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収納が少ない=不幸ではない。

2015/03/11


収納が少ない、足りないってよく聞きますね。実際、その収納で困っている方も多いはず。では、その困ったを解決しましょう!といきたいところですが、今回はちょっと趣向を変えて、世界の暮らしをちょっとだけみてみます。

◎面白い写真集

TOTO出版から「地球家族 世界30カ国のふつうの暮らし」という変わった写真集が出ています。世界の平均的家族の持ち物と暮らしをレポートしたもので、1994年に国連が指定した1994国際家族年に向けたフォトジャーナリスト.ピーター・メンツェルの活動記録です。

各国の中流階級の家族を説得し、家の中のもの・持ち物などをずらっと外に並べて写真を撮るという内容です。その実写の暮らしに、各種統計データを関連付け、知っているようで知らなかった世界の暮らしぶりを感じるというもの。テレビや新聞で知っていた外国の暮らしが、写真を通してリアルに飛び込んできます。そんな写真集の一部を紹介します。

地球家族 TOTO出版

地球家族 TOTO出版



取材時期が1993年くらいなので、2015年の現在とはちょっと違いますが、興味深い写真がいっぱいです。

アメリカの暮らし

アメリカの暮らし



まずはアメリカです。みどりの芝生にガレージ付きの家。フォトフレームに納められた家族写真は映画で見ていたアメリカそのものですね。

イギリスの暮らし

イギリスの暮らし



次はイギリス。こちらも大体想像がつく絵になっています。花柄のシャビーなソファーがいかにもって感じです。

イタリアの暮らし

ベトナムの暮らし



ここからは極端に持ち物が減ってきます。内容をみてみると確かに不足は無いようです。

タイの暮らし

タイの暮らし



ブータンの暮らし

ブータンの暮らし



幸福度が世界一というブータン。ものがいっぱいある=幸せである。ではないですね。

南アフリカの暮らし

南アフリカの暮らし



モンゴルの暮らし

モンゴルの暮らし



ノマドな暮らしを基本としていたからでしょう、まとまりのあるボリュームと必要最低限のものたち。

◎日本の暮らしは別格

最後に日本です。1992年平成4年の撮影とのこと。今から23年前ですから、ぼくは22歳。就職して2年目くらいなんですが、かなり昭和なニオイがします。にしても、荷物の多いこと。他国を圧倒しますね、しかもバラバラのサイズでまとまりが無い。撮影時のエピソードで、住宅密集地なので家の中のものを外に並べること自体に苦労したとありました。なるほどという絵です。

日本の暮らし

日本の暮らし



でも、なんんだか落ち着く。なんで落ち着くのか?おそらく、記憶なんだと思います。自分が生まれ育って、これまで生きてきた暮らしぶりが、この写真には写っているからだろうと思うのです。

◎落ち着くの理由

この写真集を見て「あぁ、日本はこんな雑多な生活、ものに埋もれた暮らしか」と最初は正直げんなりしました。でも、何度か見直しているうちに、なんか落ち着くなぁとそこで感じるものが変わってきたのです。この写真集にであったのが4年ほど前。それから今日までこの一枚の写真に対する感じ方が少しずつ変わってきました。落ち着くという感覚を普段の住宅設計の中で、大切にするようになってきたからだと思います。

ものの無いスッキリとした家がいいという声、多く聞かれます。雑誌やテレビでもそんな住宅が多く取り上げられます。でも、なんか落ち着くという空間は、程々にものがあり、そこに生活臭を感じ、暮らしが見える住宅にこそ生まれるのかなと最近特に思っています。そんな目で上の写真を見てみると、これもアリだなとほんわかした気持ちになれます。

収納をどうしようなんて問題も、もうどうでもいいのかもしれません、ものに埋もれた暮らしに落ち着きを感じるのであれば。それよりもその暮らしを想像できるかどうかにこそ、収納の困ったに対する解決策はあるのではないでしょうか。ものを買うとき、それをどう使いどこに仕舞うのか、使っている自分が想像できるか、しっかり仕舞える空間を想像できるか。暮らしを想像すること、イメージトレーニングのように繰り返すことで、いい住宅ができると思います。