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質問者Pさんへ返した回答は発想の転換だけ。

2015/02/10


仕事柄、いろいろな家づくりのポータルサイトに登録しています。家をつくりたいと考えた方が、そのパートナーを探したり、相談をしたりできる、家をつくりたいと願う素人と、仕事を受注したいと考える専門家をつなぐサイトです。僕ら専門家の方は、そういった方々との出会いの場として登録参加しています。基本的に登録は無料なのでいくつかのサイトへ登録しています。そういったサイトからの受注はまだ経験ありませんが、マイナスになることもないだろうとそのままにしています。

そのままにしていると言っても、サイト側からはいろいろなアプローチがあります。御社営業地域でこんな案件が出ていますとか、実績写真などの登録を更新してくださいだとか。これらアプローチにはあまりかまっていませんが、質問や相談ごとにはできるだけ答えるようにしています。先日もあるポータルサイトをご利用のPさんから、こんな質問投稿がありました。質問サイトに相談事をあげると、それを見てる専門家がアドバイスしてくれます。

いつまでも悩んでいるより・・・。

いつまでも悩んでいるより・・・。



「予算2000万円でこんな家建てられますか?」

内容を見てみると、面積も大きいし建物の仕様も結構グレード高いです。いろいろ調べられているようで、構造についてや断熱について、内部や外部の仕上げ材料についても細かく書き込まれています。条件の中に出てくる「展示品でもいいです」とか「総2階建てでかまいません」とか「無垢材は欲しいけど節ありでもいいです」などのコメントからも、予算的に厳しいだろうというのはご本人も気づかれている様子です。

これ、よく目にする質問です、ということは多くの皆さんが同じような不安を抱え、家づくりを始めようとされているということ。どうしたら理想の家が安く予算内で建てることができるか。もっとも基本的な部分だろうと思います。

でもちょっと待ってください。これまで多くの方の家づくりに参加してきましたが、この部分は信頼できるパートナーを見つけてからの方がいいようです。えーって声が聞こえてきそうですが、実は質問者さんが本当に欲しい返事は、「断熱材はこれがいいですよ」という答えではなく、「あなたにはこれがピッタリですよ」という、あなたの立場に立ったアドバイスではないでしょうか。

予算2000万円とあります。この2000万円の根拠はなんでしょう。ご自身の年収からまぁこれくらいならとか、今の家賃から計算するとこれくらい借りれそうだななど、中にはローンシミュレーションを駆使してこの予算をはじき出されているかもしれません。しかしそこには大きな落とし穴があります。それはあなたがお金のプロでないこと。いくらシミュレーションをやってみてもそれが正解かどうかなんて分かりませんよね。これくらいかなって感じだと思います。

断熱材は高性能なポリスチレンフォームで、外張り断熱がいい。仕事で疲れているのに、夜な夜なネットサーフィンしていろいろな家づくりサイトでいいものを探して回る。これだと思ったものもあるけど、もっと他にないのかなとまたまたググってしまう。結局不安は拭えないまま。

メンテナンスフリーがいいと外装や屋根の材料をやっぱりネットサーフィン。調べてるうちに自然素材などというキーワードが目に入ってきた。気にはなるけど、メンテナンスが不安。

結局、いろいろ悩んで調べてみても結論は出ず、ただただ時間だけが過ぎて、不安は残ったままです。なぜそうなってしまうのでしょう。お気づきの方もいらっしゃるでしょう、そう、全体が見えないからです。プロとアマチュアの違い、それは全体が見れるか否かです。アマチュアの場合どうしても気になる部分だけに意識が集中してしまいます。プロは全体を見ることで諸条件のバランスをとってベストを選んでいきます。

ベストが選べるということは、あえてアンバランスにすることも可能ということです。例えば「床材は吉野スギの無節で赤白がきれいなもの」とっても贅沢で、全体予算から考えるとものすごくバランスの悪いチョイスです。でも、全体が見えていれば、その分のコストアップをどこでカバーすることができるかと分かるのです。つまり、選択の幅が広がるってことです。この判断はアマチュアではなかなか難しいと思います。

◎餅屋は餅屋

では、我々家づくりのプロに相談すればすべて解決するのか?はいっ!と答えたいところですが、我々でも知り得る知識や情報には限度があります。お金のことであればファイナンシャルプランナーやモーゲージプランナー、保険であればその分野の方、土地のことなら不動産屋さんなど、建てた後では固定資産税や相続税などで税理士さんの力が必要かもしれません。我々家づくりのプロは、それらの情報や知識を広く知っています。多くの家づくりに関わるので自然と身に付いていきます。でも深くはないのです。金利や税法など刻々と変わっていきますし、国家資格を有してそれらの問題を解決している専門家に我々がなれるはずもないのです。

◎解決を目指すことと、楽しみむことは別。

楽しい家づくりです。自分でいろいろ調べたり、間取りを考えてみたり、どんな断熱材があるのかリストアップしてみたり、どれも時間はかかりますが自分たちの家づくりのことなので楽しいことです。この楽しさは絶対味あうべきです。しかし、そこで結論を出そうとしないでください。解決や結論を求める場合は専門家を利用した方がいい。その道のプロに自分たちの状況や夢を打ち明け、その中でのベストを導きだしてもらう。一人一人のベストはバラバラです。あなたにぴったりの家をつくるためには、そういった行動も大切だと思います。

こんな風に質問者Pさんにもお答えしました。その後、参考になった!のアナウンスが来たので、いい家づくりになるのではと思います。今回書いたことは家づくりスタート時における発想の転換です。あなたも、いい家づくり目指すなら早めにパートナーを見つけてくださいね。