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大工の仕業?点検口のトラップ!

2016/04/29


本震から2週間が経とうとしています、あっという間です。子供達は学校に行けずちょっと時間をもてあそび気味、学校再開は5月9日を予定しているとのことなので、軽く夏休み状態です。

OBさま宅調査も順調に進んで、半分以上は調査完了。順次報告書を整理しているところです。調査日時点での被害状況とその被害に対する修復方法を書き添え、今後の復興の目安になるようにまとめています。が、うまく進むのはそこまで。実際補修にとなった時には、いろいろな不足が出てくることでしょう。待つしかないので、その間は補修方法などの最善を探る時間に充てようと考えています。

そんな調査の中で、大工さんのやるなぁ〜的な手仕事に出会いましたのでここにご紹介いたします。床下点検をしようと点検口に向かいました。

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いたって普通な床下点検口です。杉の厚板30mmなので、複合フローリングみたいに簡単に設置はできませんが、形・サイズ・メーカーとも普及品です。

で、その蓋の取っ手に手をかけ開けてみると、

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何か出てきました、これは床下にある断熱材です。点検口の蓋の裏にも断熱材をしっかり入れてくれています。

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その断熱材を外すと、床下のコンクリートが見えてきました。これでやっと床下点検のために潜っていけます。でも、ちょっと待ってください。写真左手に写っているのがその断熱材ですが、四角い木片みたいなものが付いています。表側を見てみるとこうなっていました。

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蓋の取っ手です。大工の気持ちというか、点検という行為を予測して作ってくれたのでしょう。よく知ってる大工さんなので、僕がこの点検口を開けた時のニヤけた面を思い浮かべながら、ニヤニヤしながら削ったのかもしれません。

いやいや、そんな斜めな見方せずに素直に素晴らしいと称賛すべきでしょう。ありがとう、大工さん。

今回の震災で日頃とは全く違ったボリュームの点検をしていってますが、少しづつでも日頃の点検ができていればさらにいいなと感じました。日頃の点検を可能にするのはこう言った小さな設え、心配りだとも思います。

床下空間をできるだけ確保する、屋根に登りやすいような外観デザイン、目視でしっかり確認できる天井の高さ、何より隠蔽して点検できないところは写真をきっちり撮っておく。

そんなことの積み重ねが家の長持ちを実現できる方法だと思います。これまでも、そのことは意識してきましたが、僕だけでなく作ってくれる職人さんたち、引渡し後のお客様にも点検がしやすいように、点検のポイントとか、方法、そして対処方法などをビジュアル的にわかりやすくまとめていけたらと思います。

今回の震災調査を、今後の震災復興へ繋げるのはもちろんですが、日常の家づくりや暮らしにも活かせるよう考えていきます。今日は、被害の大きかった地域を調査・視察してきます。自らが設計した建物でないにしても、心苦しくなるような気がして、緊張しています。専門家として、きちんと記録に残し、今後の安心安全に貢献できれば幸いです。

 

 

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