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ヤフオクから見えてきた人材確保への条件。

2015/12/7


ヤフオクに大型の荷物を出品しています。出品は完了して、そこそこウォッチされているようです。ただ、落札された場合の発送方法、荷造りの方法、運賃などがさっぱり分からなかったので、先日運送屋さんに来ていただき、アドバイスを頂きました。

運賃って意外と安いんだ。

まずは運賃の決め方です。基本的に荷物の容積と発送距離で決まるようです。容積といっても、容積に対しての単位重量があるようですので、重さで料金体系は決められていました。直方体の荷物、洗面カウンター130cm×70cm×40cmであれば150kgというように、ものの種類で単位重量が決まっているみたいです。もちろん、単位重量の重さより明らかに現物の方が重ければ、そちらの実重量でカウントされるようです。で、先ほどの洗面カウンター150kgを大阪まで送ると送料はどうなるか?実際は150kgもありません、せいぜい30kgくらいです。150kg換算なので相当するのかなと思いきや、7,700円とのこと。東京まででも11,700円。30kgしかないから割引を交渉しようと思ってましたが、逆にその程度でいけるんだと業界の仕組みに興味がわきました。一応、出品中のものを宣伝しておきます(笑)。

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INAXマーベリイナアンダーボウル

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TOYOキッチン3Dシンク付キッチンカウンター

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LIXIL LC900 ミラーキャビネット付き

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パナソニックフロアスタンド

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ステンレスシンク

やっぱり、厳しいようです。

意外と安いんですね、と担当者に尋ねると、なんだかホッとされた様子。やっぱり値交渉されると思っておられたようですね。普段、CM方式にて住宅をつくっていますから、物事のお金のかかり方の理屈が分かっています。この荷物をあそこまで運ぶのにどのくらいの手間や経費がかかるかも想像できます。そんな感じですので、この価格であれば高いとは感じなかった。業界内での価格競争もあるようで、尚更でしょう。しかし、本当に困られているのは人材の確保と育成のようでした。

どこも一緒のようですね。

荷物の話しはすぐに終わり、ついつい業界の実情についての話しを聞いてみました。人材不足が一番辛いところみたいですね。運送屋さんと会わない日は無いというくらい、毎日何らかの荷物を届けてくれます。設計事務所であるうちですらそうなので、物販などされているところであれば尚更でしょう。そんなドライバーさんの数が不足しているようです。建築の業界も人材不足は深刻な状態です。既存業界、どこも一緒のようですね。

人材コストをカットするシステム化が意欲をそいでいる?

建築の世界でも職人さんになりたいという若者は減ってきています。人口自体が減っているので仕方ないことですが、減っていること以上に、その仕事への執着度が下がっているように感じます。例えば大工さん、いろいろな大工さんと付き合っていますが、人手不足に悩まれているようです。特に後継者や若手の育成、新人の獲得。なぜ、そんなに若手が入ってこないのか、また育たないのか?そこに影響を与えているものの中にシステム化があるのではと思います。

大工さんの仕事、中でも構造躯体になる木の骨組み。この部分は完全に機械化が進み、プレカットが採用されその技術もすごいところまでいっています。3人くらいの大工さんで、2週間くらい掛かっていた木材の加工が、わずか1日で出来上がっちゃいます。しかも、その3人の大工さんは新人ではなく刻みができるベテランたちです。5日×2週×3人×20,000円=600,000円が20万そこそこでできちゃいます。これなら、機械化が進んでも仕方が無い。というより、止めることはできないでしょう。

人手不足を補うためのシステム化だったプレカットはかなりの成果を上げ、同時にその技術も進歩を遂げ、今ではほとんどの家づくりに採用され、すっかり業界に定着しています。プレカットのオペレーター(設計者)も普通に仕事として定着しています。人手不足を補うという目的はしっかりクリアしたプレカットですが、同時に大工自体の技術継承にはブレーキを掛けてしまいました。このことは、更なる人材不足・技術者不足を生み出し、さらに人の手を省くためのシステム化に拍車をかけます。堂々巡りになっているようです。人手不足と書きましたが、言い換えれば先の手刻みはできないけど、ほどほどの技術を持ったものであれば大工になれるということ。もっとキツいいい方すれば、代わりの大工さんはいくらでもいるということです。

これが意味する事は、大工という仕事自体への誇りとか、執着が薄れるという事なのかなと思います。そう考えると決して大工だけの話しでなく、多くの職業に当てはまる事なのかもしれません。誰がやっても同じレベルのものがつくれる、あるいは同程度の仕事ができる。このことが人手不足や若手不足を助長しているのかと。我々の設計業界でも、設計事務所に勤めたいという学生は少なくなっているようです。現代の若者には魅力的な仕事として写っていないのでしょうね。その事に対して先人である我々はもっと、魅力ある仕事だという事を魅せなければいけないのでしょう。

魅力的という価値観。

ただ、魅力を魅せるといっても、その魅力に我々と若い世代とではズレがあるのも事実です。多くの若い世代の仕事に対する魅力とは、こんな感じだと感じています。

・しっかりとした休暇があること、

・ただし、さほど給与は多くなくてもいい。

・社会に対する貢献度が高い方がいい。

それに対し、僕ら世代(1970年代生まれ)の仕事への魅力は

・休みは少なくてもいいが、

・なるべく給与は多い方がいい。

・仕事自体への興味やあこがれがあり情緒的。

伝えようとする魅力をそのまま伝えてしまうと、相手にとっては魅力的でない場合があるという事です。新しい世代への求人はそんな食い違いも考慮しながら進めなければならないようです、難しいですね。先日参加したとあるシンポジウムでも「大学の建築科の学生も設計事務所へは行きたがらない。優秀な生徒ほどその傾向がある。」なんて事をいわれていました。衝撃的な内容でした。でも同時に、やっぱり我々の仕事の魅せ方がまずいのではとも感じました。要は魅力的に写ってないってことなんで、そこを改善する必要があるのだなと。

給与を高く設定するのか、休みを多くするのか、社会貢献度を上げるのか、それとも師弟関係みたいな情緒的部分をアピールしていくのか。それぞれが、それぞれに対してこうだ!と思う事を魅せていくしかないようですね。ちなみにうちの事務所は、「給与はそこそこだけど、休みはしっかりとれて、いい家をつくる感覚と、それをまとめあげるノウハウ、そしてそんな住宅のオーナーとの出会い方を学ぶ事ができる」といった感じですかね。何れにしても、本人の気持ちが一番!という事は後にも先にも変わらない条件なんでしょうけど。みなさんの廻りではいかがでしょうか?