにすることも可能ということです。例えば「床材は吉野スギの無節で赤白がきれいなもの」とっても贅沢で、全体予算から考えるとものすごくバランスの悪いチョイスです。でも、全体が見えていれば、その分のコストアップをどこでカバーすることができるかと分かるのです。つまり、選択の幅が広がるってことです。この判断はアマチュアではなかなか難しいと思います。

◎餅屋は餅屋

では、我々家づくりのプロに相談すればすべて解決するのか?はいっ!と答えたいところですが、我々でも知り得る知識や情報には限度があります。お金のことであればファイナンシャルプランナーやモーゲージプランナー、保険であればその分野の方、土地のことなら不動産屋さんなど、建てた後では固定資産税や相続税などで税理士さんの力が必要かもしれません。我々家づくりのプロは、それらの情報や知識を広く知っています。多くの家づくりに関わるので自然と身に付いていきます。でも深くはないのです。金利や税法など刻々と変わっていきますし、国家資格を有してそれらの問題を解決している専門家に我々がなれるはずもないのです。

◎解決を目指すことと、楽しみむことは別。

楽しい家づくりです。自分でいろいろ調べたり、間取りを考えてみたり、どんな断熱材があるのかリストアップしてみたり、どれも時間はかかりますが自分たちの家づくりのことなので楽しいことです。この楽しさは絶対味あうべきです。しかし、そこで結論を出そうとしないでください。解決や結論を求める場合は専門家を利用した方がいい。その道のプロに自分たちの状況や夢を打ち明け、その中でのベストを導きだしてもらう。一人一人のベストはバラバラです。あなたにぴったりの家をつくるためには、そういった行動も大切だと思います。

こんな風に質問者Pさんにもお答えしました。その後、参考になった!のアナウンスが来たので、いい家づくりになるのではと思います。今回書いたことは家づくりスタート時における発想の転換です。あなたも、いい家づくり目指すなら早めにパートナーを見つけてくださいね。

いいものは長く使われ、そして愛され続ける。

2015/02/9

先月末にFAD建築事務所のWEBサイトをリニューアル公開し、あわせてうちの新しいサービスも同時に公開しました。リリースして一週間が経ち、サイトへのアクセス数は順調に推移しています。新サービス「暮らしバコ提案セット」の方は、先月末に広告をして、そこからのご依頼はまだ届いていませんが、以前からご予約いただいていた計画が本日よりスタートしました。リフォームの計画ですが、なかなか手強いものになりそうです。

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木製の窓や竿縁天井がかわいいらしい。



少なくとも築60年は経っているはずです。戦前なのか、戦後なのかが微妙な感じです。基礎はほとんどが石場建てで、一部ブロック基礎に変更されています。床下に潜ってみると、土のままの土間が広がっていて、床組に使われている木材も寸法がそろった規格ものではありません。全部バラバラです。それらを一つ一つ調査するのは至難の業でしたが、午前中に事務所へ戻ってきました。ものすごい冷え込みと、容赦なく吹き付ける冷たい風に心折れそうにもなりましたが、楽しみなリフォームになるので奮起しました。

同時に、屋外では整地作業も進んでいました。実はこの建物、鬱蒼とした竹や雑木の中に埋もれるように建っていた平屋のお家。しかもその敷地面積が700坪。竹や雑木の伐採や除根、そしてやっと整地まで進んできたというところです。整地作業の方に声を掛けると、「寒かねー」といいながらも笑顔で返事いただきました。やっぱり笑顔は気持ちいいですね。いろいろ話していると何やらビニール袋を持ってきてくれました。

タケノコの新芽。小さくて可愛らしくて、美味しそう。

タケノコの新芽。小さくて可愛らしくて、美味しそう。



「タケノコの新芽だけん」と、除根している時にちょこちょこ出てきたそうです。まだ全然土から顔を出していない可愛らしいタケノコちゃん。早速頂こうと思いますが、しっかりと調理方法をリサーチして美味しく頂こうと思います。

入母屋の和風な住宅だけど、こじんまりしていてなんともいい感じのボリューム感。

入母屋の和風な住宅だけど、こじんまりしていてなんともいい感じのボリューム感。



青空でポカポカに見えますが、屋根の上は風が容赦なく吹き付けてフラフラでした。屋根勾配も4寸くらいあるので、なかなかのへっぴり腰になっていたと思います。内壁・外壁共に基本新壁で土壁、どう断熱と気密を確保して、温熱環境を整えていくか。もちろん、構造的補強も必須です。幸い雨漏りなどは大した被害もなく、あれだけの森の中に建っていたわりには、シロアリの被害も今日は見当たりませんでした。

そんな基本的住宅の性能を確保した上で、今後住まわれるクライアント家族がずっと心地よく、楽しく暮らせるような家をデザインしていきます。先日、そんなクライアントの暮らし方についていろいろなお話を聞きました。アンティークが好きだと言うのは前からも聞いていましたが、その真意がただの趣味思考ではないのだということに気づかされました。

◎いいものは長く愛され使い続けられる。

これこそがアンティークであり、そうでなければアンティークとして名乗れないのだと。こんな風に直接お聞きしたわけではありませんが、クライアントのものに対するやさしくも強い想いを感じ取りました。この家も中古として買い求められたものです。直接の繋がりがあったものではないそうですが、自分たちの家として手にされました。

これから3週間、そんなリフォーム計画のプレゼンテーションを成功させるべく、計画を進めていきます。結果はまたその後にアップしようと思います。どんな提案ができるか楽しみです。

 

 

楽しいドライブだったはずなのに・・・。

2015/02/9

久しぶりに次女だけを連れて家内と3人ドライブに出かけました。冷たい風がきつくなかなか寒い出発でしたが、車の中は日差しがある分ポカポカ、晴れててくれたのが救いでした。

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ほかの子供たちは何をしてるのか。



 

目的は雪のある場所。とりあえず阿蘇を目指しました。そりを積んで、滑れるところを探してみましたが、なかなか見つかりません。寒い寒いといっても今年はまだ本格的な雪を見ていません。きっとこのまま市街地での雪は見れないかもですね。

お昼過ぎてしまいました。お腹すいたという次女のためにローソンに立ち寄りました。白水村にある駐車場ちょっと広めのローソンです。お気に入りのおにぎりを買って、ご機嫌な娘。後は雪だけなのですが、已然見つけることができず、ドライブは続いていました。

ちょっと退屈してきたのと、お腹いっぱいになったこと、そしてポカポカの車中に、程よい振動。あっという間に娘は寝てしまいました。そんな娘を見ていると、なんだかこっちまで眠くなってしまい、車を止めて一緒に寝ちゃいました。家内もいっしょです、まぁこんなドライブもいいです。

どれくらい寝たんでしょう、最初に僕が目覚めたのですが、そこが一瞬どこなのか分からなくなりました。皆さんも経験あるでしょう、起きてここどこだってこと。そんな感覚でした。家内も目覚めたようです、娘はまだ寝ています。起こすのも可哀想なので、家内と二人でどうでもいいことをしゃべっていました。

なにかとんでもないことが、

どうでもいいことを家内にしゃべっていると、全然笑ってくれずどちらかというとむっとしてます。そんなにつまらねーかとぼくもムッとして、「何っ?なんかいけないこと言った?」家内はまだムッとしています。そして「いや、そうじゃなくて大丈夫?」って青白い顔をしています。どうしたの?と聞くと、あごを僕の頭の方、いや頭の後ろの方にツンツンと動かしました。

えっ?と、そのあごの先に手を回してみると何かに触れました。そして、その手の先に顔を向けるとそこにあるはずのない、というよりあってはならないものがあります。何となく気づかれたと思いますが、幽霊でした。それも小さな女の子。

それでも、

ただ、ビックリしたのは一瞬で、不思議なことにあまり怖いという感覚はありませんでした。小さな女の子の幽霊であるのは間違いなのですが、よくよく見ると至って普通の少女なのです。そんな見た目から恐怖心もなかったのかなと思います。娘と同じくらいだったからかもしれません。そんな娘はまだぐっすりです。

家内もそれ以降、あまりしゃべらなくはなりましたが、ただ騒ぐでもなくじっと見つめています。ぼくは、なんだかその子が可哀想になり、こんな風に声をかけてみました。その子が幽霊だと分かっているのにです。

「ねえ、お母さんたちはどこなの?」一緒にいて不思議でない年齢だし、きっと一緒に事故かなにかにあってこの場にいるんだと感じたのでしょう。少女は黙ったままです。そっと頭をなでてやると、少女は不思議そうに僕の方を見つめています。言っていることは分かっているようですが。

すると、パッと少女の背後の風景が変わりました。そしてその風景は、どうも部屋の中のようです。しかも少女の部屋のようでした。後ろのドアがゆっくりと開き、お母さんらしき女性が小女に声をかけていました。「○○ちゃんどうしたの?」するとその少女がこう答えました。

「やさしいおじちゃんがいるの。」

「何いってるの?」とお母さんは不思議そうです。どうもぼくらが見えていないようです。幽霊からは僕らが見えないのかぁーっと思った瞬間っ、はじめて気づきました。目の前にいる少女とお母さんは現実の世界の人たち。そして少女へ優しい言葉をかけてる僕の方が違う世界の人間。

お母さんにはそんな僕らの姿は見えてなかったんです。でも、少女には見ていた。気付いていなかったのは僕らのほうだったんです。

このブログ書きながら、すごく怖かった。でも、朝目覚めてこれが夢だったと分かった時、本当にほっとしました。周りには次女も長女も家族全員が当たり前にまだ夢の中。そんな幸せを忘れないためにも、このブログ書いてます。こんなオチですが、怒らないでくださいね。

 

フラット35の金利優遇をいかすために気をつけておくべきこと。

2015/02/7

先日、ずっと固定金利の住宅ローンフラット35からこんな案内がありました。この件に関して何人かのかたから質問ありましたので説明しておきます。詳しくは下記リンクで見てみてください。

金利引き下げ幅を拡大

ご存知の方も多いと思いますが、フラット35Sでは当初数年の間金利を一定の割合で割引してくれていました。それが、このたびの平成26年度補正予算の緊急経済対策によりその金利優遇率が拡大されました。

これまで当初5年間が0.3%の金利引き下げであったのに対し、倍の0.6%引き下げられます。これがどういうことか実際の借入を想定してみるとこうなります。

借入額  2500万円
適応金利 1.50%
返済期間 35年

この条件の場合、これまでは当初5年間の金利が1.50-0.3=1.2%であったものが、今回の優遇拡大で1.5%-0.6=0.9%ということになります。つまり5年間は0.3%の金利分これまでより返済額が少なくなるということです。実数にて計算してみます。

元利均等方式で算定すると、当初5年間の金利合計はそれぞれが、1.2%の場合1,413,476円で、0.9%の場合1,055,743円になり、その差額は約35万円。さらに、フラット35SにはAタイプという基準がありそれをクリアすると、当初5年間という期間の縛りが、当初10年間へと優遇期間が延びます。元利均等なので、35万円の倍の70万円にはなりませんが、何れにしても金利でそれだけ支払い額が減るわけですからうれしいですね。

札束

借り入れの審査について



金利の低下で返済額が減る、当たり前のことですが、手放しで喜べるわけでもありません。ここからが意外とご存知でない借り入れ可能額についてのお話です。今回質問頂いたのも、このことでした。

◎借入可能額を算出してみる。

現在のフラット35の最低金利は1.370%とのこと。この金利で借り入れ可能額をいくつかのパターンで算出してみます。フラット35のホームページにシミュレーションがあるので詳しくはそちらで。

毎月の返済額から借入可能額を算定した場合
11.6万円/月の場合3,868万円になり、

年収から借入可能額を算定した場合
年収400万円の場合3,890万円になります。

シミュレーションでここまで簡単にできるのですが、この金額が借りれるかどうかは、これだけでは分かりません。実際には返済比率というチェックをクリアする必要があります。返済比率とは、年間のローン支払額を年収で割ったもので、フラット35の場合30%〜35%で設定されているようです。では、先ほどの借入可能額と年収からこの返済比率をチェックしてみます。

毎月の返済額11.6万円×12カ月=139.2万円(年間の支払額)
139.2万円÷400万円=34.8%

借入額3,890万円の場合毎月の返済額139.9万円
139.9万円÷400万円=34.9%

どちらも、返済比率30%の設定でいくとアウトになり、35%でもギリギリのラインであることが分かります。つまり、この返済比率こそが審査基準のボーダーラインということです。ここでは、単純に新規の住宅ローン分だけで年間支払額を算出していますが、実際の審査は他の借入があれば、その分も支払額に合算しなくてはなりません。例えば、スマホの機種代で3500円/月(年間45,500円)あった場合は、139.9万円+4.55万円=144.45万円になり、返済比率は36.11%で35%をオーバーしてしまいます。

◎現実味のある返済金額から借入額を決める。

現在の家賃が8万円だった場合、その8万円を返済額に設定すると、年間返済額が96万円で返済比率も24%となり審査はクリアです。では8万円でどれだけ借りれるのか、1.37%35年払いの場合2,667万円になります。この金額が簡単に判断できる借入可能額になるでしょう。

ただし注意も必要です。実際はその後の老後などの積み立てや、子供たちの教育費など、これまでにはなかった支出も出てきます。本当に安心できる借入可能額はもうちょっと詳しいシミュレーションをやったほうがいいですね。自力で詳細シミュレーションもフラット35のサイトでダウンロードできますので、チャレンジしてみることをお勧めします。面倒だという方は、ファイナンシャルプランナー(住宅ローンの専門家)などに相談してみるのも手です。

◎フェアな判断のできる相手を探しましょう。

金利低下+優遇という何ともうれしい時期だからこそ、しっかりと自分たちにあった資金計画を進めましょう。うちではそういったご相談にも、各専門家とのタイアップでフェアな判断かできるようにしていますので、お悩みの際はお問い合わせください。

土地を探す、間取りを考える、インテリアを思い浮かべる。それらより先に資金計画をしっかりやり、後悔のない楽しい家づくりをスタートしましょう。

 

たたみとソファーとテーブルと。

2015/02/3

問題の整理

住宅設計では、食事の支度→食事→食後のくつろぎというのがオーソドックスな流れとして存在します。今回もまた、そんな家族のくつろぎを想像しながら計画を進めています。もちろんシンプルにコンパクトに、広さはいつものようにそのご家族にとって広すぎないものを提案していますが、解決しなければならない問題が残っています。日本の住まいではよく見かけますが、リビングの中のたたみの間がそれです。今回の計画では、そのたたみの間を食卓に近い位置でレイアウトしたいとのご要望がありました。

なにが問題なの?

特別なことと思われない方が多いと思います。当然ですね、よく目にしますもんねこの間取り。でもこのレイアウトはあまりきれいな空間ではないとぼくは思っています。一番の問題は食卓に座っている人と、たたみに座っている人との目線の高さが合わないこと。こんな経験ありませんか?親戚が自宅に来た時、あるいは親戚のうちにお邪魔した時、一緒に食事をとる。そのとき、たたみに座ってる人は椅子に座ってる人を見上げなければなりません。距離が近ければ尚更です。しかも、いすテーブルの人の足下まで目線に入ってきます。みんなで集まっての楽しいイベントですから、どうせなら目線を合わせておいしい食事をしたいものです。

その解決方法は?

よく使われる方法としては、たたみの間を小上がりにすること。35cm〜40cmほど床からあげておけば、椅子に座っている人とほぼ同じ高さの目線が確保できます。ただし、その時だけのために小上がりをつくるのは勿体ない。普段から利用できるもの、利用し易いものでなければつくる意味がありません。たたみの間というくらいですから、廻りには板の間(フローリング)が広がっているはずです。そうなると、同じリビングの中でのバランスが悪くなり、バランスをとるためにはフローリングの広さ、たたみの間の広さをある程度確保する必要が出てきます。

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たたみの間の使い方



今回も、食卓テーブルがあり、たたみの間があり、フローリングがあります。そのままでは、先に書いたようにそれぞれの間隔を広げて、それぞれがある程度独立するようなレイアウトが望ましいところです。でもそれでは、面積はどんどん広くなり、その分費用もかさみ、暮らし始めてからの光熱費も増え、メンテナンスを必要とする範囲も増えてしまいます。それでは、せっかくうちに設計の依頼を頂いたのに勿体ない。考えた結果がうえの画像です。

たたみとソファー。

ご覧いただくとお分かりの通り、結構コンパクトに台所・食堂・居間(たたみの間と板間)が納まっています。それぞれの間隔もかなり近いです。ちなみに、たたみの間は約4帖。その中に、テレビ台と3人掛けのソファーが配置されています。たたみは小上がりではありません。ということは、食卓との高さのギャップは?となりますが、今回は窓側に置かれたソファーがそれを解決してくれました。ソファーと食卓とは相性がいいです。「たたみの間があるからソファーを置くのはあきらめます、ほんとは欲しいんですけどね」とご依頼いただいた時におっしゃっていたのが頭の中に引っかかっていました。どうにか叶えられないかと考えていたら、こんなところに解決策が出てきました。通常新築でたたみの上にソファーはレイアウトしません。たたみにも置けるソファーとして売ってあるものもありますが、デザイン的に限りがあります。

ちょっとだけ常識を外してみる。

そこで、たたみの間を4帖の広さに見えるように配置して、ソファーを置く床は板張りにしました。どんなソファーを持ってきてもいいように。それともう一つ、ソファーとたたみの関係を整理する方法として考えたのが、たたみをラグとして考えること。ソファーの足下にラグを引くと、ぐっと空間的まとまりが出てきます。そのラグの代わりがたたみというわけです。足触りはすこぶるいいし、もちろんそこに座ることもできる。ソファーに寄りかかっても、ソファーが壁際にあることでずれたりもしません。人数が集まる時はちゃぶ台を出せば、そこで食事もとれます。なかなかよく纏まったともいます。

あとはこの案をお客さまに見ていただき、了解いただければ細部の検討に移っていきます。ぼくの想像がお客さまの心の奥底に繋がっていれば、「おぉソファーが入ってるー」と喜んでもらえるはずです。さて、どうなることでしょう。今週中にはまとめてご覧いただこうと思います。

 

築50年、小さな家の実証実験。

2015/02/2

公営住宅での暮らし。

昨年の9月まで、結婚してのしばらくから約15年間、アートポリス参加の公営住宅に住んでいました。設計は坂本一成さん。公営住宅であったためか、キチンと3DKの間取りになっていました。駐輪場から4層を貫く外部吹抜けや、玄関から伸びた長い廊下、居間と食堂に繋がる6帖強のベランダ。一つ一つはあっというものばかりでしたが、それらがすごくシンプルに美しく納まっていました。強いられたデザインはなく、どれもこれもオーソドックスなものばかりです。ここでの15年間の暮らしは、ぼくの住宅に対する考え方に大きな影響を与えました。ここで長男が生まれ、4人の子供たちが成長してきました。窓がいっぱいあって掃除が大変だったり、結露に悩まされたり、なにより寒かった。しかし、それら問題を解決しながらの生活は、鉄筋コンクリートであり、街中の生活であるにもかかわらず、心地よい田舎暮らしというか豊かささえ感じていました。建築物そのもの力もあるでしょうが、それだけでなく、そこに暮らす工夫というか、そういうものとリンクすることで発揮されるた感覚だったのかもしれません。その証拠に、リンクできなかった他の住人からは酷評もいっぱいでした。

引っ越しをせまられる。

昨年になり、退去の努力をという通知が届くようになっていました。いよいよ出なければいけないかと考えてはいたのですが、次の住まいを準備しなければなりません。いよいよ新築の自邸かとも考えましたが、いまいち気持ちが乗りませんでした。持ち家に今もですがあまり興味がわかないんです。長い賃貸生活で、普通は持ち家に気持ち移りそうですが、賃貸であるからこその暮らし方への工夫、その楽しさを知ったからでしょうか。なにか、暮らしの中にも条件があって、それをクリアしていくことから、豊かさが生まれるような、そんな感覚です。家族に言ってもなかなか理解推奨はないですが、まんざらでもなくそんな暮らし方になじんでいるようです。

戸建て賃貸を借りる。そして暮らしを整理する。

そんな感じでしたから、持ち家計画は検討もせず、賃貸物件を探し出しました。やっぱり住み慣れた近所がいいのであたってみると、意外と貸家が多いことに気づかされます。ただし、長屋形式のも(広い敷地に戸建ての住宅が数棟並んでいるタイプ)が多い。あれはいけません、暮らしが内にこもってしまってせっかくの戸建てが台無しです。そんな中、元の住まいから歩いて10分、子供たちの通学路からちょっと入ったところに良物件を見つけました。普段からお付き合いしているオフィスオレンジさんからの紹介でした。戸建てで庭があって駐車場も2台分。家賃も申し分なし。早速契約して引っ越し支度です。広さこそ公営住宅より広くなりましたが、間取りはやっぱり3DK。6人家族では普通選ばれない広さと間取りです。それでも、ぼくと家内の中ではそこでの暮らしが想像できました。なかなかいいぞと。大家さんに相談して、費用ぼくら持ちでのリフォームはある程度してもいいよとの返事も頂き、早速リフォームに取りかかりました。大きく内容は3つです。

・床材の杉板化
新建材フローリングだったのでその上に杉板を張りました。タタミは撤去で杉板厚板に

・居間、子供部屋には紙障子を設置
障子用の木枠から準備してきちんと取り付け

・壁をセルフビルドで色の塗り替え
子供たちが楽しみながら大活躍

この三つだけで、間取りの変更は一切なし。元々の間取りと、僕らの家族構成がぴったりとはまり、想像通りの住まいに変身しました。これが中古住宅での購入であれば断熱リフォームをやるところですが、さすがにそれはやめておきました。そんな簡単リフォームでの生活が始まりました。

小さな家間取りとインテリア

築50年小さな家の間取りとインテリア



全体面積も20坪に満たない小さな住まいです。それぞれの部屋も6帖とか8帖なので広いわけではありません。それでも、窮屈さはなく、家族との程よい距離感と、開放感さえ感じます。下側が南側ですが広い庭が広がっています。窓には障子をつけていますが、和紙越しに入る庭からの光は何ともやさしくて気持ちいい。締めっぱなしでも窮屈さは感じません。障子マジックですね。男子部屋も女子部屋も同じ6帖をそれぞれ二人でシェアしています。一人3帖の計算ですが、これはぼくが新築を計画する時の常数です。子供部屋の広さとしては最も効率的であり、落ち着ける広さだと考えています。一人6帖が当たり前の時代ですが、数年経てば無用の部屋になってしまいます。うちの男子部屋も、ひょっとしたら今年独り部屋になるかもしれません。広く使えている原因としてもう一つ、居間と寝室を兼ねているところでしょう。布団を敷けば寝室だし、しまってしまえば居間へと変身します。食堂は別にあるので、これで十分です。布団の上げ下ろしさえ怠らなければバッチリです。食堂と流し・食器棚などの収納との距離感もちょうどいい。椅子に座ったままでも手が届き、配膳も食事の支度も効率的です。まぁ、お風呂と洗面所トイレは手を付けると大事だったので何にもしていません。でもやっぱりお風呂寒いので、窓廻りの断熱化計画中です。窓さえ整えれば冷気の移動が少なくなり実温ほどの寒さは感じなくなるはずです。

冬の4カ月を暮らしてみて

最も寒いこの時期でさえ光熱費は前の住まいより安くなっています。実際、体感温度も上がっていて、朝の冷え込みもさほど苦にならないくらいです。屋根にも壁にも、もちろん窓についても無断熱の家ですが、なぜかあまり寒さを感じませんでした。おそらく、白い障子戸の明かりによる視覚的効果と、柔らかいスギの床板による触覚的効果、それと面積が小さい・室内ボリュームの少なさによる高効率効果がこの体感を実現しているのではと思います。これまで、私がお勧めする住宅として、小さな家というのは最大ポイントでした。実際お住まいになった方々からもいいご感想を頂いてきました。しかし、この家に越してきて実際に6人家族で暮らしてみて、あらためて小さな家の良さを実感しました。

6人で20坪というのは、うちの家族だからできたことかもしれません。しかし、そこで見いだしたルールを利用すれば、もっともっと小さい家の可能性は広がっていくのではと思います。小さくても豊かに暮らせる家、今後もその探求は進めていきます。