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【飛熊の家_MTH】配筋作業と配管作業が進んでます。

2017/04/27


ベースコンクリート打設に向けて。

 

コンクート打設の予定が、4月28日の午後からになっています。お天気の心配はないようなので、随分気は楽な今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

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鉄筋の配筋工事が進んでいます。終日雨が降っていましたが、職人さんたちは黙々と届いている鉄筋を組み上げていかれます。この鉄筋にまつわる質問で多いのがサビについてです。

「サビが出ている鉄筋でも強度とか大丈夫なの?」

結論から言うと、基本的には大丈夫です。基本的にというのは、そのサビの状態・程度によるということです。表面にうっすらとついてるようなサビは問題ありません。内部にまで侵食しているようなものはもちろんNGです。ここで、鉄筋コンクリートについて少し解説しておきます。

 

鉄筋コンクリートの特性

 

文字通り、コンクリートと鉄筋のハイブリッドになるわけですが、コンクリートも実はセメント・砂・骨材・水のハイブリッドなんです。そのコンクリートの特性として、圧縮する力に強くて、せん断する力(物体内部でズレようとする力)、曲がろうとする力には弱いとされています。これを補うのが鉄筋になるわけです。

そして、この鉄筋の弱点がサビなどの腐食ですね。そこで面白いのが、この鉄筋の弱点を補うのがなんとコンクリートなんです。そもそも、鉄筋が錆びるのは鉄が酸化して起こっている現象です。この酸化に対して、コンクリートの強アルカリの性質(なれない人が素手で触ると肌荒れしちゃいます)は非常に効率よく働いてくれます。それぞれの弱点を補いつつ出来上がっている鉄筋コンクリート、近代建築にはなくてはならない素材ですが、あらためてすごいなと思います。

ということで、コンクリート内に封じ込まれた鉄筋のサビは、それ以上進行することはないということになります。。鉄筋内部まで腐食が進んでいない、表面に乗ってるだけのサビは心配ないというのはそういうことです。

ただし、このコンクリートと鉄筋のハイブリッド作用が永年続くかというとそうでもないんですね。鉄筋のサビを抑えているのは、コンクリート(に含まれる水酸化カルシウム)の強アルカリ性です。この水酸化カルシウムが空気中の二酸化炭素と反応して、炭酸カルシウムとなり同時にアルカリの性質が酸性へと変化していきます。こうなると、鉄筋のサビを抑える効果もなくなっていくのです。話が逸れますが、トンネルの天井のコンクリートが落ちたとか、ビルの外壁の一部が落下したとかニュースで目にすることありますよね。多くはこうしたコンクリートの劣化(中性化)により、内部に水が侵入したり、アルカリ成分が少なくなり、そこにある鉄筋をサビさせ、サビの発生により鉄筋が膨張して、コンクリートを押し割っているのです。

 

ついでにカブリ厚さについて。

 

このコンクリートの劣化スピードの話も付け加えると、10年で5mmというのがよく言われます。僕も実験したわけではないので、いろいろな情報を整理してると、そうなのかなと思います。公の鉄筋コンクリート建築物の対応年数は45年からと言われています。確かに、学校などの大規模修繕はそんなタイミングで行われます。ここで鉄筋とコンクリートの組み合わせで重要条件となるのが、鉄筋のカブリと呼ばれる寸法です。

 

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これは普段勉強会などで使っているスライドですが、それぞれの部分でカブリ厚さが建築基準法で定められています。その数字が表の中に書いてありますが、このカブリ厚さは、コンクリート表面から進む中性化のスピードを考慮したものなのです。より、中性化が進みやすい土中ではカブリ厚さを多くとって、コンクリートの劣化を防ぎ、鉄筋の腐食を抑えようとしています。

 

配管工事も進んでますよ。

 

鉄筋作業が終盤になると、タイミングを見計らって水道屋さんが配管を仕込みに来ます。コンクリートが流し込まれるまでの、少しの時間にやらなければいけないので、スケジュール合わせるのは水道屋さんの協力なくては難しいところです。

 

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HD住設の中村さん、ものすごく真面目で硬派な方です。今回も認定長期優良住宅なので、配管についてもいろいろ配慮が必要になってます。

 

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これは、さや菅と呼ばれる配管補助材です。本来必要な排水管より一回り大きな配管を、先にコンクリートに埋め込んでおき、その中を本当の配管が通っていきます=さや菅ですね。要は、将来何らかのメンテナンスで配管の交換が必要になった時、コンクリートを壊すことなく、配管の遣り替えができるようにという、住宅の長寿命化をサポートする部材になります。

 

鉄筋検査はまた後日あらためますが。

 

せっかくここまで出来ているので、鉄筋の検査も少ししてきました。

 

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立ち上がり鉄筋の定着と呼ばれるところです。基準では、45d以上確保しなさいとなっています。意味としては、鉄筋径をdとした場合、その45倍の長さを確保するようにということです。今回のdは10なので、450mm以上ということになります。実測値は670mmでもちろんOKでした。

 

次回は、鉄筋の配筋検査と、底盤コンクリート打設になります。

 

 

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