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たたみとソファーとテーブルと。

2015/02/3


問題の整理

住宅設計では、食事の支度→食事→食後のくつろぎというのがオーソドックスな流れとして存在します。今回もまた、そんな家族のくつろぎを想像しながら計画を進めています。もちろんシンプルにコンパクトに、広さはいつものようにそのご家族にとって広すぎないものを提案していますが、解決しなければならない問題が残っています。日本の住まいではよく見かけますが、リビングの中のたたみの間がそれです。今回の計画では、そのたたみの間を食卓に近い位置でレイアウトしたいとのご要望がありました。

なにが問題なの?

特別なことと思われない方が多いと思います。当然ですね、よく目にしますもんねこの間取り。でもこのレイアウトはあまりきれいな空間ではないとぼくは思っています。一番の問題は食卓に座っている人と、たたみに座っている人との目線の高さが合わないこと。こんな経験ありませんか?親戚が自宅に来た時、あるいは親戚のうちにお邪魔した時、一緒に食事をとる。そのとき、たたみに座ってる人は椅子に座ってる人を見上げなければなりません。距離が近ければ尚更です。しかも、いすテーブルの人の足下まで目線に入ってきます。みんなで集まっての楽しいイベントですから、どうせなら目線を合わせておいしい食事をしたいものです。

その解決方法は?

よく使われる方法としては、たたみの間を小上がりにすること。35cm〜40cmほど床からあげておけば、椅子に座っている人とほぼ同じ高さの目線が確保できます。ただし、その時だけのために小上がりをつくるのは勿体ない。普段から利用できるもの、利用し易いものでなければつくる意味がありません。たたみの間というくらいですから、廻りには板の間(フローリング)が広がっているはずです。そうなると、同じリビングの中でのバランスが悪くなり、バランスをとるためにはフローリングの広さ、たたみの間の広さをある程度確保する必要が出てきます。

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たたみの間の使い方



今回も、食卓テーブルがあり、たたみの間があり、フローリングがあります。そのままでは、先に書いたようにそれぞれの間隔を広げて、それぞれがある程度独立するようなレイアウトが望ましいところです。でもそれでは、面積はどんどん広くなり、その分費用もかさみ、暮らし始めてからの光熱費も増え、メンテナンスを必要とする範囲も増えてしまいます。それでは、せっかくうちに設計の依頼を頂いたのに勿体ない。考えた結果がうえの画像です。

たたみとソファー。

ご覧いただくとお分かりの通り、結構コンパクトに台所・食堂・居間(たたみの間と板間)が納まっています。それぞれの間隔もかなり近いです。ちなみに、たたみの間は約4帖。その中に、テレビ台と3人掛けのソファーが配置されています。たたみは小上がりではありません。ということは、食卓との高さのギャップは?となりますが、今回は窓側に置かれたソファーがそれを解決してくれました。ソファーと食卓とは相性がいいです。「たたみの間があるからソファーを置くのはあきらめます、ほんとは欲しいんですけどね」とご依頼いただいた時におっしゃっていたのが頭の中に引っかかっていました。どうにか叶えられないかと考えていたら、こんなところに解決策が出てきました。通常新築でたたみの上にソファーはレイアウトしません。たたみにも置けるソファーとして売ってあるものもありますが、デザイン的に限りがあります。

ちょっとだけ常識を外してみる。

そこで、たたみの間を4帖の広さに見えるように配置して、ソファーを置く床は板張りにしました。どんなソファーを持ってきてもいいように。それともう一つ、ソファーとたたみの関係を整理する方法として考えたのが、たたみをラグとして考えること。ソファーの足下にラグを引くと、ぐっと空間的まとまりが出てきます。そのラグの代わりがたたみというわけです。足触りはすこぶるいいし、もちろんそこに座ることもできる。ソファーに寄りかかっても、ソファーが壁際にあることでずれたりもしません。人数が集まる時はちゃぶ台を出せば、そこで食事もとれます。なかなかよく纏まったともいます。

あとはこの案をお客さまに見ていただき、了解いただければ細部の検討に移っていきます。ぼくの想像がお客さまの心の奥底に繋がっていれば、「おぉソファーが入ってるー」と喜んでもらえるはずです。さて、どうなることでしょう。今週中にはまとめてご覧いただこうと思います。